Img 2218

活躍の秘訣は瞑想!?『小林祐希が語る、新たなトレーニング・ブレインストレッチとは。』

近年、トレーニングの手法がそれを実践する選手の活躍を通して一般に広まるという機会が出てきている。例えばサッカー日本代表の長友選手が海外トップクラブに移籍し、活躍したことで彼が実践していた体幹トレーニングも注目を集めるようになった。 同時にトレーニングの方法は科学的な分析も進む中で多様化し、身体的な部分だけではなく、精神的な面にまで及んできている。 その中で「ブレインストレッチ」という新たなアプローチでメンタル面を整えているのが、オランダ1部・ヘーレンフェーンに所属する小林祐希選手である。

Icon 19441337 1436670123094269 1330815580 n 森 大樹 | 2017/07/18
「ブレインストレッチ」とは脳医化科学に基づいて、それぞれの個性に合わせた瞑想を行い、脳を活性化させることで個人の能力を向上させるというものだ。

Thumb img 2214

カウンセラーの本田ゆみ氏からブレインストレッチの指導を受ける小林選手。

Thumb o1768258413929830445

今回は本田氏の新著「驚異のブレインストレッチ 仕事のできる人は必ず「瞑想」している!」の出版記念イベントに小林選手が登壇した様子をお伝えする。    

小林選手がブレインストレッチに出会ったきっかけは専属トレーナーにもう一段階自身のパフォーマンスをレベルアップするためにはどうしたらいいか、相談したことからだった。

そこで体だけではなく、考え方やメンタル面から変えていくべきというアドバイスを受け、ブレインストレッチに取り組むようになる。

ただ、初めからその効果を信じて行っていたわけではないという。本格的に取り組むようになったのは昨年11月11日に行われたキリンキャレンジカップで代表初ゴールを決めてからだった。

Thumb img 2213

「前日の11月10日にゆみさんとSkypeで明日の試合、緊張するという話をしていたら、『明日は点取りますよ』と言われたんです。

そして『“俺は天才だ”と
3回言ってから試合に臨んでください』とも(笑)。なんだよ、それ!って思うじゃないですか。でも俺は言われた通りやりました。」


果たして結果は本田氏の予言通り、ロスタイムにゴールを決め、オマーンを相手に4-0で勝利を収めることになる。その結果を受けて、小林選手は本格的にブレインストレッチを取り入れるようになった。  

しかし、瞑想するとは一体何を指すのか。どのように始めたらいいのか。分からない人がほとんどのはずだ。その問いに対して小林選手は朝晩深呼吸10回から始めるようにアドバイスしている。

「あんまり瞑想しようって思わなくていいんじゃない?と伝えています。まずは10回深呼吸をすること。そこからその回数を増やしていくことができれば自然と瞑想状態に入っていきます。

とにかく自分が空になれる方法を自分で探していって、それを先生に事後報告するのでいいんだと思います。実際僕もそうやっていて、先生に否定されたことはないです。」


また、取り組む上での考え方として「ブレインストレッチを“やらなければならないもの”として捉えるとそれ自体がストレスになってしまいます。朝起きて歯を磨くように当たり前のことになっていけば効果は上がっていくと思います。」と語った。  

ブレインストレッチの効果の1つとして、小林選手は心に余裕ができたことを挙げている。

Thumb img 2215

「Jリーグでプレーしている選手は例えばファーストプレーでミスをして、それを引きずってしまう人が多いじゃないですか。自分もそうでした。でも海外だとサッカーは足でするスポーツなんだからミスして当然、それを11人でカバーするスポーツだろ、という考え方が向こうにはあるので、僕もそういう思考に変わっていきました。

そういう考えに切り替えられるようになったのもブレインストレッチの影響があるでしょうね。
日本でプレーしていた時は口も悪く、先輩にご飯に連れて行ってもらったのも片手で数えるくらいで友達も本当にいなかったのですが、年齢も上がってきて、オランダだとチームでも3番目くらいの歳です。

下は15、6歳だったりするのですが、彼らにパンツ隠されたりいじられるんですよ。でも全然イライラしないんです。むしろ構ってくれて嬉しいくらいで。日本にいた頃だったら絶対怒っていたと思うんですけど、それがなくなったのが一番変わったところですかね。」

Thumb img 2212

本田氏曰く、ブレインストレッチで1つのことに集中し、余計なことを考えない状態を作り出すことができれば、脳が活性化され、物事の優先順位付けをする楔前部という脳の部位の血流がよくなる。

すなわち「脳が整った」状態になり、やるべきことが明確になっていくので、自ずと結果も出るようになるということだろう。
 

今後の目標として、ヨーロッパ4大リーグ上位4チームへの移籍を掲げた小林選手。ブレインストレッチによってさらなる結果を残せるのか。活躍を通してブレインストレッチの普及・発展に貢献できるのか。それはこれからの彼のプレーにかかっている。