s

CL協奏曲 16.05.28 15-16FINAL Real Madrid ×Atletico Madrid

【戸塚啓 緊急寄稿】スパイクから見たCL決勝戦。

Icon s 1 戸塚 啓 | 2016/05/30
Thumb 13296150 10209119999938127 1537941364 n
いやあ、大変でした。  

U-23日本代表の取材でフランスに滞在中の僕は、レアル対アトレティコのCL決勝をテレビで観戦しました。時差はないので20時45分にキックオフされ、23時30分前後には終わったので、睡魔に襲われるにはまだ少し早い時間です。  

それなのに、試合が終わるとズッシリと重い疲労が。  

PK戦まで試合がもつれたから、ではありません。キックオフから選手の足元をずっと追いかけていたからです。スパイクの判別の、難しいことと言ったら! 試合内容が、ほとんどアタマに残っていないのです。  

両チームの着用スパイクを整理すると──。
Thumb 13330489 10209119999898126 1953720308 n
レアルのスタメンは、アディダスが5人、ナイキが5人、アンブロが1人。  

アディダス:ナバス(GK)、マルセロ(SB)、トニ・クロース(MF)、ベイル(FW)、ベンゼマ(FW)
ナイキ:カルバハル(SB)、セルヒオ・ラモス(CB)、カゼミーロ(MF)、モドリッチ(MF)、ロナウド(FW)
アンブロ:ペペ(CB)

Thumb 13336292 10209119999978128 1573272960 n
アトレティコのスタメンは、アディダスが5人、プーマが3人、ナイキが3人。  

アディダス:ファン・フラン(SB)、サヴィッチ(CB)、フィリペ・ルイス(SB)、コケ(MF)、F・トーレス(FW) プーマ:ゴディン(CB)、ガビ(MF)、グリーズマン(FW)
ナイキ:オブラク(GK)、サウル(MF)、A・フェルナンデス(MF)  

両チーム合計のシェアでは、アディダスが10人、ナイキが8人、プーマが3人、アンブロが1人、となります。アディダスとナイキが、2強を形成しているわけです。
 

これをポジション別にしてみると(カッコ内は人数)。  

アディダス:GK(1)、SB(3)、CB(1)、MF(2)、FW(3)
ナイキ:GK(1)、SB(1)、CB(1)、MF(4)、FW(1)
プーマ:CB(1)、MF(1)、FW(1)
アンブロ:CB(1)  

個人的には、プーマの戦略に興味を惹かれます。
Thumb 13318494 10209119998618094 2022488853 n
CL決勝は7万2千人弱の観衆で埋め尽くされましたが──こんなにもお客さんでいっぱいのサン・シーロは、ここ最近のセリエAではなかか見られないですね──世界中のほとんどの人はテレビで観るわけです。スパイクのメーカーからすれば、いかに自社のスパイクが映るのかが、とっても大切になるんだと思います。  

プーマのスパイクを履いている選手は、3人しかいませんでした。それでも、センターバックのゴディン、セントラルミッドフィールダーのガビ、セカンドトップ(FW)のグリーズマンの足元を抑えていることで、ピッチ上の色々な攻防にプーマのスパイクが絡んでいました。足元のアップが少ないテレビでも、この3人はすぐに判別できましたから。  
アンブロも存在感はあったと思います。何しろ、履いているのがペペですので。  

ペペのオーバーアクションには、はっきり言って呆れます。スロー再生をしてくれるテレビで観ていると、あまりにバレバレの演技にシラけちゃうぐらいです。  

でも、スロー再生が多ければ、それだけペペが映ります。足元がフレームインするチャンスが増えます。メーカーからするとそれはそれでありがたいのかなあと、想像できるわけです。    

チャンピオンズリーグの翌日、テストマッチをテレビで観ました。アルゼンチン対ホンジュラス、スペイン対ボスニア・ヘルツェゴビナ、ルーマニア対ウクライナを、仕事をしながらぼんやりと。  

例によってテレビ観戦なので、足元はなかなか映りません。それでも、数少ないアップの瞬間に、パソコンからテレビへ視線を移すと──少しだけスパイクが分かるようになりました。ほんの少しだけど、CL決勝よりすぐに気づくことができたのです。  

6月はコパ・アメリカ・センテナリオがあり、ユーロがあります。スパイクをチェックできる機会に、おぼれるような日々を過ごすことができる。  

いやあ、楽しみです。

                                                                                                                                                               文:戸塚啓