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Bリーガーに訊く!日本バスケ界の司令塔・富樫勇樹が語る"世界最高峰の舞台”Vol.2「バッシュに求めるのは『これだ!』という感覚」

高校卒業後と20歳の計2度、バスケットボール最高峰の地アメリカに挑戦した富樫勇樹選手。2015-16シーズンからは当時NBL所属の千葉ジェッツ(現・千葉ジェッツふなばし)に加入した。昨年から開幕したBリーグ2016-17シーズンでは、チームに欠かせない司令塔へと成長。2017年1月に行われた第92回天皇杯・第83回皇后杯では、自身の武器であるスピーディーなバスケでチームを牽引し、史上初のタイトルとなる優勝へと導いた。日本の“スピードスター”とも呼ばれる圧倒的な俊敏性。今回はその足元を支えるバッシュについて、契約しているNIKEとの出会いから、選ぶ際のポイント等を聞いた。試合中に見せる繊細なボールタッチからはあまり想像できない、シンプルで自然体な一面が垣間見える。

Icon 1482131451808 佐藤 主祥 | 2017/11/30
<Vol.1はこちら>

ー今回はバッシュの話を伺いたいと思います。富樫選手はNIKEの契約選手としてバッシュを着用していますが、そもそもNIKEとの出会いはいつだったのですか?

富樫:16〜17歳の頃ですね。初めてアメリカに挑戦している時です。

出会いという意味では、NIKEが開催しているあるイベントに参加したのがきっかけとしてありますね。というのは、現役で活躍しているバスケ選手やNBAのコーチが集まって、合同で行う「オールアジアキャンプ」というのが中国で毎年開催されているんです。

開催国である中国や韓国、そして台湾やオーストラリアなど、アジア各国からトップクラスの選手が参加するので、本当に大規模なイベントですね。

そこに僕も高校1年生の夏休みから2年間参加させていただき、NIKEの方と交流させてもらえたことで、契約するまでに至ったわけです。

それと、高校がマイケル・ジョーダンのスポンサーのチームだったので、モデルとしてはよく『Air Jordan(エア ジョーダン)』を履いていましたね。

ーなるほど。NIKEの中でも、バッシュ選びにこだわっているポイントがあれば教えてください。

富樫:実はあまりバッシュにはこだわりがないんですよ。NIKEの方から提供していただいたものを試していって、直感的に「これだ!」と思ったものを履いていますね。

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ー富樫選手は履いた感覚を大事にしているんですね。ではバッシュのモデルだったり、デザインに関してはどうですか?

富樫:これは個人的な好みなんですけど、NIKEのシグネチャーモデル(NBAのトッププレイヤーのみが作成できるオリジナルモデル)に関しては、選手名を見て選びますね。

例えばコービー・ブライアントやケビン・デュラント、そしてレブロン・ジェームズのモデル等がありますが、そのバッシュは試し履きすらしません(笑)。

ーえ!?逆にどの選手なら履くんですか?(笑)。

富樫:2016ー17シーズンからは、数年前に出たカイリー・アービングがモデルのバッシュ『カイリー1』を履き始めました。

その後も新作は試していったのですが、『カイリー2』はあまり足に合わなかったので、今年の夏に発売された『カイリー3』を履いてみようと思っているところです。

なので今は『ハイパーダンク2017』を履いています。これまでも、ちょうど良いと思えるバッシュが見つからない時は『ハイパーダンク』シリーズを履いていたので。

デザインとしては基本、千葉ジェッツふなばしのチームカラーである赤か、個人的にシンプルで好きな白を選んでいます。黒のような暗い色はあまり好きではありませんから。

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ーカイリーシリーズといえば、自身の特徴である華麗なクイックネスやスピードを参考に開発されていますが、富樫選手も同じようなプレースタイルだからこそ、このモデルを選んでいるのでしょうか?

富樫:それはありますね。やはり僕自身スピードを生かしたプレーが持ち味なので、重いバッシュは合いません。

ーではハイカットもNGということですか?

富樫:んー…。確かにハイカットも好きではないですが、ローカットもあまり好きではないんですよね(笑)。

見ていただければ分かると思いますが、実は今履いているこの『ハイパーダンク2017』はハイカットなんです。ただ、バッシュの一番上の穴に靴紐を通さないようにして、ハイカットとミッドカットの間くらいに調整してるんですよ。

この辺は少し細かい部分ではあるのですが(笑)。

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※富樫選手が履くNIKEの『ハイパーダンク2017』

ー先ほどこだわりはないと仰っていいましたが、掘り下げていくとさらに隠れたこだわりが出てきそうですね(笑)。私服やスニーカーを選ぶ時には「これは譲れない!」というポイントはありますか?

富樫:あんまりないですよ(笑)。強いて言えば、できるだけ色を入れないようにカラーは白黒やグレーを選んでいます。逆にスニーカーは赤とか派手めな色を取り入れたりしますが、靴以外は基本的にシンプルです。

あとスニーカーはやはり『Air Jordan』を履くことが多いですね。NIKEと契約させていただいた当初から履かせてもらう機会が多かったので。

ー確かに、各メディアに出ている富樫選手の私服はモノトーンのコーディネートが多い印象がありますね。これもこだわりという部分につながると思いますが、富樫選手には試合前に必ず聴く勝負曲だったり、ルーティンなどはありますか?

富樫:それも全くないんですよ(笑)。音楽自体あまり聞きませんし、ルーティンに関しても、試合前はストレッチなど当たり前にやる準備運動はしますが、特に変わったことはやっていませんね。

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ー捉え方を少し変えると、とにかく自由に、何事にも自然体で行動しているということでしょうか?

富樫:そうですね。僕は決まったことをガチガチにやるタイプではないですし、緊張もしないので、試合には普段通りの状態で臨んでいます。

もちろん試合に向かう意識づくりとしては「今日は絶対勝つ!」というように自分を奮い立たせます。ただ、言い方は少し他の選手に失礼かもしれませんが、休みの日に友達と楽しくバスケをしている感覚で試合に入った方がリラックスして良いプレーができるんですよ。

何かを「必ずやる」と決めて試合前に取り入れるより、いつも通り楽しくバスケをやることを意識する。自分の中にある本来のプレーを引き出すには、それが僕にとっての特別なルーティンワークなのかもしれません。




取材協力/株式会社千葉ジェッツふなばし、株式会社ブースト

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