スパイク・ウォーズ/エピソードⅥ・カンガルーの逆襲②「ウチの澤井に履かせたい!」
東京ヴェルディの永井秀樹選手が「スパイクの履き比べ」をする「スパイク・ウォーズ」。今回は天然皮革の中から、カンガルー革のスパイクのみを履き比べ。マスター永井はアスレタの『O-Rei Futebol A001』に、どんな評価をくだすのか?
金子 達仁
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2016/10/06
スパイク・ウォーズ/エピソードⅥ・カンガルーの逆襲①はこちら
──ではまず、一足目に参りましょうか。ヴェルディのユニフォーム・サプライヤーでもあるアスレタが満を持して発売したスパイク、O-Rei Futebol A001です。ブラジルが生んだ伝説の英雄ペレのニックネームにちなんだモデル名となっております。O-Rei。つまりはThe King。
マスター永井「へえ、そういう意味なんだ、学があるね(笑)」
──いえ、グーグルで翻訳すれば一発でございます。
マスター永井「でも、確かにアスレタの人が言ってたような。『このスパイクはペレをイメージして作りました』って。ま、古き良きブラジルの象徴って言ったら、やっぱりペレだからね」
──そのペレ自身は現役時代ずっとプーマだったにも関わらず、北米リーグのニューヨーク・コスモスに入団すると、即ポニーに鞍替えするという変わり身の速さを見せた方でもありました。マスターがお好きな表現を使わせていただくなれば『こうもり』(笑)。
マスター永井「なんてことを!(笑) いや、プロにはいろいろあるんです。俺だってずっとプーマだったけど、ほんの一時期アディダスを履いてたことはあるし。あのディエゴ・マラドーナ様でさえ、そうだったんだから」
──ともあれ、まずご覧になった印象は?
マスター永井「嫌いじゃないね。なんかさ、1周回ってこうなりましたって感じで。やれカラースパイクが出てきました。みんながみんな派手なスパイク履くようになりました。でもやっぱり黒ってカッコよくね?‥‥みたいな流れの先頭を走ってる感じ」
──マスターなんかの世代だと、メーカーとの契約が切れました、ボクいまフリーですよ的な立場の選手が、スパイクのラインを靴墨やマジックで塗りつぶしていること、けっこうあったじゃないですか。
マスター永井「あったねえ。でもいまはそういうことやってる選手ってあんまり見ないし、だからこそ、こういう真っ黒なスパイクって、若い選手にとっても新鮮じゃないかと思うんだよね」
──もちろん、実際に履いてみてダメだったら話にならないわけですが、そのあたりはいかがです?
マスター永井「アシックスOBの方が開発に関わってるっていう話は聞いてたんだけど、やっぱり似てるよね。アッパーの感触とか、足を入れた時の印象とか。すごく繊細で、なんていうか、かゆいところに手が届く感じ。スパイクでこんな表現使うのヘンだけど(笑)」
──ああ、でもわかる気がします。他のメーカーに比べると、明らかにアッパーとかのきめ細かさが違ったって言うか。
マスター永井「でしょ。その流れがきっちり受け継がれてる。ただ、そうは言ってもスパイクに関しては歴史の浅いメーカーなんで、まだ練れてないなって感じるところもある」
──どのあたりが?
マスター永井「ソールからの突き上げが結構強い。それだけじゃなくて、ソール自体も硬いかなって気がするね。このあたりは、以前俺が絶賛したアシックスのスパイクとはだいぶ違う」
──今回はいままでと趣向を変えて、各項目の採点は一気に発表させていただくとして、このスパイク、マスター・ナガイが「履いたら似合いそうだな」とか「履かせたいな」と思われる選手はいますか?
マスター永井「履いたら似合いそう‥‥まあ酸いも甘いもかみ分けた選手、いろんな経験を積んできた選手だったら誰でも似合うと思うけど‥‥あ、それよりもウチの澤井なんかいいかもね」
──澤井直人選手。21歳、千葉県出身のMF。以前スパイク・ウォーズでもキッキング・パートナーとして手伝っていただいた彼ですね?
マスター永井「うん。まだ物足りないところ、直さなきゃいけないところはあるんだけど、それを補ってあまりある魅力があるっていうかさ。間違いなく筋はいい。ひょっとすると大化けするかもって期待もある‥‥ってそりゃホメすぎか(笑)。でも、澤井のいまとアスレタのいまって、俺の中ではちょっとダブるのよ、これはマジで」
(以下次号)
取材協力/東京ヴェルディ1969
写真/㈱カルーテ菅優樹
──ではまず、一足目に参りましょうか。ヴェルディのユニフォーム・サプライヤーでもあるアスレタが満を持して発売したスパイク、O-Rei Futebol A001です。ブラジルが生んだ伝説の英雄ペレのニックネームにちなんだモデル名となっております。O-Rei。つまりはThe King。
マスター永井「へえ、そういう意味なんだ、学があるね(笑)」
──いえ、グーグルで翻訳すれば一発でございます。
マスター永井「でも、確かにアスレタの人が言ってたような。『このスパイクはペレをイメージして作りました』って。ま、古き良きブラジルの象徴って言ったら、やっぱりペレだからね」
──そのペレ自身は現役時代ずっとプーマだったにも関わらず、北米リーグのニューヨーク・コスモスに入団すると、即ポニーに鞍替えするという変わり身の速さを見せた方でもありました。マスターがお好きな表現を使わせていただくなれば『こうもり』(笑)。
マスター永井「なんてことを!(笑) いや、プロにはいろいろあるんです。俺だってずっとプーマだったけど、ほんの一時期アディダスを履いてたことはあるし。あのディエゴ・マラドーナ様でさえ、そうだったんだから」
──ともあれ、まずご覧になった印象は?
マスター永井「嫌いじゃないね。なんかさ、1周回ってこうなりましたって感じで。やれカラースパイクが出てきました。みんながみんな派手なスパイク履くようになりました。でもやっぱり黒ってカッコよくね?‥‥みたいな流れの先頭を走ってる感じ」
──マスターなんかの世代だと、メーカーとの契約が切れました、ボクいまフリーですよ的な立場の選手が、スパイクのラインを靴墨やマジックで塗りつぶしていること、けっこうあったじゃないですか。
マスター永井「あったねえ。でもいまはそういうことやってる選手ってあんまり見ないし、だからこそ、こういう真っ黒なスパイクって、若い選手にとっても新鮮じゃないかと思うんだよね」
──もちろん、実際に履いてみてダメだったら話にならないわけですが、そのあたりはいかがです?
マスター永井「アシックスOBの方が開発に関わってるっていう話は聞いてたんだけど、やっぱり似てるよね。アッパーの感触とか、足を入れた時の印象とか。すごく繊細で、なんていうか、かゆいところに手が届く感じ。スパイクでこんな表現使うのヘンだけど(笑)」
──ああ、でもわかる気がします。他のメーカーに比べると、明らかにアッパーとかのきめ細かさが違ったって言うか。
マスター永井「でしょ。その流れがきっちり受け継がれてる。ただ、そうは言ってもスパイクに関しては歴史の浅いメーカーなんで、まだ練れてないなって感じるところもある」
──どのあたりが?
マスター永井「ソールからの突き上げが結構強い。それだけじゃなくて、ソール自体も硬いかなって気がするね。このあたりは、以前俺が絶賛したアシックスのスパイクとはだいぶ違う」
──今回はいままでと趣向を変えて、各項目の採点は一気に発表させていただくとして、このスパイク、マスター・ナガイが「履いたら似合いそうだな」とか「履かせたいな」と思われる選手はいますか?
マスター永井「履いたら似合いそう‥‥まあ酸いも甘いもかみ分けた選手、いろんな経験を積んできた選手だったら誰でも似合うと思うけど‥‥あ、それよりもウチの澤井なんかいいかもね」
──澤井直人選手。21歳、千葉県出身のMF。以前スパイク・ウォーズでもキッキング・パートナーとして手伝っていただいた彼ですね?
マスター永井「うん。まだ物足りないところ、直さなきゃいけないところはあるんだけど、それを補ってあまりある魅力があるっていうかさ。間違いなく筋はいい。ひょっとすると大化けするかもって期待もある‥‥ってそりゃホメすぎか(笑)。でも、澤井のいまとアスレタのいまって、俺の中ではちょっとダブるのよ、これはマジで」
(以下次号)
取材協力/東京ヴェルディ1969
写真/㈱カルーテ菅優樹