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3連覇の夢を実現するための戦略とは?選手層強化と安定感を追求するヴィッセル神戸の予想と展望

2023年にJ1初優勝を飾り、連覇を目指した昨シーズン。元日本代表のFW大迫勇也を中心に、FW武藤嘉紀やMF扇原貴宏、MF山口蛍といったスタープレーヤーをスタメンに並べ、序盤から安定した戦いを見せた。勝負どころとなる夏場から秋にかけては、第26節の横浜F・マリノス戦から第33節の京都サンガ戦まで引き分けを挟み、破竹の7連勝を記録。そのまま押し切って2連覇を達成した。また37試合に出場し、13ゴール7アシストのMF武藤が年間MVPに輝いた。※イラスト/vaguely

Icon kinggear icon KING GEAR編集部 | 2025/01/29

実力、スター性を兼ね備えたチームの懸念材料は?史上2チーム目の3連覇を目指す

J1初優勝を果たし、王者として臨んだ昨シーズン。開幕戦はJ1に復帰したばかりのジュビロ磐田戦だった。足元をすくわれかねない相手だったものの、王者の風格を見せて2-0で快勝を見せる。第11節の名古屋グランパスに2-0で勝利すると、第14節のアビスパ福岡戦までは4連勝。その直後の試合では、鹿島アントラーズに0-1、その次の東京ヴェルディ戦でも0-1と惜敗が続いた。しかし、長いシーズンを通して連敗はこの一度きり。日本代表として戦った経験を豊富に持つスター軍団の安定感は、シーズン最後まで揺らぐことはなかった。第26節の横浜F・マリノス戦から第33節の京都サンガ戦までは7勝1分とし、2連覇を一気に手繰り寄せる。優勝の行方は最終節までわからなかったものの、最後は湘南ベルマーレを3-0で寄せ付けず、見事に連覇を達成。吉田孝行監督は、J1連覇を成し遂げた史上7人目の指揮官となった。また、11月23日に行われた天皇杯決勝でもガンバ大阪を1-0で退けていたため、この年は2冠を達成した記念すべきシーズンにもなった。

▼2024年シーズンの成績

J2リーグ:1位(21勝9分8敗/61得点36失点)
JリーグYBCルヴァンカップ:1回戦敗退
天皇杯:優勝

2025年シーズン予想フォーメーション

2024年のヴィッセル神戸は、4-1-2-3という攻撃的布陣でリーグを制覇した。監督、レギュラー選手ともに大きな入れ替えはないため、昨シーズンのフォーメーションをもとに3連覇を狙う可能性が高い。DFラインは、右サイドバックのDF酒井高徳をはじめ、昨年のレギュラー陣がそのまま配置されると予想する。しかし、今オフでは、4人のDFを補強した。なかでも注目なのは、SCコリンチャンス・パウリスタから移籍したブラジル人DFカエターノだ。CBを主戦場とし、コリンチャンスでは公式戦通算38試合に出場している。昨季のレギュラー陣に割って入るとしたらこの選手になるか。中盤では、主将としてチームをまとめてきたMF山口蛍のJ2V・ファーレン長崎への完全移籍が決定。もともと、中盤の底はMF扇原貴宏がレギュラーを務めていたものの、ドイツリーグでも活躍したベテランMFの移籍はチームとして痛手だ。MF山口を合わせると、MFは6名放出して補強したのは1名のみ。長いシーズンを戦うには、少し不安が残る内容だ。3トップの動きは現状なく、大黒柱のFW大迫勇也を中心に、昨季リーグMVPのFW武藤嘉紀やFW広瀬陸斗、FW宮代大聖らが攻撃を引っ張っていくことになるだろう。

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イラスト/これ松えむ

2025年シーズンの展望ースター選手の負担軽減とサブメンバー強化が急務

攻撃的な布陣を採用していたものの、昨シーズンは得点、失点ともにリーグ3位。攻守にわたってバランスの取れた理想的な成績で2連覇を達成した。勝利数も唯一20勝を超えており、ここぞという場面での勝負強さが光るシーズンだったといえる。海外でも活躍経験のある元日本代表選手を多く抱え、実力もスター性もリーグ随一。しかし、そんなスター選手たちも30代半ばに差しかかり、カップ戦を含めた全試合に出場するのは難しいものがある。昨季の成績からさらにマークが厳しくなると想定されるため、3連覇を目指すためにはサブメンバーの底上げが急務だ。特に、今年で26歳になるMF佐々木大樹は、昨季途中出場がメインながらも35試合に出場し5ゴールを挙げている。サイドもCFも務められる貴重なユーティリティ性をもつ選手であり、今年はさらなる成長に期待したい。DF陣は補強を積極的に行い、4選手が加入。昨シーズン同様、一年を通して安定感のあるチームにするためにも、DFラインの層を厚くしておくに越したことはない。Jリーグ史において、3連覇を成し遂げたのは2007年~2009年の鹿島アントラーズのみ。ヴィッセル神戸がその大記録に並ぶかどうか、大きな注目が集まる。

新加入選手/移籍情報(2025年1月29日時点)

IN

【GK】
ウボング リチャード マンデー/福知山成美高校/19歳

【DF】
小池 裕太/横浜F・マリノス/28歳(完全移籍)
カエターノ/SC コリンチャンス・パウリスタ/25歳(完全移籍)
本山 遥/ファジアーノ岡山/25歳(完全移籍)
山田 海斗/ヴィッセル神戸U-18/18歳

【MF】
橋本 陸斗/東京ヴェルディ/19歳(完全移籍)

OUT

【GK】
高山 汐生/FC琉球/23歳(2026年1月31日までの期限付き移籍)
坪井 湧也/RB大宮アルディージャ/25歳(2026年1月31日までの期限付き移籍)

【DF】
山田 海斗/タコマ・ディファイアンス/18歳(2026年1月31日までの期限付き移籍)
菊池 流帆/FC町田ゼルビア/28歳(完全移籍)
本間 ジャスティン/松本山雅FC/19歳(2026年1月31日までの期限付き移籍)
尾崎 優成/ブラウブリッツ秋田/21歳(2026年1月1日までの育成型期限付き移籍)

【MF】
泉 柊椰/RB大宮アルディージャ/24歳(完全移籍)
安達 秀都/ザスパ群馬/20歳(2026年1月31日までの育成型期限付き移籍)
浦 十藏/カターレ富山/20歳(2026年1月1日までの育成型期限付き移籍)
山口 蛍/V・ファーレン長崎/34歳(完全移籍)
櫻井 辰徳/サガン鳥栖/22歳(2026年1月1日までの育成型期限付き移籍)
中坂 勇哉/未定/27歳

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