
英雄たちが愛した歴史的スパイクVOL.71 「90年W杯ディエゴ様専用モデル+α入手編(その2)」
ディエゴ様のスパイクへの憧れで、これまでビンテージスパイクのコレククションを続け、それらについて発信してきましたが、(たぶんそのおかげで)とうとう究極のモデルを手にすることができました。前回に引き続き、第二弾になります。

前回ご紹介した90年W杯モデルに加えて、さらに別のモデルを2足入手することができました。
個人的によく譲ってくれたなあと思っているモデルが図1のユーゴスラビア戦モデルです。
90年W杯の準々決勝は、今は亡きオシムさんが監督をされ、若きストイコビッチ選手がおられたユーゴスラビアとの対戦でした。
90年W杯のディエゴ様のスパイクについてはこちらに記しましたが、ユーゴスラビア戦のモデルはこの大会で、この試合だけ使用した黒いシュータンに緑の文字で「PUMA」と記されたモデルでした。

図1 PK戦で外してしまい天を仰ぐディエゴ様(左)。この大会初めてお披露目されたモデルでしたが、PK失敗のためかそれ以後は使われませんでした。右は今回入手したモデル。

図2 左はキングギアが始まったころに掲載された写真家・清水和良さんが撮影された写真で、90年W杯のディエゴ様のスパイクのラインに「Diego」の印字があったことをはじめて知りました。
図3は前回も紹介させていただいたモデルで、片足のみ当時と同じタイプのソールを装着した状態でしたが、この度、両足とも修復していただきました。
リペア工房・アモール様、いつもありがとうございます。
申し遅れましたが、前回でご説明した通り、今回新たに入手できた2足も、もともと固定式モデルだったようで、ソールは剥がされていました。おそらくソールが劣化したためか、使用されずにアルゼンチンのディエゴ様の旧家に残っていたものです。

図3 かかとが緑ラインではなく、ノーマルのキングと同じタイプ(右)。ナポリでも履いていましたが、セリエAの試合ではシュータンを立てていました(左)。

図4 90年W杯で、このタイプを履いていた試合(対ソ連、ルーマニア(前半)、ブラジル(前半途中まで)戦)では、シュータンを折っていました(左はルーマニア戦キックオフ前)。入手したモデルはシュータンがリバーシブルタイプではなかったので、市販のキングのシュータンをはめて撮影してみました(右)。
図3、4のモデルの「Diego」の印字があるプーマラインには(おそらく)スパイク作製時についた指の跡がありました。
なぜついたのかは不明ですが、指紋も残っています(図5)。

図5 なぜこんな場所に指紋が残っているのか?プーマの職人さんのもの?
もしかして、まさかあの人の…?
図6も前回ご紹介したW杯やナポリの練習で履いていたシュータンが派手なモデルです。こちらも両足ソールを付けてもらいました。

図6 私が知る限り、このタイプのシュータンのモデルは右のような固定式しか確認されていません。
90年W杯でもっとも使用頻度が高かったモデルはノーマルのキングのシュータンで、かかとに緑のラインが入ったモデルでした。結局、そのタイプは手に入らなかったので、やはりキングのシュータンを付けて撮影してみました(図7)。

図7 90年W杯開幕戦のディエゴ様(左)。結局、このタイプのモデルはアルゼンチンでも発掘されなかったようです。

図8 3足も「Diego」印字入りモデルを並べられるのはコレクター冥利に尽きます。並べてみて気づいたのですが、かかと緑ラインのモデルは緑色のヒモ通しがありますが、その部分のつくりはそれぞれ異なっていました。
90年W杯用の「Diego」印字入りモデルが入手できたことは確かにうれしいのですが、今回、個人的にもっともエキサイトしたのは図9のモデルが入手できたことです。
これまでのモデルはドイツが統一される直前にモデルチェンジされたキングがベースになっていますが、やはり私がもっとも好きなタイプは80年代のキングがベースのモデルです。
図9は86年W杯以後にディエゴ様がナポリや代表でよく使っていたタイプで、初スクデットや欧州カップを獲得した時もこのモデルを履いていたと思います。

図9 87年ACミラン戦で絶妙なトラップから得点するディエゴ様(左)。右は今回入手したディエゴ様専用モデルで、側面のPUMAの金文字の下に「DIEGO MARADONA」と印字されています。
このモデルはイタリアのコレクターがお持ちなのは画像で見たことがありましたが、まさか目の前で見ることができるとは思いませんでした。

図10 当初、このモデル(左上)は片足のみ入手の予定でしたが、何とか両足とも手に入れることができました。右上は最近入手できた側面の表示が「PUMA」のみの同等モデル。特注品か市販品かは不明です。
下はこれまで憧れていたイタリアのコレクターが所有しているディエゴ様実使用スパイク。
日本人でもこのモデルを手に入れることができたのがうれしいです。 私にとって、実使用かはあまり重要ではなく、あくまでソール後付けの加工品ですが、一瞬でもご本人の手に渡ったものと思うとワクワクします。
協力していただいた皆様に感謝いたします。
思い返せばキングギアで初めてコラムを書かせていただいたのが、前回のW杯前のことでした。早いもので、もうすぐ新たな大会が始まります。
その間、世の中がこれほど変わってしまうとは予想もしませんでした。
前回大会では観客席で誰よりも熱く母国を応援していたディエゴ様のお姿が、今大会では見ることができないのも寂しい限りです。
今回、ディエゴ様ゆかりのお品を手にすることができ、ようやく偉大なフットボーラーが愛したスパイクについて語る資格を得たような気がしますので、これからも情報発信を続けていきたいと思います。
そして、天国のディエゴ様も願われていると思いますが、何より早く戦争やコロナ禍が収束し、サッカーの祭典で世界中が盛り上がれるようになってほしいものです。
(写真はサッカーマガジン、サッカーダイジェスト、アフロ及びゲッティイメージズなどから転載させていただきました)
個人的によく譲ってくれたなあと思っているモデルが図1のユーゴスラビア戦モデルです。
90年W杯の準々決勝は、今は亡きオシムさんが監督をされ、若きストイコビッチ選手がおられたユーゴスラビアとの対戦でした。
90年W杯のディエゴ様のスパイクについてはこちらに記しましたが、ユーゴスラビア戦のモデルはこの大会で、この試合だけ使用した黒いシュータンに緑の文字で「PUMA」と記されたモデルでした。

図1 PK戦で外してしまい天を仰ぐディエゴ様(左)。この大会初めてお披露目されたモデルでしたが、PK失敗のためかそれ以後は使われませんでした。右は今回入手したモデル。

図2 左はキングギアが始まったころに掲載された写真家・清水和良さんが撮影された写真で、90年W杯のディエゴ様のスパイクのラインに「Diego」の印字があったことをはじめて知りました。
図3は前回も紹介させていただいたモデルで、片足のみ当時と同じタイプのソールを装着した状態でしたが、この度、両足とも修復していただきました。
リペア工房・アモール様、いつもありがとうございます。
申し遅れましたが、前回でご説明した通り、今回新たに入手できた2足も、もともと固定式モデルだったようで、ソールは剥がされていました。おそらくソールが劣化したためか、使用されずにアルゼンチンのディエゴ様の旧家に残っていたものです。

図3 かかとが緑ラインではなく、ノーマルのキングと同じタイプ(右)。ナポリでも履いていましたが、セリエAの試合ではシュータンを立てていました(左)。

図4 90年W杯で、このタイプを履いていた試合(対ソ連、ルーマニア(前半)、ブラジル(前半途中まで)戦)では、シュータンを折っていました(左はルーマニア戦キックオフ前)。入手したモデルはシュータンがリバーシブルタイプではなかったので、市販のキングのシュータンをはめて撮影してみました(右)。
図3、4のモデルの「Diego」の印字があるプーマラインには(おそらく)スパイク作製時についた指の跡がありました。
なぜついたのかは不明ですが、指紋も残っています(図5)。

図5 なぜこんな場所に指紋が残っているのか?プーマの職人さんのもの?
もしかして、まさかあの人の…?
図6も前回ご紹介したW杯やナポリの練習で履いていたシュータンが派手なモデルです。こちらも両足ソールを付けてもらいました。

図6 私が知る限り、このタイプのシュータンのモデルは右のような固定式しか確認されていません。
90年W杯でもっとも使用頻度が高かったモデルはノーマルのキングのシュータンで、かかとに緑のラインが入ったモデルでした。結局、そのタイプは手に入らなかったので、やはりキングのシュータンを付けて撮影してみました(図7)。

図7 90年W杯開幕戦のディエゴ様(左)。結局、このタイプのモデルはアルゼンチンでも発掘されなかったようです。

図8 3足も「Diego」印字入りモデルを並べられるのはコレクター冥利に尽きます。並べてみて気づいたのですが、かかと緑ラインのモデルは緑色のヒモ通しがありますが、その部分のつくりはそれぞれ異なっていました。
90年W杯用の「Diego」印字入りモデルが入手できたことは確かにうれしいのですが、今回、個人的にもっともエキサイトしたのは図9のモデルが入手できたことです。
これまでのモデルはドイツが統一される直前にモデルチェンジされたキングがベースになっていますが、やはり私がもっとも好きなタイプは80年代のキングがベースのモデルです。
図9は86年W杯以後にディエゴ様がナポリや代表でよく使っていたタイプで、初スクデットや欧州カップを獲得した時もこのモデルを履いていたと思います。

図9 87年ACミラン戦で絶妙なトラップから得点するディエゴ様(左)。右は今回入手したディエゴ様専用モデルで、側面のPUMAの金文字の下に「DIEGO MARADONA」と印字されています。
このモデルはイタリアのコレクターがお持ちなのは画像で見たことがありましたが、まさか目の前で見ることができるとは思いませんでした。

図10 当初、このモデル(左上)は片足のみ入手の予定でしたが、何とか両足とも手に入れることができました。右上は最近入手できた側面の表示が「PUMA」のみの同等モデル。特注品か市販品かは不明です。
下はこれまで憧れていたイタリアのコレクターが所有しているディエゴ様実使用スパイク。
日本人でもこのモデルを手に入れることができたのがうれしいです。 私にとって、実使用かはあまり重要ではなく、あくまでソール後付けの加工品ですが、一瞬でもご本人の手に渡ったものと思うとワクワクします。
協力していただいた皆様に感謝いたします。
思い返せばキングギアで初めてコラムを書かせていただいたのが、前回のW杯前のことでした。早いもので、もうすぐ新たな大会が始まります。
その間、世の中がこれほど変わってしまうとは予想もしませんでした。
前回大会では観客席で誰よりも熱く母国を応援していたディエゴ様のお姿が、今大会では見ることができないのも寂しい限りです。
今回、ディエゴ様ゆかりのお品を手にすることができ、ようやく偉大なフットボーラーが愛したスパイクについて語る資格を得たような気がしますので、これからも情報発信を続けていきたいと思います。
そして、天国のディエゴ様も願われていると思いますが、何より早く戦争やコロナ禍が収束し、サッカーの祭典で世界中が盛り上がれるようになってほしいものです。
(写真はサッカーマガジン、サッカーダイジェスト、アフロ及びゲッティイメージズなどから転載させていただきました)