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フットサルの新施設で開催された、ドリブルデザイナー岡部将和による珠玉のドリブルクリニック。キーワードは「チャレンジ!」

2017年8月11日に誕生した、Fリーグ・フウガドールすみだが運営するフットサル施設「SUMIDA FUTSAL ARENA powered by FUGADOR SUMIDA」。オープンから2日目を迎えた8月12日、ドリブルデザイナー岡部将和氏によるドリブルクリニックが開催された。

Icon segawa.taisuke1 瀬川 泰祐(せがわたいすけ) | 2017/08/16
ドリブル理論とその実践動画がSNSを通じて瞬く間に話題を呼び、いま世界中で注目を集めているドリブルデザイナー岡部将和。岡部が自らのドリブル理論で、腕に自信のあるプレイヤーたちと一対一の対決をしている華麗なドリブルの動画を見たことがある人も多いだろう。

そんな彼のドリブルクリニックは各地で開催され、毎回多くのフットボールプレイヤーから申し込みが殺到する大人気のイベントとなっていた。その岡部が最近、新たに挑戦しているのが、自らは指導者として、プレイヤーのドリブルをサポートするドリブルクリニックだ。


「最強DFを撃破せよ」と銘打たれたこのイベントは、サッカーやフットサルをプレーする多くの人たちに自らのドリブル理論を伝え、最強ディフェンダーを相手に、その理論を実践で試してもらうというもの。

今回、この企画を実施するにあたり、最強ディフェンダーとして、岡部からの白羽の矢がたったのが、この施設の店長に就任したフットサル日本代表の諸江剣語だ。

実は岡部と諸江は、岡部が現役のFリーガーだったころに、同じチームメイトとして苦楽を共にした間柄。人とのつながりを大切にしている岡部は、諸江が新施設の店長に就任することを知り「何か自分にできることはないか」と考えて、諸江に話を持ち掛けて、この企画は実現した。


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この日、2回に分けて行われたドリブルクリニックでは、各回50名のフットサルプレイヤーが集まり、メトロノームを使ったボールタッチの練習や、間合いの取り方、身体の動かし方など、約数十分にわたって岡部自らが実践しているドリブル理論を学んだ。

そして、いよいよ参加者たちは、その理論を使って、最強ディフェンダーに挑む。ドリブルを通して「チャレンジする心」を伝えるために日々活動している岡部は、最強ディフェンダーを目の前にしてやや緊張気味の参加者に対して、こう発する。

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「僕が尊敬するプレイヤーであり、日本を代表するディフェンダーの諸江剣語選手は、ドリブル理論をたった1時間学んだだけで、すぐに抜けるような簡単な相手ではありません。

でも、僕もいままで、難しいといわれることや無理だといわれることに挑戦してきました。みなさんにも、さっきまで学んだことを、最強のディフェンダー相手に、ぜひチャレンジしてみてほしい」。

岡部はそう言うと、諸江も負けじと、   「空気を読まずにやりたいと思います。一人も抜かせません!」と力強い言葉を述べる。

こうして、岡部と諸江の阿吽の呼吸で、ピッチ内に対立構造を生み出し、参加者のチャレンジ心を刺激しながら、1対1のドリブル対決はスタートした。

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一人が3回チャレンジすることができるこの企画。諸江は合計150回の一対一の勝負を繰り広げたことになるが、岡部氏のドリブル理論を使って果敢に勝負を仕掛けてくるプレイヤーたちの真剣な気持ちに応えるかのように、真剣勝負を楽しんだ。

さすがに諸江を完全に抜き去るプレイヤーはいなかったが、なかには、わずかなズレを作ってゴールをするツワモノも。

白熱した勝負は結局、最強ディフェンダー諸江チームの勝利となったが、岡部は、自らのドリブル理論を駆使して、目の前の強敵を相手に立ち向かうプレイヤーたちのチャレンジ精神に目を細めて喜んでいた。


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イベント終了の際、参加者へ向けた最後の言葉で、諸江が語った言葉が、このイベントの価値を物語っていた。

「岡部さんのドリブル理論を理解して、それを使って立ち向かってくる姿勢、ディフェンダーとしてはとても怖かったです。僕自身も皆さんの姿勢から刺激をいただき、これからも様々なことに挑戦していけたらとおもいます」。

この日集まった100人のフットボールプレイヤーは、ドリブル理論を学びながらも、岡部が本当に伝えたかったチャレンジする心をしっかりと心に刻んだ、そんな珠玉のドリブルクリニックだった。

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ドリブルデザイナー岡部将和オフィシャルサイト:http://dribbledesigner.com/

諸江剣語オフィシャルサイト:http://kengo.kataru.jp/


フウガドールすみだWEBサイト:http://www.fuga-futsal.com/

撮影協力:「SUMIDA FUTSAL ARENA powered by FUGADOR SUMIDA」:http://sfa.fuga-futsal.com/

取材・文・写真:瀬川泰祐