ブラインドサッカー日本代表・加藤健人が、人気スパイクの試し履き&ランク付けに挑戦!Vol.1『触っただけで、メーカー名を言い当てる鋭敏な感覚』
ブラインドサッカー日本代表の“カトケン”こと加藤健人が、人気スパイクの試し履き&ランク付けに挑戦! ブラインドサッカーは、アイマスクを装着し、転がると音の出るボールと味方の声だけでボールを操る5人制サッカー。サッカー選手権出場を目指していた高校3年時、遺伝性の病により徐々に視力を失うなか、出会ったブラインドサッカーで日本代表となった不屈の31歳が、独自の感覚でスパイクを語った。
多羅 正崇
|
2017/05/02
宙を見つめながら、スパイクに触れる。
あらゆる角度から、何度も何度も。
ブラインドサッカー日本代表の加藤健人が、日本最大級のプロサッカーショップ「フタバスポーツ大宮店」で、人気スパイクの試し履きに挑んだ。
もちろん加藤自身にとっても初の試みで、「こういうことをしたブラインドサッカーの選手はいないと思います」と笑う。優しい人柄の加藤は、店頭にあった人気スパイクを独自の視点で評価、ランキング化してくれた。
全盲の選手がプレーするブラインドサッカーは、2004年のアテネ五輪からパラリンピックの正式競技となった。
フットサルを基にルールが考案され、公式ピッチは40m×20mで、両サイドに高さ1メートルから1メートル20センチのフェンスがある。
転がると音が出る専用ボールはフットサル4号球サイズ。アイマスクを着用する全盲の4人のフィールドプレイヤーと晴眼者または弱視者のゴールキーパーのほか、ゴールの位置などを声で伝える「ガイド(コーラー)」と監督の7人で構成される。
ちなみにブラインドサッカーでは、ポイント付きのスパイクは禁止。人口芝対応のトレーニングシューズを履く選手が多いという。よって加藤にとっても初対面となるスパイクが多く、新鮮な発見、驚きがたくさんあったようだ。
――今日はポイント付きの人気スパイクについて、持った感触、フィッティングしての感触で『これが好き、これが苦手』というのをズバズバやって頂きたいと思います。
加藤「ズバズバ、ですか(笑)」
――ブラインドサッカー選手がスパイクを評価する企画は、世界初の試みかもしれません。
加藤「楽しみにしています」
――ちなみに、高校生まで視力があったとお伺いしましたが、その時と現在とで“手の感覚”に違いはありますか?
加藤「職業がマッサージ師なので、前に比べたら手の感覚は良くなっていると思います。感覚としても、昔とは違うかもしれないですね」
――たとえば『ここに壁がある』ということが、手に伝わる温度で分かる、とお聞きしました。
加藤「手ではなくて、体の感覚ですね。音の反響の具合とかで『近いな』とか。そういうことはありますね」
――ブラインドサッカー選手として、シューズには何を求めていますか?
加藤「フィット感は大事にしています。ゆるいとやりづらいかなと。履いた時の感覚はすごく大事にしています」
――それではまずは、準備運動ではないですが、フタバツポーツ大宮店の“売れ筋トップ10”を軽く触ってみますか?
加藤「はい。わかりました」
試し履きの前に、まずは売り場入口にディスプレイされた“売れ筋スパイクトップ10”のコーナーに移動。
第10位のアディダス「ACE(17.1 PRIMEKNIT)」から第1位のミズノ「モレリア2」までを手に取った。
加藤「これはアシックスですね」「これもナイキですか?」
――メーカー名を言い当てることはもちろん、売れ筋NO.1のミズノ「モレリア2」を手に取った瞬間には「これが1位なんですね」とポツリ。キングギアのスタッフ一同、その鋭敏な感覚に驚かされた。
――それではいよいよ、人気スパイクの試し履きです! 本番よろしくお願いします。
加藤「よろしくお願いします」
(次回へ続く) http://king-gear.com/articles/335
<プロフィール>
加藤健人(かとう・けんと) 1985年10月24日、福島県福島市出身。小学3年生でサッカーを始め、高校3年時に遺伝性の病により徐々に視力が低下。両親の勧めでブラインドサッカーと出会い、筑波短期大学入学後の2007年4月に日本代表合宿に初参加。ブラインドサッカー日本代表として5度、IBSA(国際視覚障がい者スポーツ連盟)ブラインドサッカーアジア選手権に出場。
ブラインドサッカーについてもっと知りたい方はこちら http://www.b-soccer.jp/aboutbs/aboutbs_1
(日本ブラインドサッカー協会公式サイト)
取材協力/フタバスポーツ大宮店
http://www.futaba-sp.com/author/oomiya
あらゆる角度から、何度も何度も。
ブラインドサッカー日本代表の加藤健人が、日本最大級のプロサッカーショップ「フタバスポーツ大宮店」で、人気スパイクの試し履きに挑んだ。
もちろん加藤自身にとっても初の試みで、「こういうことをしたブラインドサッカーの選手はいないと思います」と笑う。優しい人柄の加藤は、店頭にあった人気スパイクを独自の視点で評価、ランキング化してくれた。
全盲の選手がプレーするブラインドサッカーは、2004年のアテネ五輪からパラリンピックの正式競技となった。
フットサルを基にルールが考案され、公式ピッチは40m×20mで、両サイドに高さ1メートルから1メートル20センチのフェンスがある。
転がると音が出る専用ボールはフットサル4号球サイズ。アイマスクを着用する全盲の4人のフィールドプレイヤーと晴眼者または弱視者のゴールキーパーのほか、ゴールの位置などを声で伝える「ガイド(コーラー)」と監督の7人で構成される。
ちなみにブラインドサッカーでは、ポイント付きのスパイクは禁止。人口芝対応のトレーニングシューズを履く選手が多いという。よって加藤にとっても初対面となるスパイクが多く、新鮮な発見、驚きがたくさんあったようだ。
――今日はポイント付きの人気スパイクについて、持った感触、フィッティングしての感触で『これが好き、これが苦手』というのをズバズバやって頂きたいと思います。
加藤「ズバズバ、ですか(笑)」
――ブラインドサッカー選手がスパイクを評価する企画は、世界初の試みかもしれません。
加藤「楽しみにしています」
――ちなみに、高校生まで視力があったとお伺いしましたが、その時と現在とで“手の感覚”に違いはありますか?
加藤「職業がマッサージ師なので、前に比べたら手の感覚は良くなっていると思います。感覚としても、昔とは違うかもしれないですね」
――たとえば『ここに壁がある』ということが、手に伝わる温度で分かる、とお聞きしました。
加藤「手ではなくて、体の感覚ですね。音の反響の具合とかで『近いな』とか。そういうことはありますね」
――ブラインドサッカー選手として、シューズには何を求めていますか?
加藤「フィット感は大事にしています。ゆるいとやりづらいかなと。履いた時の感覚はすごく大事にしています」
――それではまずは、準備運動ではないですが、フタバツポーツ大宮店の“売れ筋トップ10”を軽く触ってみますか?
加藤「はい。わかりました」
試し履きの前に、まずは売り場入口にディスプレイされた“売れ筋スパイクトップ10”のコーナーに移動。
第10位のアディダス「ACE(17.1 PRIMEKNIT)」から第1位のミズノ「モレリア2」までを手に取った。
加藤「これはアシックスですね」「これもナイキですか?」
――メーカー名を言い当てることはもちろん、売れ筋NO.1のミズノ「モレリア2」を手に取った瞬間には「これが1位なんですね」とポツリ。キングギアのスタッフ一同、その鋭敏な感覚に驚かされた。
――それではいよいよ、人気スパイクの試し履きです! 本番よろしくお願いします。
加藤「よろしくお願いします」
(次回へ続く) http://king-gear.com/articles/335
<プロフィール>
加藤健人(かとう・けんと) 1985年10月24日、福島県福島市出身。小学3年生でサッカーを始め、高校3年時に遺伝性の病により徐々に視力が低下。両親の勧めでブラインドサッカーと出会い、筑波短期大学入学後の2007年4月に日本代表合宿に初参加。ブラインドサッカー日本代表として5度、IBSA(国際視覚障がい者スポーツ連盟)ブラインドサッカーアジア選手権に出場。
ブラインドサッカーについてもっと知りたい方はこちら http://www.b-soccer.jp/aboutbs/aboutbs_1
(日本ブラインドサッカー協会公式サイト)
取材協力/フタバスポーツ大宮店
http://www.futaba-sp.com/author/oomiya