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【選手ヒストリー】改名で大ブレイク!48年ぶり快挙の本塁打王、19年の現役に幕ーT-岡田(オリックスバファローズ)活躍の軌跡/2024年プロ野球引退選手

履正社高校を経て、2005 年の高校生ドラフト1巡目でオリックスに入団したT-岡田(岡田貴弘)は、豪快な打撃と長打力を持ち味とする選手で、外野手や一塁手として19年間の現役生活を過ごした。※イラスト/これ松えむ

Icon kinggear icon KING GEAR編集部 | 2024/11/24

小学校の時に山田西リトルウルフに入団し野球を始めた岡田は、中学校時代には箕面スカイラーク(現、大阪箕面ボーイズ)でプレー。同学年のチームメイトで、後に中日で活躍する平田良介とともに、長距離打者として注目を集めた。

「浪速の四天王」と呼ばれた高校時代

その後大阪の強豪校の一つ履正社高校に進学した岡田は、入学して間もない1年生の夏(2003年)にチームの4番を任されると、高校3年間で55本塁打の活躍を見せ、辻内崇伸(元巨人)、鶴直人(元阪神)、平田良介とともに「浪速の四天王」と言われるようになった。

高校3年の夏も当時高校2年で投手だった中田翔(現、中日)、辻内、平田らを要する大阪桐蔭高校の前に準決勝で屈し甲子園に出場することはできなかったかが、その打撃が高い評価を集め、辻内の抽選をはずしたオリックスから高校生ドラフト1巡目で指名を受けた。

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話題を呼んだ“T-岡田”への改名を機にブレイク

ルーキーイヤーの2006年はウエスタンリーグ1塁を中心に起用されて82試合に出場し、打率.245 5本塁打、2打点。フレッシュオールスターゲームで本塁打を放って存在感を示すと、8月10日の西武戦(京セラ)で1軍デビューを飾り、初安打も記録した。

持ち味の長打力に期待が寄せられる一方で、守備や確実性に対する課題が指摘されていた岡田だが、2009年にはウエスタン・リーグで打率.295、21本塁打、59打点の成績を残して本塁打、打点の2冠を手にすると、翌年は同性の岡田彰布監督の就任を受けて、本名の岡田貴弘からT-岡田へと登録名を変更。約7000人のファン投票によって登録名が決められた経緯も当時話題を呼んだ。

ファンの期待を背負って臨んだ2010年シーズンの岡田は、開幕スタメン出場を果たすと、 そこから本塁打を量産。5月以降は4番に座り、交流戦では打率.313、6本塁打、26打点の活躍を見せ、自身初の交流戦MVPも受賞した。

さらに勢いに乗る岡田は、7月のオールスター戦のメンバーにも選出されると、当時21歳にして第2戦でパ・リーグの4番として先発出場。西武時代の清原和博が持つパ・リーグ最年少4番記録(22歳)も塗り替えた。最終的にこのシーズンに33本塁打を放った岡田は、本塁打王のタイトルを獲得。22歳での本塁打王は王貞治氏以来48年ぶりの快挙だった。

華々しい活躍が期待されるも…まさかの低迷

球界を代表する本塁打打者としてさらなる飛躍が期待されたが、タイトルを手にした翌2011年は、前年とは一転して一時は2軍に降格するほどの不振に陥り、打率.260、16本塁打、85打点。前年から本塁打は半減させた。

タイトル獲得後からの約3年間は不振に苦しみ、自身の打撃スタイルの模索しながらのシーズンを過ごした岡田だったが、減量して挑んだ2014年に24塁打を放って復調の兆しを見せると、自身初のゴールデングラブ賞も獲得(1塁手部門)。

チームは最終戦にソフトバンクに敗れて優勝を逃したが、クライマックスシリーズのファーストステージ第2戦では、日本ハムの谷本圭介から3ラン本塁打の活躍でチームの勝利に貢献するなど、健在ぶりを示した。

2019年は不振によりわずか20試合の出場に終わったこともあり、FA権を行使せずにオリックスへの残留を決断した。コロナ禍の影響で1ヶ月ほど遅れて開幕を迎えた2020年は、シーズン序盤から敗戦を重ねる苦しい戦いぶりが続いた。

中嶋監督が就任し、チームは3連覇 日本一も経験

借金20を抱えた8月20日の西武戦の後には西村徳文監督が辞意を表明。後にリーグ3連覇と日本一を成し遂げることとなる中嶋聡が監督に就任した。
※開幕当初は2軍監督。2020年当時の肩書は監督代行

若手の積極的な起用によって強化が進められるチームの中で、主に下位打線を任された岡田は、9月9日の対埼玉西武戦で球団通算8500号本塁打を放つと、本拠地の京セラドームで行われた9月23日の日本ハム戦では、3番打者として出場して2本塁打の活躍。

2024年現在で両リーグを通じて23人しか達成していない全打順での本塁打も成し遂げた。

その後、中嶋監督によって若手選手の底上げと戦力の整備が進められたチームは、2021年に25年ぶりとなるリーグ優勝を達成。9月28日にはロッテの石川歩から通算200本塁打を放つなど存在感を示し、打率.241、17本塁打、63打点の成績を残した岡田は、キャリア17年目で初の勝利の美酒に酔った。

初の勝利の2022年にはチームは連覇を成し遂げると、前年日本シリーズで敗れた東京ヤクルトスワローズにも雪辱を果たし、イチロー田口壮らが在籍した1996年以来の日本一を獲得したが、岡田は36試合の出場にとどまり、打率.1491本塁打10打点と低調な成績に。

3連覇を成し遂げた2023年も前年と同様に一軍と二軍を行き来するシーズンを過ごした岡田は、わずか36試合の出場。ルーキーイヤーを除いて17年連続で記録していた公式戦の本塁打も、この年は0本に終わった。

2023年のオフに大幅な年俸ダウンを受け入れて、現役続行を決めた岡田だが、2024年はわずか4試合の出場。エース・山本由伸のMLB移籍の影響などにより苦しい戦いを続けるチームの起爆剤とはなれず、シーズン終了後に引退を発表。波乱万丈の19年間に幕を下ろした。


プロフィール

名前:T-岡田/岡田 貴弘(おかだ・たかひろ)
出身:大阪府
生年月日:1988年2月9日(36歳)
身長/体重:187cm/100kg
投打:左投げ左打ち
ポジション:内野手・外野手
ドラフト年(順位):2005年高校生ドラフト1巡目
経歴:履正社高-オリックス・バファローズ

通算成績

実働19 年:1363試合/打率.257/ 1193安打/204本塁打/715打点/32盗塁

獲得タイトル

2010年:本塁打王、ベストナイン
2014年:ゴールデングラブ

※記事内の情報は配信時点の情報です(2024年11月現在)