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寺田明日香(100mハードル)インタビュー 「共にハードルを越えてきたギア Vol.2」

23歳で陸上選手(100mハードル)を引退してから「結婚・出産・大学進学・仕事」などを経て、2019年に6年ぶりに陸上競技の世界に戻った。‬9月には日本人が破れなかった13秒の壁を越え、日本新記録(12秒97)を樹立。10月には10年ぶりに世界陸上へ出場した。物理的に考えて信じられないことが起きている。色々なハードルを越えて来た寺田明日香(パソナグループ)に、共にハードルを超えてきたギアの話を聞かせて頂いた。

Icon 16466945 810048175800857 1247399717 n 菊池 康平 | 2019/12/11
Vol.1はこちらから

――色へのこだわりはありましたか?   

寺田:色は結構奇抜なことをしてきました。左右の色を変えたりとか、ラインの色を変えたり。1番気に入ったのは白ベースに水色のラインでしたが、最終的にはシンプルなものがいいなと思いました。

――なんで白ベースに水色の靴がお気に入りだったですか?   

寺田:かわいかったし、爽やかなイメージを出したくて。あと、より軽く感じられるような色合いが良いなと思っていました。黒より白と水色の方が軽く見えたんですよ。   

――当時は靴に対してもストイックだったんですか?

寺田:「作って頂くのが当たり前」じゃないですけれども、スパイクは普通の市販品は履けない、というほどの感じでした。   

――学生時代からエリートでシューズを作ってもらっていたんですね?   

寺田:高校生の頃から作ってもらっていました。恵まれていたと思います。   

――Onの良さは?

寺田:ランニングシューズですが、タウンユースもできるというのがすごい魅力です。ジャージとかもシンプルなんですが、すごいスタイリッシュなものが多いんですよ。     

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寺田:このジャケットは、とっても軽いんですけれども、けっこう水を弾いてくれるんですよ。スタイリッシュで普段着でもいけて機能的なんです。   

ーー両方兼ね備えているんですね。   

寺田:そうなんです。便利なので重宝しています。ラインもシュッとしていて綺麗ですし、かっこよく見えるんです。   

――ラグビーの時は、どんなスパイクを履いていたんですか? 

寺田:ニューバランスのサッカースパイクです。   

――その時のこだわりって何かありましたか? 

寺田:最初はアシックスを履きましたが、ニューバランスの方から陸上スパイクをモデルにしたサッカースパイクを出しているということを伺って、履かせて頂くことになりました。   

実際に陸上のスパイクのようで軽かったですし、カンガルー革を使っていて、伸びもちょっとあり、かつ伸びすぎないという感じでフィット感が良かったです。

ひっかかりもありすぎないというか、女子の場合はひっかかりすぎると筋力が弱いので、全十字を負傷したたりとか、結構引っかかって抜けなかったりというのがあるので、そこに関してはすごく良かったです。   

抜け感も良かったですし、陸上のスパイクを履いて走っているような感じでした。   

――今年から陸上に復帰し、Onをそのまま継続して使っていて、スパイクは復帰当初はアシックスですよね?   

寺田:はいアシックスです。   

――スパイクへの現在のこだわりは?   

寺田:復帰に際して、アシックスに友達がいたのでその方に頼んで買ったんですよ。それは別注じゃないんですけど、前からアシックスを履いていたので、履き慣れている感がありました。   

新しいタイプも出ましたが、アッパーが固めで合わなかったんですよ。形感やフィット感が1個目のスパイクと違ったので買ったんですけど、1個目のスパイクの方を履きました。革が柔らかい方を履きました。   

――革が柔らかい方が好きなんですね?

寺田:私はこう足が包まれる方が好きで、靴と足の間に空間ができてて、そこに当たると気持ち悪い感じがして。       

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――日本新記録を出した今でこそオーダースパイクなどの話があると思うんですが、実際にはいかがですか?   

寺田:ありがたいことに結構そういう話をいただいています。   

Onさんは私が結果を出していない時からのお付き合いとなるので、できればスパイク以外のところではOnの物を使いたいとは思っています。

そうなると、スパイクの提供だけなら一番嬉しいですが、全身にそのメーカーの物を着るという条件の場合もあるので結構悩みます・・・。
    

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Onは他のメーカーに比べてちょっと価格が高めです。このウェアも25,000円位するんですけども、機能が凄く良いんですよ。

着たり、履かないと良さは分からないと思います。少し高く感じても、払っただけの価値を感じさせてくれる物だと思っています。

Onは値引きをしないんですけど、値引きをしない理由も、高いのは重々承知でそういうブランドになりたいという思いがあるので、履いてもらって、それぐらい払っても良かったと思える靴でありたいと言う思いがあるそうです。   

高いものを人に勧めるって少し気が引けるじゃないですか。

「Onいいんだけどちょっと高いんです」って言われることもあるんですけど、私はそういうブランドだからこそ1回履いてもらって、足入れ感が良ければぜひ買ってくださいというふうに勧めています。

――履けばわかるよということですね。   

寺田:いろんなモデルがあって、すごく厚底のやつからすごく薄いものまでありますし、いろんな種類もカラーもあるので、いろいろ試してもらえれば良い出会いがあると思います。

Vol.3へ続く

写真:菊池康平