SPIKE WARS -エピソード6 意外な評価-
メーカー横断履き比べ企画『スパイク・ウォーズ』
金子 達仁
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2016/05/31
Episode 6 ~意外な評価~
【登場人物】
聞き手(編集部)
マスターナガイ(永井秀樹=東京ヴェルディ1969=)
◆今回永井秀樹が試着するのはアディダス「X15.1HG LE」
──続いてはアディダスでございます。以前にもお伺いしましたが、プーマの印象が強いマスター・ナガイ、実はアディダスに浮気をなさっていた時期があったとか。
マスター永井 「浮気っていうな。人聞きの悪い」
──では裏切り。
マスター永井 「もっと悪いし(笑)」
──ちなみにその時はどんなモデルを?
マスター永井 「プレデター、だったかな。正直、最後までしっくりこなかった印象がある」
──そもそもなぜアディダスを?
マスター永井 「フリューゲルスが消滅して、マリノスと合併することになった。フリューゲルスはプーマと関係の深いチームだったけど、マリノスはアディダスだった。それだけのことなんだけどね」
──なるほど。ではX15・1 HG LEの試し履きをお願いします。
(もそもそもそと試着)
マスター永井 「あ」
──どうなさいました?
マスター永井 「でかい。これ、ちゃんとサイズは25・5センチだよね?」
──間違いなく。
マスター永井 「大きいわ。アシックスは26・5でちょうどいい感じだったけど、これは25でジャストかも。やっぱり、同じ25・5でも、メーカーによって違うんだね、だいぶ」
◆同じ25.5cmでもメーカーによって
サイズ感が異なるようだ。
──メーカーによっても違うでしょうし、同じメーカーでもモデルによって違う部分もあるかもしれません。特に、日本限定モデルと、全世界展開モデルとでは。
マスター永井 「ああ、そうかもね。プーマのパラメヒコなんかも、日本限定モデルだから、サイズはもちろん、横幅なんかもだいぶ違うって聞いたことがある」
──ちなみに発揮人Kが入手した情報によると、パラメヒコを製造している工場の所在地などは、プーマ社内でも極秘扱いにされているそうです。
マスター永井 「ま、パラメヒコは名機だからね。作り方のノウハウとか、盗まれたら困るってことなんじゃないの?」
──でしょうね。それはさておき、こちらのモデルはいかがでしょう。
マスター永井 「あのね、ただでかいだけじゃなくて、横幅が相当広い。なんとなく、ドイツのメーカーのスパイクって、日本のに比べると幅が狭いって印象があったんだけど、これはとにかく広い。はっきり言って、足幅の細い人には無理なスパイクだね」
──ちなみにマスター・ナガイの足幅は?
マスター永井 「普通だと思う。その俺がこれだけ広いって感じるんだから、相当だよ」
◆永井秀樹が重視するフィット感は・・・。
──マスターが重視しているフィット感の点ではいかがでしょう。
マスター永井 「悪くはない。ないんだけど、アシックスを履いたあとだと、正直、ちょっと残念に感じられる。あれがかゆいところにまで手が届く、凄く繊細な感じのするスパイクだとすると、こちらはちょっと雑。包み込んでくれるような感じはないよね」
──重さについてはいかがでしょう。240・5グラム。6モデル中2番目の重さです。
マスター永井 「繰り返し言ってるんだけど、俺、スパイクの重さってあんまり気にしないのよ。てか、本当にスパイクって重たいと疲れるものなのかな。蹴るってことだけを考えるんなら、ある程度の重さはむしろ必要なんじゃないかなって思うんだけど」
──実は、キングギアではそのあたりを検証すべく、オリンピックにも出場したさるマラソン・ランナーにサッカー・スパイクを履き倒していただき、「10キロ走っても一番疲れないスパイクは何か」選手権を開催する予定でございます。
マスター永井 「お、それは面白い。そもそも走りの専門家は、シューズを選ぶ際に何を重視するのかっていうのは、俺からしても興味あるね」
──ちなみにアディダスのこのスパイク、マスター・ナガイとしては試合に使いたいと思うモデルですか?
マスター永井 「う~ん、それはないかな」
──原因は足型?
マスター永井 「だね。足幅の広さが普通の俺からすると、どうしてもユルユルって感じがしちゃうんだよね。フィット感みたいなのがほとんど感じられない」
──ちなみにアディダスには、プーマのパラメヒコと並び賞される名機コパ・ムンディアルというモデルもございます。
マスター永井 「熱狂的な愛用者、いるよね。俺も、機会があったらぜひ履いてみたいな。パラメヒコとどこがどう違うかっていのも確かめてみたいし」
(以下次回へ 取材協力/東京ヴェルディ1969)
◆アディダス「X15.1HG LE」
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