サッカー日本代表キャプテン“遠藤航”ーカタールワールドカップから再始動した日本サッカーの目指す未来とは?
サッカー日本代表キャプテンを務める遠藤航。2022年ワールドカップでは主力として出場し、予選にて強豪ドイツ、スペインを破ってベスト16入り。日本歴代のベスト16入りでは最高位の9位という成績を残した。現在はイングランドプレミアリーグ・リバプールFCで活躍する遠藤選手が、昨年2023年に配信された「ABEMAスポーツタイム」の対談で、代表キャプテン就任の経緯や心構え、これから日本サッカーが目指す未来について語っていた。※トップ画像出典/Getty Images
子どもの頃からの夢だったワールドカップという舞台
遠藤選手の2022‐2023年シーズンは、自身二度目のワールドカップを経験し、当時所属していたドイツ・シュトゥットガルトは残留プレーオフに進むといった激動のシーズンを過ごした。どんな1年だったかという問いに「ものすごく長く感じたシーズンでしたが、いい経験になりました」と語っている。
ワールドカップ出場は、子どもの頃からの夢だった。2019年ロシアワールドカップでは出場機会がなかったが、2022年カタールワールドカップでは主力メンバーとして試合に出場した。「ロシア大会でベンチから見ていた景色と実際にピッチに立った景色は全く違った。夢だった舞台でキックオフの笛が鳴ったときはすごく感慨深かったですね」と話す。
ロシア大会からカタール大会までの4年間で、変わったことのひとつがポジションだ。明確ではなかった自分のポジションを確立させることで、主力メンバーの座を奪い取った。今では日本代表、不動のボランチとなっている。
カタールワールドカップが遠藤選手、代表チームにもたらした変化
「カタールワールドカップ後、レベルアップした点は?」という質問に対し、遠藤選手は「自信になった」と答えた。
「ロシア大会からの4年間はワールドカップでとにかく自分のプレーを出すための準備期間に充てた。初戦のドイツ戦から力を発揮できたことはレベルアップというよりも、自分のやってきたことが間違っていなかったのだと思えました。それはチーム全体もそうだったと思う」と言うように、個人だけでなく、チームとしても“死の組”と呼ばれたグループで、強豪ドイツ・スペインに勝ったことが、試合が不利な状況でも、相手がどこの国でも、自分たちには勝ち切る力があるという自信を持つことができたようだ。
再始動した新生森保JAPANのキャプテンに就任
新生森保JAPANとして再始動した代表チーム。2023年6月に遠藤選手が新キャプテンに就任した。メンバーも新しくなっている中で、キャプテンとして心がけていることは「コミュニケーションを積極的にとること。新しい選手や若い選手も増えているので、チームに早くなじめるように、たくさん話すようにしています」
6月の代表戦では、シュトゥットガルトでチームメイトだった伊藤洋輝が初招集され、代表初ゴールを決めた。「個人的にもとてもうれしかったです。伊藤選手はすごく自分の意見をはっきり持っているが、代表ではまだ気を遣っている部分もある。そういうところを、やりやすくしていくのも自分の役目だと思っています」選手の意見にきちんと耳を傾けてくれる森保監督のもと、遠藤選手なりのキャプテンとしての最適化を追い求めていく。
出典/Getty Images
キャプテン就任時の挨拶で語った代表チームが目指すべき目標
遠藤選手は、キャプテン就任時の挨拶で「ワールドカップで優勝するためには、ひとりひとりが何をしなければいけないのか考える必要がある」と話した。これは決して遠藤選手だけの想いではなく、カタールワールドカップの前から選手の間では「優勝したい」という会話が交わされていた。キャプテン就任前の3月、選手ミーティングで今後どういう目標を掲げてチームを作っていくか話し合った。「前回と同じワールドカップベスト16なのか、ベスト4なのか、それとも優勝を目指すべきなのか。何人もの選手が“やるなら優勝を目指したい”と言い、それを監督に伝えました」
全員で目指す“ワールドカップ優勝”
日本サッカー協会は、2050年にワールドカップ優勝という目標を掲げている。しかし、遠藤選手を始めとする代表チームは「今、優勝を目指さなければ達成できない」と考える選手がほとんどだった。
遠藤選手は「どうすればもっと強くなれるのかをずっと考えている。サッカーに対して真面目な人が多い」と今の代表チームをそう評する。その言葉を象徴するような、高い目標だ。
「自分たち主力メンバーは、新しく入ってくる選手に『日本代表はワールドカップ優勝を本気で目指している』と伝えることが役割だと思っています」さらに、これから代表に入ってくる選手はもちろん、日本の全サッカー選手、メディア、そして日本サッカーファン全員で、ワールドカップ優勝という思いを持ってくれたらうれしいと語った。
『ABEMAスポーツタイム』
タイトル:必見!槙野が遠藤航に直撃取材
配信日:2023年
内容: スポーツ界をにぎわせている話題から最新情報まで、番組ならではの視点で取り上げる”スポーツ”が一層面白くなる番組。
※記事内の情報は放送時点の情報です