ナイキ・ジャパン突撃インタビュー 最終回「スパイクの成功は、多くの消費者が『もう一度履きたい』と思うこと」
最終回となる今回は、革新的であるナイキの本質に迫る。細くて固くて履きづらいというイメージは過去のもの!?
多羅 正崇
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2016/08/30
キングギア編集部はナイキ・ジャパン本社に乗り込み、担当者に突撃インタビューを敢行。サッカースパイクの革新者として広く認知されているナイキの現状、今後の展望とは?
――ウェブ上でスパイクをデザインできる「NIKEiD」というサービスがありますよね。あれはどこからのアイデアだったんですか?
担当Aさん「世界にひとつだけの自分のシューズを提供しようというのが、最初のアイデアだと思います。自分でカラーを選び、パーソナルIDやネームなど入れることで、何億通りのパターンのものが出来上がります。自分がデザイナーになってシューズをデザインする楽しさを、消費者へ感じてもらうことです」
――最初はアメリカですか?
担当Aさん「最初にアメリカで展開されました。日本では2000年から展開を開始しました。ライフスタイルやバスケットボールプレイヤーに支持されています」
――ナイキのユーザーから寄せられる「ナイキのここが好き」という感想で一番多いのは何ですか?
担当Aさん「デザインと機能性です。着用しているアスリートが誰か、というのも強みとしてあります」
――いまのナイキにとって、サッカーの重要度は?
担当Aさん「世界のスポーツとして、グローバルの中でも重要なカテゴリーの一つです」
――日本の土のグラウンド用に適応した、ナイキのHG用アウトソールは、芝のグラウンドには合いませんか?
担当Aさん「すべて大丈夫です」
――ちなみに、人工芝にジャストフィットしたものは?
担当Aさん 「AGアウトソールです。ティエンポのHG用アウトソールも対応可能です」
――このHGソールが完成したのはいつですか?
担当Aさん「2008年に発表された『スーパーリゲラ』という天然皮革(カンガルーレザー)のスパイクが、高校生の間で支持された時です」
――出版業界では重版が成功ですが、スパイクにおける成功は?
担当Aさん「多くの消費者が『もう一度履きたい』と思うことが、重要だと思っています。過去に展開したスーパーリゲラに関しては、それを指定して買いに来るお客さんが多くいらしたと、専門店からのフィードバックで体感しています」
――なるほど。
担当Aさん「消費者が『ナイキのスパイクを履いていれば安心』と思ってくれるところが、一番大事だと思います。その点で、リゲラというスパイクが貢献してくれたところは大きかったですね。ナイキのスパイクは『細くて固くて履けない』という印象を持っていた人はたくさんいたと思うんですが(笑)、ナイキにもこういうスパイクがあるんだと思ってもらえたのはすごく大きかったです。現在はマーキュリアルやティエンポのスパイクが支持されています」
――細くて固くて、という時代はもうない?
担当Aさん 「ないと思います。まずは履いてみてもらいたいです。我々が提案する4つのサイロ(『マーキュリアル』『ハイパーヴェノム』『マジスタ』『ティエンポ』)から、自分にあったスパイクを見つけることは可能だと思います」
――「ミズノとアシックスは日本人の足に合っている」という風評というか、言説が流布していますが、ナイキの足型は日本人に合いますか?
担当Aさん 「合うと思います。20年前くらいは『甲高、幅広』が多かったと思いますが、現代の男性、女性の足の型は変化していると感じています。生活習慣が変化しているのが、大きな要因と思っています」
――畳の部屋はほとんど見ないですもんね。
担当Aさん「まさにそうです。いまは畳の部屋で生活しなくなり、正座などもせずにイスの生活が中心だと思います。生活習慣の変化から、足も変化していると思います。そのため、20年前と同じ状況でシューズを作ってしまうと、足とシューズに隙間がうまれ、スカスカになったりします。もちろんいまでも甲高の人はいますが、足型もだんだん変化しているのではないかと思います。マーキュリアルなどは細目に仕上げていますが、ティエンポなどは狭くなく、色々な足に対応できるスパイクの一つです」
――ということは?
担当Aさん 「皆さんに合う足型は、かならず探すことができると思います。一度ナイキを履いていただければ、きっと自分にあったスパイクが探せると信じています」(了)
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