捕球の常識を打ち破った超進化型野球用グラブ!ミズノ『グローバルエリート H selection』とは。
野球選手にとって、バットやシューズと同じように大切となるギアがグラブである。100年以上にも渡ってグラブ製作をし続けるミズノ(ミズノ株式会社:代表取締役 水野明人)が新たに生み出した2つのグラブについて、企画担当者の須藤氏に説明をしていただいた。
佐久間秀実
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2018/01/29
ミズノ株式会社
グローバルイクイップメントプロダクト部
ダイアモンドスポーツ企画生産課
須藤竜史氏
ミズノは1913年から野球グラブの販売を始めた。創業者の水野利八氏は、自らグラブのデザインをして職人と製作していたとのことである。 それから100年以上もの間、ミズノは数々のグラブを生み出し、現在、日本の野球界でミズノのグラブは確固たる存在となっている。
――今回ご紹介いただく野球グラブについて教えていただけますか。
須藤:現在、ミズノのグラブでは、「ミズノプロ」と「グローバルエリート」という2つのブランドが主力商品となっています。
「ミズノプロ」・・・プロ野球選手が使用していることから王道がコンセプトとなっていまして、様々なテクノロジーを搭載して進化してきています。
「グローバルエリート」・・・「ミズノプロ」に対するものとして誕生しまして、王道に対して非常に革新的で、軽量をコンセプトにスタートし、捕球に関して強く落とし込んでいきました。見た目も従来の商品にはないものにしています。
今回は、2017年12月発売の「グローバルエリート H Selection」について紹介させていただきます。「H Selection」には、「01」と「02」の2タイプがありまして、硬式用・軟式用共に、革の良さとボールの捕り易さを追求し、投手、内野、外野とオールラウンドプレーヤーに向けて開発しています。
「H Selection 01」
硬式と軟式で展開し、「握らなくても握れるグラブ」と非常に握り易すくしています。
――特長を教えていただけますか。
須藤:見てわかる特長は、捕球する際に重要となる小指部分を動かし易くしているところにあります。従来の1枚革を分割して蝶番のように繋ぎ合わせることによって、耐久性とフィット性も向上しています。握りに応じた形状「IDATEN FLEX構造」を採用したことにより、握って閉じる際のスピードが従来品よりも37%向上しました。
「H Selection 02」
グラブはポジション別にあり、ポケット部分で捕球し易くしています。
――特長を教えていただけますか。
須藤:革の強度が増したことにより耐久性がアップし、使い込んでもポケットの硬い形状が維持されるようになっています。指を自由に動かすこともできます。
――革の厚みはどうなっていますか。
須藤:「01」と「02」の革の厚さは違いますが、シリーズ毎に公式軟式共にほぼ同一に統一されていまして、使えば使う分馴染んできて捕球し易くなります。
――企画から完成までにどれほどの期間を要しましたか。
須藤:どのような組み合わせにすれば1番良いのかと沢山サンプルを作って完成までに至りました。企画から商品化するまでに2年位かかりましたね。今回は、リニューアルするということで、大幅に変更することになりました。
――今後の展開を教えていただけますか。
須藤:グラブはボールを捕るための道具でして、捕球をメインに特化をした商品がなかったので、今回は原点に返って捕球するために必要な要素を組み合わせて開発しました。
捕球してからスローイングするまでにいかにスムーズに繋げられるかも意識して作っています。「01」は、グラブの開閉スピードが従来のものよりも速いので、その分早い段階でボールを握って投げることができます。「02」は、しっかりと捕球をしてボールを投げられるようにしています。
グラブの形や見栄えが変わるとなかなか受け入れられにくい市場ではありますが、バランスを考えながら今回は攻めた商品であります。まずは、目に留めてから試していただきたいと思います。 (了)
ミズノ『グローバルエリート H selection』 http://www.mizuno.jp/baseball/products/Hselection/H01/
取材協力/ミズノ株式会社
写真提供/ミズノ株式会社
取材写真/佐久間秀実