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中西永輔の現在地「Vol.3 対峙したFWで1番凄かった選手は?」

1998年6月14日をサッカーファンなら覚えているだろう。日本代表が初めてワールドカップに出場した記念すべき日だ。開幕戦のアルゼンチン戦にスタメン出場し、記憶に残るプレーをされた中西永輔さん。あまり語ることのなかった現役時代の話や現在の活動の話などをじっくり聞かせて頂いた。

Icon 16466945 810048175800857 1247399717 n 菊池 康平 | 2019/10/17
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――2試合目がクロアチア戦、3試合目のジャマイカ戦は出場停止でしたよね。   

中西:日本人初の出場停止でした(笑)累積警告で出場停止でした。残念でしたが、ああいう選手達をノーファールで止めれるかと言ったらそうでもなかったと思いますし。ただ、イエローをもらうようなプレーではなかったので、正直アンラッキーな部分はありました。   

――ワールドカップを経験して中西さんに起こった変化を教えてください。   

中西:それまでは誰かの後ろについて一緒にやってればいいやというタイプでしたが、代表に入ってワールドカップに出た時には中堅くらいになって、代表の練習とチームの練習の質を感じたんですよ。

ピッチで声や動きで引っ張っていかねば、チームを変えないと、という自覚が出ました。ワールドカップの経験をジェフの若手へ伝えねばという感じでした。   

ーーこれまで対戦した選手で1番凄かったFWは?   

中西:1番はエムボマです!凄さを肌身で感じました。もちろんフランスワールドカップで戦ったアルゼンチン代表のバティストゥータも凄かったですが、スピードを含めて身体能力も総合的にみてエムボマはヤバイなと思いましたよ。全盛期にJリーグに来てましたからね。     

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ーー1番凄かった点はどこですか?   

中西:1番びっくりしたのはスピードです。僕もスピードには自信がありましたが、ガンバと試合をした時に明らかにエムボマは後ろにいましたが、抜かれましたからね。   

ーー中西さんと言えば、サッカー界で釣り好きとして知られていますが、最近は釣りはされていますか?   

中西:今もやってますよ。釣りの話になると何時間もかかって、それだけで終わってしまうのでまた今度にしましょう(笑)   

ーー続いて、最近の話を聞かせてください。先日に中西さんの故郷である四日市のチームである「TSV1973四日市」のテクニカルディレクターに就任されましたよね。きっかけを教えてください。   

中西:「TSV1973四日市」の代表である渡邉俊介と知り合って、何回か食事をしていたんです。サッカー以外にも色々な話をしていましたが、じわじわっと誘われた感じですね(笑)   

ここでTSV1973四日市代表の渡邉俊介さんが登場!     

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渡邉:露骨に誘ったことはなかったので(笑)僕は四中工ではないですが、永輔さんは同郷の4つ上の先輩ですし、一人の人間としてすごく魅力を感じました。

四中工から初めてワールドカップに出た本物を知る人が、次の世代に伝えていけることは、教科書で学ぶ指導論や、ライセンスによって得れる指導理論以上のものがあると感じました。最初は確かに人見知りでしたね(笑)   

色々な話をしていく中で、サッカーの原理原則の部分や考え方に感銘を受けたんです。今の子供たちに触れて頂けたら僕自身も嬉しいし、地域の子供たちも嬉しいのではと思ったので、徐々に誘っていきましたね。   
中西:サッカーだけじゃないという部分にも共感出来ました。キリンスマイルフィールドに行って子供たちと触れてきた話もしてきて、人間形成や生活態度からまず見て欲しいという事でしたので。   

サッカーは誰でも教えられるかもしれませんが、ワールドカップにはどういう準備と心構えで臨んだのか?なども含めて僕の中の考えがあります。もちろんその10をいきなり子供に伝えてもわからないと思うので、1から徐々に浸透させていければ良いかなと考えています。

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――地元の子供たちの教育や人間形成に特に力を入れていくんですね。   

渡邉
:教育ですね。永輔さんはティーチングではなくて、コーチングな方だと思います。「ここ大事だよね」という部分がぶれていなくて、それはサッカー選手にとっても、それ以外の人にとっても凄く大事な要素だと思うんです。   

だからこういう活躍をされてきたのだと思います。技術やサッカー理論や個人戦術などの様々な能力が高い人が、プラスしてそれを兼ね備えていたらこうなれるよねという素晴らしいモデルだと思っています。

Vol.4へ続く

表紙写真提供:TSV1973四日市