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【インタビュー】中川絵美里さん後編 “活動10周年”のWBCで見たサムライたちの裏側 キャスターとしての未来「信頼で応えていきたい」

野球、サッカーを中心に活躍し、近年ではTBS系列の『新・情報7daysニュースキャスター』で天気コーナーを担当するなど、活動の場を広げる中川絵美里さん。今回は2nd写真集『光芒』が発売されるタイミングでインタビューを実施し、幼少期のスポーツとの出会いから巨人のチア「ヴィーナス」での活動などに迫ってきた。最終回は上京10周年で抜擢されたAmazonプライムのWBCキャスターで感じた想い、また、これから先に中川さんが描く未来について聞いた。※トップ画像:撮影/黒木早紀子

Icon 30716468 1048529728619366 8600243217885036544 n 井本佳孝 | 2024/07/29

ーー近年はYouTubeでのご活躍も目立っていますね。谷繁元信さんのYouTube(谷繁ベースボールチャンネル)への出演が好評でした。反響はいかがでしたか?

谷繁さんは監督もやられてますし、もちろんキャッチャーとしての目線もあるので、そういう意味でもすごく勉強になります。

何よりあれだけキャリアがあるレジェンドなのに、ゲストの私にもちゃんと意見を求めてくれる。谷繁さんのアシストがあるからこそ自分の意見が話せて、みなさんにもそれをみて知っていただけたのかなと思います。

ーーYouTubeという媒体に出てみて感じたことはありましたか?

みなさんの意見がダイレクトに届くので、例えばこういう企画やってほしいというのがあればそれを実現できるのもYouTubeです。あとは(アーカイブが)残るものなので、後々WBCの中継に抜擢していただいた時も、YouTubeの映像も参考にしたと言っていただきました。自分のキャリア的にも大事な資料の一つになっていると感じます。

ーースポーツナビで中川さんの野球番組『中川絵美里と野球』をやられていますね。あれはどのタイミングで決まったものですか?

あれはWBCが終わった後にオファーをいただいて、それで実現したという感じです。

企画や提案も一緒に会議に出てやらせていただいていて、本当に一緒に作っていくという感じの番組なので、いつも楽しくやらせてもらってます。

ーーそのなかでも「この取材が楽しかった」という印象的なものはありますか?

どの取材も印象的なんですけど、1年前に明徳義塾の馬淵史郎監督にインタビューさせていただいて。

台風でリモートになってしまったんですけど、高校生という難しい年代を指導されている方の「言葉力」や引き出しがものすごいと感じて驚きました。

1番最近で行ったのは千葉ロッテマリーンズの寮の取材なんですけど、プロの寮に入るという機会はもちろん初めてで。整った設備はもちろんですが、プロだと各々に任せて淡々してる感じなのかなと思いきや、寮長の方が家族みたいな雰囲気を作られていて、プロでもこういう環境でできるんだと知れたのは発見でしたね。

ーー中川さんの近年の活躍でいうと去年のWBCキャスターも大きいですよね。Amazon プライムでの仕事はどうでしたか?

本当にいろんなタイミングが良かったから決まったところはあったと思うんですけど、当日を経ても自分でいいのかなという不安がずっとありました。

ただ、そのWBCの中継をやった時がヴィーナスの1年目から10年という節目だったんですよ。ヴィーナス1年目の時はまさか同じ東京ドームで、代表戦でマイクを握って中継をやっている立場になるとは思いもしなかったので、ヴィーナス卒業の時の目標以上の夢を叶えられてすごく感慨深いものがありました。

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撮影/黒木早紀子

WBCで目にしたスターたちの姿


ーーWBCではいろんな名場面や日常に触れられたと思うんですけど、とくにこの選手のこの場面が印象的に残ってるというのはありましたか?

強化試合から取材をしていましたが、開幕から村上(宗隆)選手がなかなか状態が上がって来なかったですよね。

いつもすごく明るい選手で取材も丁寧に答えてくださる選手なんですけど、どうしてもあの期間、あの村上選手が記者側のエリアを厳しい表情で帰る姿も拝見して。

重圧だったり、色々と思うところがあるんだろうなと記者のみなさんとも話していたので、そのなかでの準決勝の(メキシコ戦の)一打というのは、本当に報われて良かったなという想いがありました。

ーーWBCのメキシコ戦、正直負けるんじゃないかと思う瞬間もあって、吉田正尚選手のホームランなど劇的な展開もありました。1試合と言われればあのメキシコ戦ですか?

そうですね。アメリカラウンドは東京で中継をやっていたんですが、「どうしよう。これこのまま終わってしまったら、どういう風に持っていこうかな?」と頭を巡らせていて、正尚選手が打って、その後逆転されて…最後の最後まで緊迫した展開で追い込まれていたので、決勝打の瞬間に信じられないくらい泣き崩れました(笑)それくらい心揺さぶられる試合でしたね。

ーーあのWBCはダルビッシュ有選手と大谷翔平選手が参加したことも大きかったです。2人について感じることはありましたか?

もちろん2人ともスターですけど、それぞれ役割の違うスターでした。ダルビッシュ選手は本当にチームの精神的支柱でしたよね。(ラーズ・)ヌートバー選手が来日したばかりで囲み取材を受けている時もこっそり記者の方の1番後ろから見守っていたり、本当にチームを支える存在になっていたのだなと思います。

大谷選手は存在と実力はもちろんですけど、ベンチで劣勢の時に大谷選手自身が鼓舞している姿を映像でみて。大谷選手のような存在が引っ張って前に出て、明るい方向を示してくれると絶対に士気も高まると思うので、全てにおいてトップクラスだなというのは間近で見ていても感じました。

ーーWBCが行われた東京ドームは独特の雰囲気があるというか、それは巨人戦でも感じられると思います。中川さんは東京ドームという場所をどう思っていますか?

代表でもリーグ戦でも、ポストシーズンでもそれぞれ雰囲気が全然違うんですよ。それはほかの球場でもそうだと思うんですけど、なんかちょっと張りつめたような空気になるというか。

私も1試合1試合ただ観ているだけですけど、本当に帰ってくるといろんな気をもらってどっと疲れたりするくらいです。そのムードをいい意味でも悪い意味でも作り出す空間なんじゃないかなと思います。

WBCもそうですし秋にやった「アジアプロ野球チャンピオンシップ」も優勝を東京ドームで観ましたけど、あの時の歓声もそう。あとヴィーナスにいた時には巨人のリーグ優勝も東京ドームで観ています。

その中でも、自分が一番印象に残っているのは2013年の交流戦の日本ハムファイターズ戦で、延長11回裏に小笠原道大選手が代打でコールされて出てきたんです。ヴィーナスってサヨナラや勝利間近になると、一塁のベンチ横の通路でずっと待機している状態なんです。

小笠原選手がコールされた瞬間に地鳴りのようなファンの方の歓声があって、サヨナラ3ランを打ったんですけど、その時の雰囲気というのが忘れられない。ベンチ横の裏で聞くと、割れるんじゃないかというくらいの歓声がありました。

それも小笠原選手があれだけのキャリアを残しながら2年ほど故障と不振で苦しんで、開幕も2軍スタートでというドラマもあったからこそコールされた時のみなさんの地鳴りのような声だったと思うので、これを生で感じられるのがスポーツのいいところだなと思います。


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撮影/黒木早紀子

「信頼ベースでやっていきたい」


ーー中川さんは野球を追いながら、サッカーも並行して追ってらっしゃいますよね。(ABEMAで)ユーロ決勝の司会もやられていましたが、あの大会もずっとご覧になられてましたか?

そうですね。動画配信サービスはみなさんが好きで自ら選択して観ていただいてるものなので、知っているというのはもちろん当たり前ですし、詳しい人が観てくださってるものだと基本的には思っています。本当に詳しいファンの方には勝てないとは思うんですけど、みなさんに有益な情報を一つでもお届けしたいという気持ちがあります。

そこはみなさんと一緒に大会を楽しみたいという想いがありますし、そのなかでプラスになる情報があれば発信できたらというのはいつも思っています。基本的にシーズン中はいつも3台くらい(デバイスを)駆使しながら試合をみていますね(笑)

ーー最近ではTBSのお天気キャスターの仕事を始めたり、ラジオもやられています。こういう仕事はいかがですか?

それぞれで勉強になることがたくさんで、お天気も1年前からやってるんですけど、このキャリアのなかでできると思っていなかったので、すごく驚きだったんです。お天気の仕事自体もそうですし、あとは安住紳一郎さんという視聴者の信頼をあれだけ得られている大アナウンサーの方とご一緒できています。

安住さんとは終わった後に毎回楽屋前でいろんなお話をさせてもらうんですけど、キャリアのなかで必要なハッとする言葉を言っていただけるので、そういう意味でもこのタイミングで自分がまだまだ伸び代があるんだということに気がつかせてもらえました。

ーー東京に10代のころに出てこられてそこから今、このようなキャリアを歩むと思っていましたか?

ここまでいろんなことをやらせていただけるとは思っていなかったですね。家族にも最近になって、「本当にここまでできるって思ってなかったよね」という話になりました。

ーーこれからやってみたいことはありますか?

基本的にいただいたお仕事はみんな挑戦してみたいという気持ちです。ただ、そのなかでも信頼ベースでやっていきたいという想いが強いので、一つひとつしっかりと、制作の皆さんからも視聴者の皆さんからも信頼していただけるキャスターであり続けるのが目標です。

スポーツを今まで通り軸にやっていって、2年後にちょうどサッカーのワールドカップとWBCが同じ年に開催されます。両方すでにキャスターとして経験させてもらっていますが、同じ年にあるのはスペシャルだと思うので、そこでもう1度2つに携われたらこんなに幸せなことはないかなと思っています。

あとは静岡でもレギュラー番組が始まり、地元にもっと貢献していきたいという思いもありますし、静岡での活動も広げていきたいと思っています。また全然違いますけど、ラーメンとお酒がめちゃくちゃ好きなので、食リポは今のところ絶望的に下手なんですけど、そういうお仕事も今後いただけたら幸せです(笑)

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撮影/黒木早紀子
中川絵美里さん 2nd 写真集『光芒』
2024年7月29日(月)発売

■【通常版】
中川絵美里2nd写真集『光芒』
撮影:桑島智輝 判型:B5 判/ハードカバー 4C96P 
定価:3,000 円+税 発売元:ワニブックス

 ■【DVD 付 限定版】
中川絵美里 2nd 写真集『光芒』
判型:B5 判 ハードカバー 4C96P+メイキング DVD(約 60 分) 
定価:5,000 円+税 発売元:ワニブックス 

ワニブックスHP
https://www.wani.co.jp/sp/event.php?id=8238

中川絵美里さんインスタグラム
https://www.instagram.com/emiri_nakagawa/