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本田千尋の『フロム・トレーニングセンター』vol.24 ”飾らない”メスト・エジルが履くアディダス『エース 16 Purecontrol』  

金子塾卒業生にして、現在はドイツに拠点を置くスポーツライター本田千尋のちょっと変化球な企画。ブンデスリーガのスターはどんな音楽で気持ちを高め、どんなクルマで移動時間に鋭気を養い、そしてどんなスパイクで闘っているのか。トレーニング・センターからのダイレクト・レポートをお伝えします。

Icon img honda600 本田 千尋 | 2017/04/01
レアル・マドリーに在籍していた2012年2月。黒いシャツをラフに着込み、茶のチノパンを履いて、革ジャンに袖を通す。黒のキャップを後ろ向きに被って、黒いスニーカーを履く。飾らない23歳の若者らしい出で立ちに身を包んだエジルは、【フェラーリ 458 スパイダー】のハンドルを握ると、マドリード中心部に繰り出した。  

「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー2012」に燦然と輝いた570CV、4,499CCのGDI V8エンジンの鼓動と、F1デュアル・クラッチ・ギアボックスが実現する滑らかなギア・シフトは、ピッチを離れたエジルの体を労ったに違いない。  

そうして少しばかりのドライブを楽しんだエジルは、中心街に到着すると、あろうことか二重駐車。“GE MO 1088”ナンバーの【フェラーリ 458 スパイダー】には、当然のことながら、罰金が課された。
 

ちなみにナンバーのGEは、エジル生誕の地を表している。
 

GElsenkirchen(ゲルゼンキルヒェン), GErmany(ドイツ)。さらにMOはエジルのイニシャル(Mesut Özil)。そして10はレアル・マドリーで背負っていた番号で、88は誕生年だ(1988年生まれ)。ピッチ内でボールを正確にコントロールし過ぎて、ピッチ外での感覚が狂ったところもあったかもしれない。  



今季はアディダス『エース 16 Purecontrol』を履き、〈WIZ KHALIFA : WE DEM BOYZ〉を好んで聴くエジル。29歳になった3月16日には“自伝”を発売。エジルの「full story」が記されているという。若かりし頃のマドリードで課された罰金の具体的な額は、その中で明かされているのかもしれない。