スポーツ界を底辺から支えるIT企業の挑戦 Vol.3「個人利用が増えている今は、個人向けの利便性を高めたシステムを世に提供している」
ここ日本で、さまざまなスポーツを、ITという側面で地道に支えながら事業を展開しているピープルソフトウェア。その創業者である木暮知彦社長と、現場の総責任者としてプロジェクトの指揮を執る横道彰副社長に話を伺う。第3話では、フットサルを底辺から支えるBtoCサービス「みんサル」の開発秘話を伺った。
瀬川 泰祐(せがわたいすけ)
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2017/12/18
■御社は「みんサル」というサービスを提供されていますが、これはどんなサービスなのでしょうか?
(木暮)個人参加型のフットサルを開催している施設を検索したり、予約することが出来るサービスです。
今までは、サッカー協会向けのシステムだったり、フットサル施設向けのシステムを作って納品していましたが、そればかりではなく、自社運営のポータルサイトを立ち上げて、我々の力で施設に送客も行っていくようなことにトライし始めたところです。
■どうしてこのようなプロジェクトを始めることにしたのでしょうか?
(木暮)2002年の日韓共催ワールドカップの時に、フットサル施設がいっきに乱立しました。フットサルは5人で試合が出来るので、周りの仲間とチームを作ってボールを蹴る楽しみがあるんだということが広く知れ渡り、チーム数が急増しました。対戦して楽しむ、大会で優勝を目指す、そういった楽しみに多くの人々が気づいたわけです。
でも、当時そうやって活発に活動していた人たちは、30代、40代になり、子供ができて忙しくなったり、管理職になって仕事が忙しくなったりして、チーム数はどんどん減っていきました。
また、今の若い人たちは、ボールは蹴りたいけど、団体行動は嫌だとか、世話役を担うのは面倒くさいとか、そういった風潮になっていきました。その結果、決まったチームで活動するという人が減ったんですね。それに伴って、フットサル施設も収入が伸びない状況になっていきました。
そこで、生個サルです。
個サルとは、個人参加型のフットサルのことです。例えば20人の参加者が集まったら、その場でチーム分けされて、試合をするのです。これが思いのほか流行りまして、いまでは、フットサル施設の収入の3割ないし4割の収入を占めるまでになりました。
フットサル施設側としても、開催予定だった大会を中止せざるを得なくなったときにも、個サルに変更することが出来るので、施設の稼働率をあげることにも役立ちます。
こうして、個サルのニーズがここ数年で、一気に増えました。にも関わらず、世の中の情報ソースを見渡しても、個サル情報をしっかり集めたポータルサイトがなかったんですね。じゃあ、自分たちでポータルサイトを作ろうということで、このプロジェクトがスタートしました。
でも、私の中では、チーム用のシステムだろうと、個人用のサイトだろうと、考え方に違いはありません。チーム活動が盛んだった時代は、チーム予約がしやすいシステムを、個人利用が増えている今は、個人向けの利便性を高めたシステムを世に提供しているだけです。
底辺のフットサル人口が増えることで、フットサル施設も繁栄しますし、競技全体のレベルも上がっていけばいいですね。
■開発を進めていくうえで、どんな苦労がありましたか?
(横道)我々にとっては、コンシューマー向けのサービスって、「みんサル」が初めてだったんですよ。
今までは、BtoBtoCの中で、我々が提供してるのは、企業さんだったり自治体だったりと、Bだけをみれば良かったんですけど、「みんサル」は、直接コンシューマーへ向けたサービス提供だったので、そこに関しては非常に苦労しましたね。
■それはWEBサイトのユーザビリティを自分たちで意識して設計・開発といけないことへの苦労でしょうか?
(横道)ユーザビリティはもちろんなのですが、そもそも、個人情報を自ら扱うとか、我々が行う業務の形態が、今までとは全く違うものだったので、業務設計を1から作るところなどは、本当に大変でした。
■いまの「みんサル」はとても見やすいサイトですし、使い勝手も良さそうですね。
(横道)試行錯誤しながらですが、徐々に良くなっていってますね。最近流行りの開発手法ですけど、アジャイル開発といわれる手法をとっていて、作りながら良くしていっているところですね。
完全なものを企画・設計して、その設計通りのものが出来上がらないと世の中には出せないというのでは、1年後にシステムが出来上がったときには、世の中はもう変わっているんでね。
「とりあえず、未完成でもいいから出す!」って割り切って、やってきました(笑)。
■「みんサル」はどれくらいの開発期間で作ったんでしょうか?
(横道)3カ月くらいですかね。それでも、少し時間がかかったなという印象ですけどね。
■さすがですね。今後はどのような展開を考えているのでしょうか?
(木暮)最近、我々が力をいれ始めたのが女性プレイヤーの拡大です。女性の場合、1人でいきなり個サルに参加する人ってほとんどいないんです。だからこそ女性の開拓には、ノウハウが必要です。
先ほども申し上げましたが、個サルというのは、施設スタッフがチーム分けしてから試合をします。その際には、初心者や女性への配慮やコントロールがとても大切なのですが、それが出来ないスタッフがまだまだ多いんです。
でも、それでは、女性の参加者は増えない。
だから、女性だけのフットサルを企画して盛り上げようという取り組みを始めました。
まずは我々が女性スタッフを施設側に送り込んで、それが定着するまでのサポートをします。女性スタッフが女性プレイヤーと接する姿や手法を、施設のスタッフの方にみてもらって、上手くコントロールできるようになったら、施設単独で女性限定の個サルを開催する、という流れづくりに取り組んでいます。
(横道) システムの機能面では、レビュー機能なども付けようと動いています。飲食系のサイトでは当たり前のようにレビューがたくさん書かれて盛り上がっていますが、フットサルも、個サルに参加したプレイヤーが、レビューで語ったりして、盛り上がっていくといいですね。
■底辺拡大のために、素晴らしい取り組みですね。これからも引き続きスポーツ界を支えていってください。
(木暮・横道)こういった地道な活動が、少しでも日本のスポーツ文化の発展に役立てばうれしいですね。どうもありがとうございました。
ピープルソフトウェア株式会社 http://www.pscsrv.co.jp/ 東京・大阪・岡山に拠点を持ち「感動価値創出企業」を目指すピープルソフトウェア株式会社。主にスポーツや観光、教育関連のシステム開発実績が豊富なIT企業です。
フットサル施設向けパッケージ「VLCM」 http://www4.vlcm.net/vlcm_hp/index.html フットサル施設の運用・管理・サービスにマッチしたシステムです。 予約方式や会員種別も複数持てるので、多様な設定が用途に応じて可能です。オプションサービスとの組み合わせで販促活動を行うこともできます。
みんサル https://www.minsal.net/ 今日はどこで誰と蹴る?「みんサル」は、自分好みの個サルに出会えるフットサルプレイヤーのための検索、予約サービスです。
(木暮)個人参加型のフットサルを開催している施設を検索したり、予約することが出来るサービスです。
今までは、サッカー協会向けのシステムだったり、フットサル施設向けのシステムを作って納品していましたが、そればかりではなく、自社運営のポータルサイトを立ち上げて、我々の力で施設に送客も行っていくようなことにトライし始めたところです。
■どうしてこのようなプロジェクトを始めることにしたのでしょうか?
(木暮)2002年の日韓共催ワールドカップの時に、フットサル施設がいっきに乱立しました。フットサルは5人で試合が出来るので、周りの仲間とチームを作ってボールを蹴る楽しみがあるんだということが広く知れ渡り、チーム数が急増しました。対戦して楽しむ、大会で優勝を目指す、そういった楽しみに多くの人々が気づいたわけです。
でも、当時そうやって活発に活動していた人たちは、30代、40代になり、子供ができて忙しくなったり、管理職になって仕事が忙しくなったりして、チーム数はどんどん減っていきました。
また、今の若い人たちは、ボールは蹴りたいけど、団体行動は嫌だとか、世話役を担うのは面倒くさいとか、そういった風潮になっていきました。その結果、決まったチームで活動するという人が減ったんですね。それに伴って、フットサル施設も収入が伸びない状況になっていきました。
そこで、生個サルです。
個サルとは、個人参加型のフットサルのことです。例えば20人の参加者が集まったら、その場でチーム分けされて、試合をするのです。これが思いのほか流行りまして、いまでは、フットサル施設の収入の3割ないし4割の収入を占めるまでになりました。
フットサル施設側としても、開催予定だった大会を中止せざるを得なくなったときにも、個サルに変更することが出来るので、施設の稼働率をあげることにも役立ちます。
こうして、個サルのニーズがここ数年で、一気に増えました。にも関わらず、世の中の情報ソースを見渡しても、個サル情報をしっかり集めたポータルサイトがなかったんですね。じゃあ、自分たちでポータルサイトを作ろうということで、このプロジェクトがスタートしました。
でも、私の中では、チーム用のシステムだろうと、個人用のサイトだろうと、考え方に違いはありません。チーム活動が盛んだった時代は、チーム予約がしやすいシステムを、個人利用が増えている今は、個人向けの利便性を高めたシステムを世に提供しているだけです。
底辺のフットサル人口が増えることで、フットサル施設も繁栄しますし、競技全体のレベルも上がっていけばいいですね。
■開発を進めていくうえで、どんな苦労がありましたか?
(横道)我々にとっては、コンシューマー向けのサービスって、「みんサル」が初めてだったんですよ。
今までは、BtoBtoCの中で、我々が提供してるのは、企業さんだったり自治体だったりと、Bだけをみれば良かったんですけど、「みんサル」は、直接コンシューマーへ向けたサービス提供だったので、そこに関しては非常に苦労しましたね。
■それはWEBサイトのユーザビリティを自分たちで意識して設計・開発といけないことへの苦労でしょうか?
(横道)ユーザビリティはもちろんなのですが、そもそも、個人情報を自ら扱うとか、我々が行う業務の形態が、今までとは全く違うものだったので、業務設計を1から作るところなどは、本当に大変でした。
■いまの「みんサル」はとても見やすいサイトですし、使い勝手も良さそうですね。
(横道)試行錯誤しながらですが、徐々に良くなっていってますね。最近流行りの開発手法ですけど、アジャイル開発といわれる手法をとっていて、作りながら良くしていっているところですね。
完全なものを企画・設計して、その設計通りのものが出来上がらないと世の中には出せないというのでは、1年後にシステムが出来上がったときには、世の中はもう変わっているんでね。
「とりあえず、未完成でもいいから出す!」って割り切って、やってきました(笑)。
■「みんサル」はどれくらいの開発期間で作ったんでしょうか?
(横道)3カ月くらいですかね。それでも、少し時間がかかったなという印象ですけどね。
■さすがですね。今後はどのような展開を考えているのでしょうか?
(木暮)最近、我々が力をいれ始めたのが女性プレイヤーの拡大です。女性の場合、1人でいきなり個サルに参加する人ってほとんどいないんです。だからこそ女性の開拓には、ノウハウが必要です。
先ほども申し上げましたが、個サルというのは、施設スタッフがチーム分けしてから試合をします。その際には、初心者や女性への配慮やコントロールがとても大切なのですが、それが出来ないスタッフがまだまだ多いんです。
でも、それでは、女性の参加者は増えない。
だから、女性だけのフットサルを企画して盛り上げようという取り組みを始めました。
まずは我々が女性スタッフを施設側に送り込んで、それが定着するまでのサポートをします。女性スタッフが女性プレイヤーと接する姿や手法を、施設のスタッフの方にみてもらって、上手くコントロールできるようになったら、施設単独で女性限定の個サルを開催する、という流れづくりに取り組んでいます。
(横道) システムの機能面では、レビュー機能なども付けようと動いています。飲食系のサイトでは当たり前のようにレビューがたくさん書かれて盛り上がっていますが、フットサルも、個サルに参加したプレイヤーが、レビューで語ったりして、盛り上がっていくといいですね。
■底辺拡大のために、素晴らしい取り組みですね。これからも引き続きスポーツ界を支えていってください。
(木暮・横道)こういった地道な活動が、少しでも日本のスポーツ文化の発展に役立てばうれしいですね。どうもありがとうございました。
ピープルソフトウェア株式会社 http://www.pscsrv.co.jp/ 東京・大阪・岡山に拠点を持ち「感動価値創出企業」を目指すピープルソフトウェア株式会社。主にスポーツや観光、教育関連のシステム開発実績が豊富なIT企業です。
フットサル施設向けパッケージ「VLCM」 http://www4.vlcm.net/vlcm_hp/index.html フットサル施設の運用・管理・サービスにマッチしたシステムです。 予約方式や会員種別も複数持てるので、多様な設定が用途に応じて可能です。オプションサービスとの組み合わせで販促活動を行うこともできます。
みんサル https://www.minsal.net/ 今日はどこで誰と蹴る?「みんサル」は、自分好みの個サルに出会えるフットサルプレイヤーのための検索、予約サービスです。