1通のメールから始まったFリーガーとサッカー少年たちの絆vol.1「偶然が重なった出会い」
2017年2月末。あるFリーガーの元に、一通のメールが届いた。 「公式戦用のユニフォームを製作したい」 フットサル日本代表にも名を連ねるその男は、当時、「sfida(スフィーダ)」をはじめとするフットボールブランドを展開する株式会社イミオの社員として、チームウェア製作部門の営業マネージャーをしていた。
瀬川 泰祐(せがわたいすけ)
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2017/10/12
フットサルは、近年のサッカー人気の影響もあって、一気にプレーヤー数が急増した人気スポーツの一つであり、国内最高峰のリーグである「Fリーグ」で戦う選手たちは、「Fリーガー」と呼ばれている。そんなFリーガーの諸江剣語の元に届いた一通のメールは、埼玉県久喜市立栗橋西中学校サッカー部からのものだった。
「半蔵門線の終点の、あの久喜にある中学校なのかな。」
当時の諸江の感想は、これ以上でも、これ以下でもない、たったこれだけの感想だった。
ユニフォーム製作の依頼をしてきた栗橋西中学校サッカー部は、1969年に発足し約50年もの間、活動を続けてきた長い歴史と伝統を持つ。
一時期は多くの部員数を抱えたこともあったが、ここ数年は少子化の影響で生徒数が減ったこともあり、部員がなかなか集まらず、練習すらままならない埼玉県東部地区の弱小チームと化していた。
メールを受信した時の諸江には、そのようなチームからのユニフォーム製作依頼であることは知る由もなかった。
そして、栗橋西中学校サッカー部もまた、送ったメールが日本を代表するフットサル選手のもとに届いているなどとは想像にも及ばなかったはずだ。
だが、この一通のメールが、のちに思いがけない絆を生み出すことになった。
所属チーム「フウガドールすみだ」でキャプテンを務めている諸江は、このとき既に、2014年より3年間在籍した株式会社イミオを退職し、それまで以上にフットサルに専念する決意を固めていた。
それは、フウガドールすみだをリーグ優勝に導くこと、そして自身の夢である「2020年ワールドカップ出場」から逆算しての決断だった。
同時に、フットサル選手としてそれまで雇用し、応援してくれた株式会社イミオへの感謝の意味も込めて、在籍期間中の仕事のすべてを最後までやりきるということだけは心に決めていた。
フットサル選手としての更なる飛躍のために退職することが決まっていた諸江にとって、栗橋西中サッカー部のユニフォーム製作は、お世話になった株式会社イミオでの最後の仕事となる。
そして、この仕事を終えた諸江は、一般企業の社員とフットサル選手という2足のわらじを履くことから決別し、いよいよフットサル選手としての新たな一歩を踏み出したのだった。
第2話へつづく http://king-gear.com/articles/542
取材・文・写真:瀬川泰祐
「半蔵門線の終点の、あの久喜にある中学校なのかな。」
当時の諸江の感想は、これ以上でも、これ以下でもない、たったこれだけの感想だった。
ユニフォーム製作の依頼をしてきた栗橋西中学校サッカー部は、1969年に発足し約50年もの間、活動を続けてきた長い歴史と伝統を持つ。
一時期は多くの部員数を抱えたこともあったが、ここ数年は少子化の影響で生徒数が減ったこともあり、部員がなかなか集まらず、練習すらままならない埼玉県東部地区の弱小チームと化していた。
メールを受信した時の諸江には、そのようなチームからのユニフォーム製作依頼であることは知る由もなかった。
そして、栗橋西中学校サッカー部もまた、送ったメールが日本を代表するフットサル選手のもとに届いているなどとは想像にも及ばなかったはずだ。
だが、この一通のメールが、のちに思いがけない絆を生み出すことになった。
所属チーム「フウガドールすみだ」でキャプテンを務めている諸江は、このとき既に、2014年より3年間在籍した株式会社イミオを退職し、それまで以上にフットサルに専念する決意を固めていた。
それは、フウガドールすみだをリーグ優勝に導くこと、そして自身の夢である「2020年ワールドカップ出場」から逆算しての決断だった。
同時に、フットサル選手としてそれまで雇用し、応援してくれた株式会社イミオへの感謝の意味も込めて、在籍期間中の仕事のすべてを最後までやりきるということだけは心に決めていた。
フットサル選手としての更なる飛躍のために退職することが決まっていた諸江にとって、栗橋西中サッカー部のユニフォーム製作は、お世話になった株式会社イミオでの最後の仕事となる。
そして、この仕事を終えた諸江は、一般企業の社員とフットサル選手という2足のわらじを履くことから決別し、いよいよフットサル選手としての新たな一歩を踏み出したのだった。
第2話へつづく http://king-gear.com/articles/542
取材・文・写真:瀬川泰祐