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元体育会ソッカー部な国会議員!元榮太一郎(参議院議員&弁護士ドットコム株式会社 代表取締役会長)のJリーグを世界一のリーグへ 「第2回:株式会社ガンバ大阪前社長 野呂輝久Vol.2」

1993年当時のJリーグと同時期にスタートしたイングランドのプレミアリーグの市場価値は1対1であった。しかし、現在ではかなりの差をつけられている。「どうすればJリーグがプレミアリーグに追いつくほど盛り上がるのか?サッカーに携わる方々の待遇がより良くなるのか?」そんな課題に対して、元体育会ソッカー部の元榮太一郎が動いた。サッカー関係者から話を聞き、実行に移していく新企画。 第2弾は、ガンバ大阪の前社長として、パナソニックスタジアム吹田の建設などに尽力された野呂輝久氏との対談をお送りする。進行役はKING GEARの発起人である金子達仁が務めた。

Icon     白鳥純一 | 2019/10/31
元榮: 吹田スタジアムを建設される際に、140億円の資金を集められたと言うことなのですが、どのように集められたのでしょうか?

野呂: 最終目標を140億円に設定してプロジェクトを始めました。資金の目処が立たないうちに着工してしまったので、思ったより時間がかかりましたね。

140億円の内訳は、パナソニックが60億円、721社の法人から39億円、サポーターをはじめとする34600人の個人から6億2200万円。そして、国からの助成金が35億1000万円です。

元榮:
助成金で35億円ですか? すごいですね。相当、頑張らないと難しい額ですよ。相当な「力技」も必要だと思いますが…。

野呂:  何百回も文部科学省に足を運んで、それまでは8億円だった枠を増やしてもらいました。
  
元榮:サッカー関係者にとっては、「良き前例」を作っていただいたわけですね。
  
野呂: そうですね。パナソニックスタジアム吹田をモデルにして、南長野、北九州、京都と、順番に30億円の助成金を使ったスタジアムが着工していきました。

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元榮:  もちろん、臨場感が味わえるといった点はあると思いますけれども、オリジナルのサッカー専用スタジアムを建設することのメリットは何ですか?

野呂:
  グラウンドと観客席は本当に近いですね。サポーターとゴールが近すぎるので、GKの東口(順昭)はビビってました(笑)。

サッカー専用スタジアムを持つと、国際Aマッチが開催できるという利点はありますよね。

現在、FIFAが定めているスタジアムの基準は、観客40000人以上、屋根付き、スタンドがタッチラインから7m、ゴールラインから10m以上の距離があることです。パナソニックスタジアム吹田も、この基準に沿うように作りました。

——-スタジアムの増築は可能ですか?

例えば、ドイツのボルシア・ドルトムントが本拠地にしている「ジグナル・イドゥナ・パルク」は、もともとは50000人程度のスタジアムでしたが、今は70000人の集客が可能ですよね?  

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野呂: 増築は不可能ではないですが、スタジアム外に増やしていくしかないですよね。

 ドルトムントの場合には、空いている土地もあったので、増築が可能だったんだと思います。70000人もの方に、パナソニックスタジアム吹田まで足を運んでいただけますかね?(笑)

 元榮:いや、わかりませんよ(笑)。

野呂:   過去には、カシマスタジアムが増築工事を行ったことがありました。もともと15000人収容だったのですが、日韓ワールドカップに向けて、メインスタンドとバックスタンドに座席を増設して40000人です。

その時の工事費用が、120~130億円くらいだったので、スタジアム建設と同じくらいの資金が必要です。もともとパナソニックスタジアム吹田の観客動員数も30000人を予定していましたが、のちに増築工事にかかる費用を踏まえて、40000人にしました。

元榮:
 スタジアムの資金集めや、実際の工事はどのように行われたのでしょう?パナソニックスタジアム吹田の管理状況も併せて教えてください。

野呂:
 スタジアム建設のための募金法人を新規設立し、建設を終えたら精算する方式を採りました。

その後、建設したスタジアムを吹田市に寄贈し、ガンバ大阪が指定管理会社とし、スタジアムを管理する仕組みです。

この方法を使えば、固定資産税が掛からないので、とても効率がいいんです。

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元榮:
 対照的に、所有権を持たないデメリットはありますか?

野呂:  運用スキームが複雑なところですかね。指定管理会社なので、吹田市議会の承認が求められます。

例えば、自社で料金を変更することもできませんし、指定管理会社としての契約は50年間なので、将来的には更新も必要です。

あとは、運営面ですね。現在は、試合を運営する株式会社ガンバ大阪が、指定管理会社の株式会社ガンバ大阪に賃料を支払うような仕組みで運営されています。

双方が自社であっても、サッカークラブが運営団体にお金を払うという流れとまったく同じです。なので、「何か高いな」と言いながら、自社に賃料を支払っています(笑)。

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元榮:
 それは、柔軟性がないですね。でも、スタジアム建設や、施設運用方法の新たな仕組みを作られたという点では、本当に興味深いですね。

野呂: 「面白い」と言われることも多いですが、辛いことも本当に多いです。建設と運営を民間でやれるのが一番いいですね。もっとも、建物の償却という問題は あると思いますけども。


元榮:スタジアムをここまで「科学」したことなかったので、すごく新鮮ですね。
野呂: 僕はスタジアムにはうるさいですよ。国内のスタジアムは全部見ていますからね。