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『田中光』元オリンピック体操日本代表選手が語る「体操」と「芸術」ALE14♯09

2017年9月27日、恵比寿アクトスクエアにて、ALE14(エイル・フォーティーン) ♯09が開催された。9回目となる今回のプレゼンターは、1996年アトランタオリンピックに体操日本代表選手として出場し、現在は流通経済大学教授の田中光氏。田中氏は、体操をどう言語化したのであろうか。

Icon 3  2 佐久間秀実 | 2017/10/07
「ALE14」は、スポーツに関わる選手・指導者・取材者・研究者などの肩書き持つ様々なプレゼンターがスポーツを言語化するプロジェクトとなり、理論や哲学をより一般的に分かりやすい言葉で伝える、スポーツ界の未来へ向かうプレゼンショーとなっている。

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スポーツジャーナリスト兼サッカー解説者の中西哲生氏がナビーゲーターを務め、田中氏から多くの言葉を導き出していた。

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田中氏はバク転をしながら登場し、華やかな雰囲気の中でプレゼンショーが開始された。  

田中:今日は、「体操」と「芸術」について話したいと思います。

創造、僕の好きな言葉です。僕は、常に何かを創ろうとしています。もしかしたら芸術家になりたかったのかもしれない。僕は、競技スポーツ体操の中で幾つかの作品を残してきました。
 

身体を通して、その表現力によって人に感動を与えられる作品を創ろうと、僕は長年競技に関わり努力してきました。

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「なぜ体操は、10点満点ではなくなったのか」  

体操競技は田中氏が出場した1996年アトランタオリンピックの時には10点満点で採点されていたが、2004年以降になると10点満点ではなく点数に上限がない方式へと変更されている。その要因は、年々選手達の技のレベルが進化しているために、10点の枠内での採点が困難となっているとのことである。

上限がなくなったとは言え、15点を超える点数が出ること自体が非常に少ない。そして、試験的にAI(人工知能)による採点が行われるようになっているが、人間による採点と比べるとまだまだ正確性に欠けるので、大会で導入されるまでに時間がかかるであろう


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中西(ミュージシャン)X JAPANが好きなんですか。   

田中(X JAPANの曲は、)ピアノから始まって急にハードロックに転換する。見た目が派手だが、今までに見なかった表現力に惹かれました。  

田中氏は、中学1,2生の頃に、悲しい過去を持つX JAPAN YOSHIKIさんの生き方と表現力に共感をしていたと言う。体操で着地時に両手をクロスさせてXと表現したり、平行棒では自称「HIKARU X」という技を名付けるほどに、田中氏は
X JAPANの大ファンである。

「HIKARU X」が体操競技の正式な技として認められるのを願って協会に申請をすると、前例がないとのことで却下されてしまうが、技自体は「タナカ」という名で認定を受けている。

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田中氏は、幼少期から体操が好きであったが、練習場所まで片道2時間もかかるので体操を断念し、それ以外で好きだった多くのスポーツを経験し、ピアノやアコーディオン等の音楽も学んでいた。
 

中西:ピアノをやっていた時の音楽性というものが体操に及ぼしていた影響というのは、かなり大きいですか。

田中
:私の場合は大きいですね。他の選手と違うのは、
(体操を)本格的にやったのが中学1年生からでして。
 

小学校を卒業後、体操名門の大阪清風中学校に進学してから体操に専念を
し、その後日本代表選手としてアトランタオリンピックに出場している。

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「バク転は、誰でもできるのか」  

バク転には、後ろに飛ぶ難しさがあり、また後ろを見ることができない恐怖感もあるので、失敗をすると大怪我をする可能性が高い。小学生でバク転をできる子はごく少数であるが、脚力が付いてくる中学生以上の年代になると、スムーズにできる子が増えるとのことである。

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田中光氏
出演のALE14#09の詳細は、ALE14公式サイトにて動画で公開される。

田中光
体操 アトランタ五輪日本代表/流通経済大学スポーツ健康科学部・教授
体操の名門、大阪・清風高校から筑波大学に進み、24歳の時、アトランタ五輪に出場。平行棒で当時最高F難度のオリジナル技、懸垂前振りひねり前方2回宙返り腕支持(ベーレ1/2ひねり)を披露し、その技は正式に「タナカ」と命名された。
現在は、流通経済大学のスポーツ健康科学部で教授を務めるなど、教育者、コメンテーターとして活躍している。
 


次回以降の開催について  
10月16日 有吉与志恵(コンディショニングトレーナー)



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取材協力・写真提供/ALE14