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カリスマスパイク博士が、サッカー日本代表選手がロシアワールドカップで履くスパイクを解剖‼︎ 『ASICS、NIKE、MIZUNO編』

いよいよ本日21時に、日本vsコロンビア戦がキックオフとなる。今回も、FUTABA SOCCER WORLDが誇る、カリスマスパイク博士の高橋竜也氏に、選手着用予定スパイクについて話していただいた。また、高橋氏ならではのワールドカップ観戦ポイントが、非常に興味深いものとなった。

Icon aff20898 d2d2 431d 8b05 0f3c5e5ae91b 佐久間秀実 | 2018/06/19
PUMA、umblo、adidas編

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大迫勇也選手着用予定
ASICS  DS LIGHT X-FLY3SL(ディーエスライト・エックスフライ・スリー・エスエル)  

高橋:大迫選手が着用してるDSライトのXのライシリーズ、こちらがカンガルーのXフライ3になります。大迫選手で特長なのが、相手選手を背負いながらボールを足下でキープしますよね。大迫選手は非常に革があまり伸びないものを好んでいまして、こちらは硬めのアッパー素材マイクロファイバーを採用しています。非常に軽くてボールもしっかり蹴れるので、FWであったりシュートを撃ってゴールを決めなければならない選手にとって、最高のシューズとなりますね。

小ネタなんですが、大迫選手は革が水を含んで変形するのが嫌みたいです。  

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乾貴士選手着用予定
 
ASICS  DS LIGHT X-FLY3(ディーエスライト・エックスフライ・スリー)   

高橋:乾選手が先日のパラグアイ戦でも履いていて、非常に良かったですよね。カンガルーアッパーを採用しているシューズです。優しいボールタッチをしやすくなっていますね。かかとの部分がスエードになっているので、足をしっかりとホールドしたい選手には、うってつけのシューズであると思います。   

これもまた小ネタなんですけど、乾選手はパラグアイ戦で前半は取り替え式の思いスパイクを履いていました。グランドの芝にスパイクが少し引っかかって、あまり上手くいかなくて決定機のチャンスを外していたんですよね。それで西野監督から怒られて、後半固定式に替えると2得点も決めて大活躍でしたから。多少滑ってはいたみたいなんですが、ステップがスムーズになってボールタッチが滑らかになっていたのが良かったんでしょうね。

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長友佑都選手、山口蛍選手、酒井宏樹選手着用予定
 
NIKE  MERCURIAL VAPORマーキュリアル・ヴェイパー)   

高橋:みんな大好きなNIKEですね。長友選手、山口選手、酒井選手が着用予定となります。非常に色味もシンプルでかっこいいですね。スピードがコンセプトで、速く走るためのシューズとなります。全体にニット素材を使うスピードモデルのタイプになっています。非常に軽くて、裸足にスタッドが取り付けられたよう素足感覚のあるモデルになっています。  

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ソールがセパーレート形状になっていて、前足部と後足部が離れることによって、走る際の前足部のパワーを最大限に発揮できるような作りになっています。ソールも前足部のみで屈曲できるようになっていまして、陸上スパイクから波及していると思われます。  

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昌子源選手着用予定
 
NIKE  TIEMPO(ティエンポ)   

高橋:抜群のフィット感を実現したいということでフライニットという素材とカンガルーアッパーを採用しています。今回はアッパーに縫い目を入れないステッチレスにして、内装でしっかり革の伸びなどを抑えています。これによりボールとの距離感をより近くなり、高いレベルのボールタッチを実現できる素晴らしいシューズとなっています。軽量性も伴っていて、走る、ボールを止める・蹴るが非常にやりやすいと思います。  

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大島僚太選手着用予定
 
MIZUNO  MORERIA(モレリア)   

高橋:私が1番好きでお勧めするシューズであります。モレリアは今年で33周年を迎えまして、今回は、パッションレッドをイメージしています。レビュラ2のカラーと同じでして、日本の赤、ジャパンスピリット、ジャパンフットボールをしっかり表に出そうとMIZUNOが作り出したシューズとなります。

幅広い年代の選手たちから非常に人気なんですが、シューターンをショートスタイルにすることで、足首周りがスッキリしています。大島選手のように、小刻みにステップを踏んだりとか、ファーストタッチで相手選手を交わす際に、足首が動きやすいように作られています。かかとの入り口以外はカンガルーを採用しています。やっぱりモレリア伝統の素足感覚を実現してくれる素晴らしいシューズとなっています。

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本田圭佑選手、吉田麻也選手、岡崎慎司選手着用予定
 
MIZUNO  REBULA(レビュラ)   

高橋:モデルチェンジをしまして、前回のものよりもスピードとボールコントロールを全て支配している素晴らしいシューズとなります。MIZUNOの熱い思いが込められていますね。

今まではセパレートのシューターンが多かったんですが、甲周りのフィッティングが大きく変わっていて、インナーフットとの設計になり、しっかりと固定できるようになっています。縦横無尽に動いてボールコントロールを安定させる素晴らしいシューズですね。
  

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最後に、高橋博士から日本代表への想い
 

高橋:みなさん試合をご覧の際に、なぜ選手がそのスパイクを選んで履いているのかを注目していただけたらと思います。選手は与えられたポジションで自分の役割をこなさなければならなく、それを助けるのがスパイクであります。   

最後の小ネタなんですけど、面白いのが日本代表に関しては、シューズを管理するのは選手個人なんですよね。装備をサポートするスタッフが台頭していないので、最後にピッチ上で履くスパイクを決めるのは選手自身となります。   

ぜひその辺りを意識しながら、ワールドカップを楽しんでもらいたいですね。  (了)   

FUTABA SOCCER WORLD  


取材写真/佐久間秀実