町田の強さ、神戸を打破するカギとは?FC町田ゼルビアvsヴィッセル神戸の試合戦術を槙野智章が分析
Jリーグの話題を中心に掘り下げながら、サッカーの魅力を伝える番組「やべっちスタジアム」。#156は元プロサッカー選手の槙野智章が登場。FC町田ゼルビアvsヴィッセル神戸の試合を、実際に国立競技場にて観戦しながら解説した様子をお届けする。※トップ画像出典/Getty Images
町田が昨年覇者の神戸に勝利するための条件&町田の強みとは
首位の町田と5位の神戸。番組冒頭で「町田が勝つためには?」と尋ねられた槙野は、「相手はヴィッセル神戸。昨年のJ1優勝ということで、リスペクトする気持ちはあると思う。ただリスペクトしすぎるのもよくない」と自身の見解を語った。
試合が始まると、さっそくロングスローを放つ町田。槙野は、神戸もロングスローに対策をしているとし、「ロングスローの人の配置、相手をサンドする形、ハッキリしていますね」と解説。さらに、町田の鈴木準弥選手のロングスローを見ると「これは大きな武器だな!」と評価し、「投げられる選手がいるなら僕が監督でもロングスローやりますよ」とチームの作戦方針についても触れた。
槙野は「町田ゼルビアの攻撃っていうのはハッキリしているんですよね。クロスの上げ方、ロングスローもそうですし、味方を信じて枚数も入っているので。圧倒的に他のチームと違うのは、ボックス内での人数のかけ方、セカンドボールの回収の仕方っていうのは明らかに他のチームより強いですね」と町田の強みについて分析。「だから一発目の攻撃が終わっても、二次三次の攻撃でチャンスを作ってゴールを取れている」と町田の攻撃力を生み出すためのポイントについて語った。
その後も前線へ攻める町田の動きを、「ボールを奪った時の矢印が横パスとかバックパスじゃない」「時間をかけずに相手の嫌がるところをつく」「ボールを奪った瞬間に前の選手が裏への動きをする意思疎通が取れている」と評価。町田の攻勢が続く前半、神戸に対しては「町田にボールを持たれてシュートを打たれている」「コミュニケーションを取って対策を練らないと町田の時間が続く」と分析した。
町田のミスから神戸の攻勢へ
前半22分、神戸が相手のミスからチャンスを作ると、ゴールは決まらなかったものの最速最短でシュートまで駆け上がった。この動きを「武藤のチョイスよかったね!」と槙野は評価し、「町田がやってたようなことを、逆に神戸がやりましたよね」と解説。さらに前半25分、初スタメンの山内翔選手がファウルを受けた際、神戸の他の選手の動きを見ながら「神戸のDF陣は『どうやって守ったらいいのか』っていうところを確認をする上で非常にこの時間が大切ですよ」「こういうのが神戸の強いところでもありいいところ」と語った。
前半27分、神戸のセットプレーでは神戸の守りを「ドレシェヴィッチとオセフン、空中戦の強い2人がいるので、オセフンの後ろに入っていきたい」「大外に人数かけすぎ、もう少し真ん中に人数をかけた方がいい」とコメント。実際、槙野の分析が当たり、オセフン選手の後ろの空いたスペースにボールが飛んでいた。
今シーズンから加入した山内選手の動きに対しては、「堂々とプレーしてますよね」「若手でプロ1年目から試合に出ることは大事」と評価。その後の前半45分、神戸のカウンターで山内選手がゴールを決めると「初ゴールすごい!」とその興奮を覗かせた。
その後、試合は神戸が1点先制したまま後半へ。神戸の様子を見ながら「町田が散々やってきたロングスロー。今度は神戸が『次は俺たちが!』と言わんばかりに」「目の前でやられたらやり返す」「完全に町田がやりたいことをやってるよね」と解説。後半26分、町田の藤本一輝選手が神戸の酒井高徳選手を突破すると「藤本の前への推進力がでかい。酒井も守備に定評があるんですけども、そこに対して前半から何度も仕掛けて縦への突破が今日すごいですね」「あのサイズで馬力があってスピードがあるのは良い」とプレーを評価。
町田の攻勢が続いた前半から、神戸の強さが出てきた後半の流れを「今年の神戸も攻守の切り替えが早い」「神戸は町田のサッカーに慣れてきたね」とコメントしていた。
『やべっちスタジアム』#156「槙野智章のオフザボール解説&U23アジアカップ初戦プレビュー!」より
※記事内の情報は放送当時の内容を元に編集して配信しています