アスリートが胸に秘めた言葉を語る「アスリート×書道」第4〜6回目が開催
スポーツ選手のパフォーマンスに大きく影響を及ぼすメンタルや、選手の個性に書道で迫るユニークな企画、「アスリート×書道」。5月に開始されて以来継続的に行われたこのイベントは、さまざまな競技に波及し活動を拡大させている。今回は、7月に行われた第4〜6回目の模様を振り返ります。
佐藤 悠平
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2020/08/25
第1〜3回目の様子はこちら
「アスリート×書道」(以下アス書)は、アスリートの皆さんが大切にしている言葉を指す『アスワード」(アスリート×ワードを組み合わせた造語。「アス」には、明日や私達を示すusの意味もこめられている)を書道で描いてもらい、競技以外の人間性を発掘するという企画だ。
第4回目は、 柔道81kg級の日本代表 佐々木健志選手(ALSOK)と、柔道100kg級パキスタン代表のシャーフセイン・シャー選手をゲストに迎えて開催された。
「志」 佐々木健志選手(柔道日本代表)
佐々木健志選手が書いた言葉は 「志」。その理由を尋ねると、佐々木選手は「 僕自身が、いつも高い志を持って挑戦し、成長を続けていきたいという想いを持って 日々過ごしているから」とのこと。
柔道パキスタン代表 のシャーフセイン・シャー選手が書き記した言葉は、「違い」。
その理由は、「2歳から日本で過ごしていますが、小さい頃は、周りとの違いにコンプレックスを感じ、ネガティブに捉えることも多かったように思います。でも今は、その『違い』の見方を変え、ポジティブに捉えられています。『違い』に対する自分自身の見方を変えてから、さまざまな分野で活躍できるようになったようにも感じています」とのこと。シャー選手が、これまでに歩んできた人生を語る姿が印象的だった。
「違い」シャーフセイン・シャー選手 (柔道パキスタン代表 )
柔道パキスタン代表 のシャーフセイン・シャー選手が書き記した言葉は、「違い」。
その理由は、「2歳から日本で過ごしていますが、小さい頃は、周りとの違いにコンプレックスを感じ、ネガティブに捉えることも多かったように思います。でも今は、その『違い』の見方を変え、ポジティブに捉えられています。『違い』に対する自分自身の見方を変えてから、さまざまな分野で活躍できるようになったようにも感じています」とのこと。シャー選手が、これまでに歩んできた人生を語る姿が印象的だった。
「己忘利他」真壁伸弥選手(元ラグビー日本代表 ・サントリー)
今回も、銀座書道教室の上籠鈍牛(うえごもり・どんぎゅう)代表がオンラインで指導。選手のみなさんの文字がみるみるうちに上達する様子も楽しめる。
第5回目は、元ラグビー日本代表でサントリーに所属する真壁伸弥さんが登場。真壁さんの強い希望もあり、「アスリート×書道」の企画初となる、会場にお越しいただいての開催となった。
真壁伸弥さんの選んだアスワードは、「己忘利他」(もうこりた)。
「僕の心に刻まれた言葉です。 己を忘れ人(チーム)のために動く事が ラグビーを上達する為にはとても必要な芯でもありますし、自分の中の ロイヤリティを作る際に必要なものでもあります。(ラグビーという)痛くて、もしかしたら死ぬかもしれないスポーツをしているので、他人のためじゃないと無理です」と、その理由を語った。
フェンシング&ウインタースポーツの女子3選手が登場
第6回目は、女子スキージャンプの岩渕香里選手、フリースタイルモーグル の伊藤さつき選手、そして女子フェンシングの久良知美帆選手が登場。普段から仲が良いという美女アスリート3名の競技を超えた共演が実現した。
「ライバルは自分」岩渕香里選手(女子スキージャンプ)
女子スキージャンプの岩渕香里選手(北野建設スキークラブ)が選んだ「アスワード」は、「ライバルは自分」。
「高校時代の恩師との想い出の言葉」を選んだという岩渕選手。「『誰がどんな結果を残そうと、 自分のベストを尽くす事が結果に繋がる』ということを、恩師から教えていただきました。 今でも落ち着きたい時、自分を見失いそうな時、周りが気になる時に心の中で唱えています」と、その理由を語った。
「覚悟」伊藤さつき選手(フリースタイルモーグル)
フリースタイルモーグルの伊藤さつき選手(豊田鉄工株式会社) が選んだ「アスワード」は、「覚悟」。
「スキーのモーグルは、普通の心理状態では試合に臨めません。もし、 守りの心理を働かせたら、絶対に負けてしまうスポーツです。危険な状況を背負って競技に挑む自分自身や、 怖さを感じた時の気持ち。スタート台に立つ自分の心理状況にしっくり合う言葉でした。さまざまなものを全部ひっくるめて、覚悟を決め、 後悔ないように滑ることを心がけています」と、言葉を選んだ理由だけではなく、スタート前の心境についても語ってくれた。
「騎士道」久良知美帆選手(フェンシング日本代表)
フェンシングの女子フルーレ日本代表、久良知美帆選手(城北信用金庫) をされている「アスワード」は「騎士道」。
「ヨーロッパのスポーツである フェンシングは 、まさに『騎士道』だと思いました。『騎士道』には、『 騎士たるものが従うべき規範』という 意味も含まれています。強い選手であるということはもちろん、行動や発言においても、フェンシング界の お手本となるような選手(戦士)を目指したい」と、自身が理想とするアスリート像についても言及した。
「アスリート×書道」は、隔週木曜日に「アスリート×書道」Youtubeで開催されている。この機会に、さまざまなアスリートの意外な一面に触れられてみてはいかがでしょうか。
【次回の「アスリート×書道」】
日程:9/3(木)21:00〜
ゲスト:河合紫乃選手(車いすフェンシング)、椎名伸志選手(サッカーカターレ富山 MF)
「アスリート×書道」公式Twitter