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フットサル日本代表キャプテン滝田学が、失意や苦難を乗り越えた先に描く未来vol.2『自分と真剣に向き合う日々』

2017/2018シーズンのFリーグは、AbemaTVやJ SPORTSなどで放送され、スポーツファンが映像でフットサルを目にする機会は格段に増えた。そのせいか、観るスポーツとしての環境が整い始めた今シーズンのFリーグは、例年より少しばかり光り輝いているようにもみえる。だが、そんな世界を横目に、人知れず自分の身体と向き合う日々を送った滝田は、つとめて前向きに怪我した当時の状況を語る。

Icon segawa.taisuke1 瀬川 泰祐(せがわたいすけ) | 2017/09/09
<Vol.1はこちら>

「やった瞬間は、足首がどっかに飛んで行っちゃったような感覚だったんですよ。だからその時は、痛さというよりも、怖さで自分の足を見ることができなかった。そこで近くにいたチームメイトに俺の足がどうなってるかを聞いたんですよ。そうしたら、“えっ!普通っすよ”って言われて(笑)。

それで、試合中でアドレナリンも出てるし、まだいけるって思っちゃったんですよね。俺、それぐらい痛みに鈍感なんですよ(笑)。だから、診断結果を聞いて、思ったより大怪我だったなって。」


他のフットサル選手に滝田の印象を聞くと、「身体が強い」「当たると痛い」「骨太」といったキーワードが良く出てくる。

それだけに、怪我した瞬間の滝田のコメントも、“なるほど”と思ってしまったのだが、怪我の状況に話が及ぶと、滝田は少し表情を引き締め、熱を帯びた口調でこう続けた。

「毎週レントゲンを取って、回復具合をちゃんと診てもらっています。ドクターの診療を受けてから、理学療法士にみてもらい、そのあとにトレーナーにみてもらいながらリハビリをして。そのサイクルをずっと続けていますね。

今回の怪我で、腓骨が粉砕骨折してしまったんですけど、それをくっつけつつ、脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)の間が開かないようにしないといけなかったんです。そ

の間が1ミリでも開いてしまうと、骨がグラグラしてしまい、靭帯にも影響が出てしまうし、重心移動などのバランスにもかなり影響してしまうんです。一番気にしていたのはそこですね。

いまは、もう脛骨も腓骨もだいぶ固まったので、リハビリもスタートした感じですね。」

Thumb 3 リハビリ施設で、患部に超音波を当ててもらいながら、怪我の様子を語る滝田学

マイナ
ースポーツであるフットサルの世界では、怪我したからといって十分な環境で治療に専念できる選手は数少ない。だが、滝田は自身が知りうる最高の環境で治療し、できる限り細心の注意を払った。

患部周りの皮膚が収縮して骨に影響を与えぬよう、毎日皮膚に超音波をあて続けた。患部に大きな衝撃を与えてしまうことを恐れ、あえて人混みを避けた。余計な外出やリスクとなる行動は極力控えた。試

合や遠征の際にチームに帯同することを惜しんでまで、リハビリを優先させた。これらはすべて、1日でも早く戦線に復帰するためだ。

「ここまでいい環境で治療を受けることができる選手は、フットサル界にはなかなかいないと思いますよ。だから、怪我してから復帰までに時間がかかったり、怪我した後にパフォーマンスが上がらなかったりするんですけどね。

でも俺の場合、プロ選手としてフットサルに専念させてもらったり、素晴らしい環境で治療に専念させてもらっているので、本当にありがたいことですよね。」

中学生の時から始めた滝田のフットサル競技生活の中で、これほど長い間、プレーできなかったことは今まで一度もなかった。

31歳という年齢もあり、焦りや葛藤は当然にあったはずだ。だが、自分自身の心と身体に真摯に向き合い、明るく前向きにリハビリに励むことが出来るのは、滝田学の復帰を願う家族やスタッフ、ファンたちの想いを背負っているからだろう。  


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