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カトリエの「マイ・ファースト・スパイク」第6回  ジェラード&ロイ (台湾サッカー解説者) Vol.2「台湾雑誌も特集した、日本のサッカー少年の素晴らしいマナー」

香港出身で台湾にてサッカー解説者として活躍するお2人にお話を伺います。サッカー雑誌の編集も務めるジェラードさんと、芸能人サッカーチームでプレーするタレントのロイさんです。まだまだ子供たちに、サッカーの楽しさを教える段階だという台湾。日本のサッカー少年から学ぶこともたくさんあったそうです。(加藤理恵)

Icon kinggear icon KING GEAR編集部 | 2017/03/22
ロイ:僕は子供の頃、香港のユースチームに入っていて、1996年、14歳の頃に鹿児島へ試合に行ったのですが、その時印象的だったのが、日本の子供はすごくしつけが良い事。

試合前は子供達で掃除をして、きちんと挨拶やお礼をして、試合後はまた掃除をして…。14歳の僕は本当にびっくりしたんです。素晴らしいなと思いました。


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ジェラード:そうそう! これは僕が編集をしている台湾の「足球王者」というサッカー雑誌なのですが、この雑誌にも日本の子供たちはすごく偉い、マナーが良いよ、という記事が載っています。

加藤:ええ! そんな記事が!

ロイ:僕、ずっと興味があったのですが、なぜ日本では子供にそういうしつけをしたのでしょうか? あれは鹿児島だけなんですか? それとも日本全体なんですか?

加藤:私もよくはわからないですが、たぶん日本は礼儀や後片付け、きちんとした準備も含めてスポーツの心。それがスポーツを強くすると思っているんじゃないでしょうか。

サッカーだけではなくて、仕事やどんな事でも、きちんと整えることで心身共にクリアになって無駄がなくなる。整える事が基本にあると思っているんじゃないですかね。

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ロイ:なるほど。ところで加藤さんは台湾サッカーのどんな所に興味を持ったんですか?

加藤:いま、Jリーグには色んな国から選手が来ているんですね。サッカーでいつのまにか色んな国と関わっているけど、その国の事はあまり知らない。

せっかくだから“サッカー”を合言葉に『あなたの国ではどうなの?』『こんな所が違うね』って知っていったら、もっと楽しさや豊かさに繋がるかもと思ったんです。

今回もせっかく台湾に来たのなら、台湾でサッカーがどういう物なのか、どういう存在なのか知りたいなと。


ロイ:台湾ではサッカーはそんなに栄えていなくて、多くの人は知識も豊富には持っていません。4年に1回、W杯の時にだけ盛り上がる感じです。

加藤:ワールドカップには興味があるんですね。

ジェラード
:とても興味を持っています、興味津々です。みんなすごく自由に盛り上がっていますよ。

ロイ:そんな台湾でも、サッカー人口は増えてきています。4、5歳から始める人もいるし、10~15歳の子供には特に人気があります。でも高校に入ると皆辞めてしまう…。

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ジェラード:台湾の現状は、サッカーに興味がある子は沢山いるんだけど、高校に入ると大学進学の為に辞めざるを得ない。スポーツより、勉強をするほうが良いと思っているんです。将来、野球選手になりたいとか、ちっとも考えていない。

加藤:サッカーでプロになる選択肢もないですしね。日本だと子供に人気の職業はサッカー選手や野球選手が多いのですが、台湾だと? ジェラード:国会議員ですかね。

ロイ:台湾ではまだ、子供たちがサッカーの楽しさをあまり味わえていないのかもしれません。試合で負けたら”じゃあ辞めよう”って。日本の子供たちは負けてもサッカー自体を楽しんでいますよね。台湾はいま、小さい子供に勝ち負けだけじゃなく、サッカーの楽しみをたくさん与える段階だと思うんです。


加藤:日本ではフットサルが流行って、女性も気軽にボールを蹴るようになりました。台湾はどうですか?

ジェラード:台湾の場合はジムで身体を鍛えるとか、マラソンも流行っています。サッカーやフットサルはやれる場所がないんです。僕、少し前にフットサル場を作ったのですが、政府の取り締まりにあって閉鎖してしまいました…(笑)

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加藤:なぜ!? スポーツをするって、健康にも心にも良いじゃないですか!

ジェラード:政府はサッカーに対する知識がないんですよ。ただの商売行為と思われたんでしょうね。すっごくお金をかけてリフォームして赤字だったのに…。いまはただの事務所になっています(笑)

加藤:それは残念ですね。ではここで、初めて履いたスパイクについてお聞きしたいのですが。

ロイ:香港で買ったアンブロのスパイクです。

加藤:香港ではアンブロが人気なんですか?

ロイ:1997年まで香港はイギリスの植民地だったので、イギリスブランドのアンブロが人気でした。

ジェラード:僕も大学生の頃にアルバイトをして、アンブロのスパイクを買いました。当時はイギリスの植民地ですから、イギリスのチームばかり見て憧れていたんです。物凄く流行っていました、1994年のブラジル代表もアンブロでしたよね。

加藤:当時、いくらぐらいの物だったんですか?

ジェラード:日本円で2000円くらいですかね

加藤:2000円!? 安いじゃないですか

ジェラード:でも30年前だから…。2日分の給料くらいでした

加藤:え、2日分!? ロイさんは?

ロイ:僕はクラブチームに入っていたので、サービス券をもらって半額で買ったんです。

加藤:アンブロ以外で人気だったのは?

ジェラード:ロット。その次はアディダス。

加藤:アンブロ、ロット、アディダス…ナイキは?

ジェラード:ナイキは1998年のワールドカップ以降に有名になったんです。その前は香港ではあまり知られていませんでした。

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ロイ:僕は2足目に買ったのは、アディダスのコパ・ムンディアルですよ。今日持ってきています。

加藤:わ~、すごいクラッシック! カッコイイ! でもよく残していましたね!

ロイ:これは復刻版なんです。一人前になった記念として、大人になってから買いました。

加藤:じゃあ履く用じゃないんですね

ロイ:たま~に使うくらいです。台湾は湿気が多くて、すぐに革が痛んじゃうので履くのはもったいないんです(笑)

加藤:なるほど、道具選びは気候にも注意しないといけないんですね。(了)


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