
英雄たちが愛した歴史的スパイクVOL.28 『世界のコレクターさん・イギリス編』
ビンテージサッカースパイク好きは世界中にたくさんおられるようで、時々驚くほどのコレクションを保有されている方とお知り合いになります。 以前、マレーシアの方についてはご紹介しましたが、今回はイギリスのコレクターから購入したスパイクなどについてです。

(スパイクブログ始めました。https://maradonaboots.com/)巻頭写真はサイズ規定があるため入りきりませんでしたが、全体は図1になります。
コレクションの一部のようですが、70~80年代のアディダスとプーマのスパイクの箱が芸術的(?)に積まれています。
中身は見せてもらっていないのですが、数も種類も最初にこの写真を見た時は驚愕でした。

図1 すごいの一言です。中には筆者垂涎のモデルもあります。
昔のスパイクを集め始めたのがここ数年の筆者にとって、箱入り未使用とかサイズなどを気にする余裕はなく、好きなモデルであれば程度など関係なく入手しています。
しかし、この方はおそらく発売当時から集められていたようで、それこそ「ハンパない」程度の物が多いです。
スパイク本まで書いたクレイジーなのが日本にいることをおもしろがってか、時々コレクションを買わないかという連絡が来ます(単なるカモと見られているだけ?)。
既に同じモデルを持っていても、程度やサイズの良さに惹かれてついつい手を出してしまったのが図2、3です。
図2 ワールドチャンピョン(左)とワールドカップ82(右)。 こちら(http://king-gear.com/articles/753)で紹介したモデルですが、改めてイギリスから入手した物です。 ヒモの通し方は前所有者がカタログ写真と同じようにしています。
図3はワールドカップ78です。これまで入手した物(図4の2足)よりも側面の表示等、抜群にきれいです。
購入を持ちかけられた当初、つま先が裏革のモデルを期待したのですが(http://king-gear.com/articles/779の図2)、普通のタイプでした。 イギリスの方も裏革モデルが本当に実在するのかはご存じないそうです。
図3 イギリスから入手したワールドカップ78(右)。 珍しく箱はありませんでした。こちらもヒモの通し方にこだわりを感じます。 ワールドカップ78はこれまで国内で2足入手しました。 モデルの詳細はこちら(http://king-gear.com/articles/779)に記しましたが、同じモデルでも比較して新たにわかった細かい点として、ソールのサイズの刻印有無(図4右上)、かかとの作り(左下)などに違いがありました。
図4 同じモデル(ワールドカップ78)間の相違点。
アディスーパーソールで、右上の「7」のサイズ刻印はこのモデルでしか見たことがありません。
78年W杯でデビューしたアディスーパーソールですが、86年大会でもこのソールのスパイクを愛用した選手については何度かご紹介しました。
さすがにそれ以降のW杯ではいないだろうと思っていたのですが、(西)ドイツのベルトルト選手は94年大会でも履いていました(図5中)。 ベルトルト選手は01年に引退されましたが、少なくとも98年まで、このソールのスパイクを愛用されていたようです(右)。
図5 ベルトルト選手のスパイク。
86年メキシコW杯の頃の取替え式はシンプルな白ソール、90年大会はイタリア大会モデルでしたが、94年アメリカ大会では先祖返りのようにアディスーパーソールのモデルでした。
98年(シュツットガルト所属)まではこのソールのモデルを使われていたようですが、アッパーはいたってシンプルなモデル(多分ワールドカップと同じ)のようです。
98年、08年にアディスーパーソールのワールドカップ復刻版が登場したので、生産は可能だったわけで、ベルトルト選手が履いていてもおかしくはないと思いますが、他のトップレベル選手が使っていたかは不明です。
旧型ワールドカップの細かい仕様や生産国の違いについては以前ご紹介しました。 図6は最近新たにイタリアのコレクターから入手したワールドカップです。 西ドイツ製のこのタイプは付属スタッドが赤のみと思っていましたが、いろいろありました。
図6 イタリアから入手した西ドイツ製ワールドカップ。
イタリアの方もかなり強烈なので、いずれご紹介したいと思います。
今回の最後は26話(http://king-gear.com/articles/950)でご紹介できなかった86年W杯で使用されたその他のアディダスモデルについてです。 この大会ではシュータンに大きなトレフォイルのついたモデルも登場しました。
英国系選手のスパイクは時々珍しいモデルの場合があるのですが、図7左のナリー選手(スコットランド)は取替え式のプロフィでしょうか? 中央のペニー選手(北アイルランド)はアディパンソールの固定式です。
このタイプは94年大会のレドンド選手(アルゼンチン)の印象が強いです。いずれもモデル名はわかりません。 南米では80年代初め頃から日本では見たことがない独特なモデルがあったような気がします(アディダスもプーマも)。
アルジェリアの選手もユニークなモデルを使う印象があるのですが、極めつけはジダン選手(中央赤)で、スパイクではなくトレシューみたいですね。 人工芝でもないのに、ある意味すごいです。
図7 86年大会のアディダスの珍しいモデル。
右のレドンド選手(94年大会)は参考です。
中央の挿入図はそれぞれのシューズ(別角度)のユニークな部分を拡大しました。コパムンの黒白2マテリアルソールは12本スタッドですが、80年代の白いアディパンソールで12本(普通は13本)は珍しいと思います。
ジャメル・ジダン選手(赤)の甥は、あのフランスのジダン選手です。 この試合(北アイルランド戦)、トレシューで得点を決めています。 知らなかった…。
(写真は当時のサッカーマガジン、ダイジェスト、イレブン及びゲッティイメージズなどより引用)
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『神に愛された西独製サッカースパイク』
80年代に数々の伝説を生んだサッカー界のスーパースターを足元から考察した論考。

図1 すごいの一言です。中には筆者垂涎のモデルもあります。
昔のスパイクを集め始めたのがここ数年の筆者にとって、箱入り未使用とかサイズなどを気にする余裕はなく、好きなモデルであれば程度など関係なく入手しています。
しかし、この方はおそらく発売当時から集められていたようで、それこそ「ハンパない」程度の物が多いです。
スパイク本まで書いたクレイジーなのが日本にいることをおもしろがってか、時々コレクションを買わないかという連絡が来ます(単なるカモと見られているだけ?)。
既に同じモデルを持っていても、程度やサイズの良さに惹かれてついつい手を出してしまったのが図2、3です。

図3はワールドカップ78です。これまで入手した物(図4の2足)よりも側面の表示等、抜群にきれいです。
購入を持ちかけられた当初、つま先が裏革のモデルを期待したのですが(http://king-gear.com/articles/779の図2)、普通のタイプでした。 イギリスの方も裏革モデルが本当に実在するのかはご存じないそうです。

図3 イギリスから入手したワールドカップ78(右)。 珍しく箱はありませんでした。こちらもヒモの通し方にこだわりを感じます。 ワールドカップ78はこれまで国内で2足入手しました。 モデルの詳細はこちら(http://king-gear.com/articles/779)に記しましたが、同じモデルでも比較して新たにわかった細かい点として、ソールのサイズの刻印有無(図4右上)、かかとの作り(左下)などに違いがありました。

78年W杯でデビューしたアディスーパーソールですが、86年大会でもこのソールのスパイクを愛用した選手については何度かご紹介しました。
さすがにそれ以降のW杯ではいないだろうと思っていたのですが、(西)ドイツのベルトルト選手は94年大会でも履いていました(図5中)。 ベルトルト選手は01年に引退されましたが、少なくとも98年まで、このソールのスパイクを愛用されていたようです(右)。

98年(シュツットガルト所属)まではこのソールのモデルを使われていたようですが、アッパーはいたってシンプルなモデル(多分ワールドカップと同じ)のようです。
98年、08年にアディスーパーソールのワールドカップ復刻版が登場したので、生産は可能だったわけで、ベルトルト選手が履いていてもおかしくはないと思いますが、他のトップレベル選手が使っていたかは不明です。
旧型ワールドカップの細かい仕様や生産国の違いについては以前ご紹介しました。 図6は最近新たにイタリアのコレクターから入手したワールドカップです。 西ドイツ製のこのタイプは付属スタッドが赤のみと思っていましたが、いろいろありました。

今回の最後は26話(http://king-gear.com/articles/950)でご紹介できなかった86年W杯で使用されたその他のアディダスモデルについてです。 この大会ではシュータンに大きなトレフォイルのついたモデルも登場しました。
英国系選手のスパイクは時々珍しいモデルの場合があるのですが、図7左のナリー選手(スコットランド)は取替え式のプロフィでしょうか? 中央のペニー選手(北アイルランド)はアディパンソールの固定式です。
このタイプは94年大会のレドンド選手(アルゼンチン)の印象が強いです。いずれもモデル名はわかりません。 南米では80年代初め頃から日本では見たことがない独特なモデルがあったような気がします(アディダスもプーマも)。
アルジェリアの選手もユニークなモデルを使う印象があるのですが、極めつけはジダン選手(中央赤)で、スパイクではなくトレシューみたいですね。 人工芝でもないのに、ある意味すごいです。

中央の挿入図はそれぞれのシューズ(別角度)のユニークな部分を拡大しました。コパムンの黒白2マテリアルソールは12本スタッドですが、80年代の白いアディパンソールで12本(普通は13本)は珍しいと思います。
ジャメル・ジダン選手(赤)の甥は、あのフランスのジダン選手です。 この試合(北アイルランド戦)、トレシューで得点を決めています。 知らなかった…。
(写真は当時のサッカーマガジン、ダイジェスト、イレブン及びゲッティイメージズなどより引用)
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『神に愛された西独製サッカースパイク』
80年代に数々の伝説を生んだサッカー界のスーパースターを足元から考察した論考。