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新世代が台頭!日本女子テニスの未来を担う若手選手たちの才能

ベテランが活躍するなか、次世代の選手たちが急成長を遂げている。WTA1000で歴史的快挙を達成し、世界の舞台で存在感を示す若き才能たち。彼らの挑戦と躍進が、テニス界に新たな時代をもたらす。※イラスト/これ松えむ

Icon img 9605 1  1 髙橋菜々 | 2025/03/26

17歳の快挙!ミラ・アンドレーワ、WTA1000史上最年少優勝でトップ10入り

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イラスト/これ松えむ

2月にアラブ首長国連邦・ドバイで開催されたWTA1000「ドバイ・デューティ・フリー・テニス選手権」で、17歳のミラ・アンドレーワが見事優勝を果たした。当時、世界ランキング14位の彼女は、グランドスラム優勝経験を持つトップ選手たちを次々と破り、歴史に名を刻んだ。この優勝により、アンドレーワはWTA1000史上最年少でのタイトル獲得という快挙を達成。さらに大会後の世界ランキング更新でトップ10入りを果たし、9位に浮上した。17歳以下でのトップ10入りは、2007年のニコル・バイディソバ以来であり、21世紀ではマリア・シャラポワを含めて3人目となる。昨年の全仏オープンでは四大大会初のベスト4入りを果たし、その才能を証明。着実に成長を続け、今シーズンも勢いに乗っている。

アンドレーワの強さが際立ったのは、準々決勝でのイガ・シフォンテク戦だ。世界ランキング2位のシフォンテクに対し、アンドレーワは冷静かつ戦略的なプレーを展開。試合序盤、シフォンテクの強烈なショットに対し、アンドレーワはスライスで粘り強く対応。ネットに詰めたシフォンテクのハードショットを見事にストレートへ抜き去り、ポイントを奪った。さらに、フォアサイドのライン際に正確なショットを決め、相手をコート外へ追い出してから、バックハンドの強打で決定打を放つ場面も。リターンエースを決めるなど、攻守にわたり優れたプレーを見せ、第1セットを6-3で先取した。第2セットでは、シフォンテクがより攻撃的な姿勢を見せたものの、アンドレーワは相手の動きを見極め、冷静に対応。ネットに出てきた相手に対しても、正確なコースに打ち分け、着実にポイントを積み重ねた。結果、6-3、6-3のストレート勝ちで、堂々たる勝利を収めた。「どんなボールでも返す」というアンドレーワの執念を感じられる熱い戦いぶりだった。

全日本優勝、そしてWTA1000本戦へ!石井さやか、飛躍の1年に

世界ランキング206位の石井さやかが、2023年にプロ転向してから着実に成長を遂げている。2024年10月に開催された全日本テニス選手権で、石井は見事初優勝を果たした。決勝の相手は齋藤咲良。若手同士の注目の一戦は、2-1(6-2、3-6、6-4)で石井が制し、初の栄冠を手にした。試合では持ち前の強力なフォアハンドを武器に主導権を握り、最後まで攻めの姿勢を崩さなかった。10代での全日本制覇は快挙であり、今後のさらなる飛躍を予感させる結果となった。

私が石井の試合を初めて観戦したのは、昨年10月に東京で開催されたWTA500「東レ パン パシフィック オープンテニストーナメント 2024」だった。ツアー大会で初のベスト8進出を果たし、その実力を証明したものの、準々決勝では腹筋の負傷により無念の棄権となった。それでも、彼女のプレースタイルには強い印象を受けた。石井の武器は、スピードのあるサーブとパワフルなストロークだと私は思っている。特にフォアハンドを活かした攻撃的なプレーは観ていてワクワクするほどだ。

石井は3月に開催されるWTA1000「マイアミ・オープン」のシングルス本戦にワイルドカードで出場することが決定している。WTA1000の本戦でプレーするのは今回が初めてだが、世界のトップ選手が集う大舞台で、彼女がどのようなプレーを見せるのか非常に楽しみだ。これまで培ってきた実力を発揮し、さらなる飛躍のきっかけとなることを期待している。

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イラスト/これ松えむ

園部八奏、全豪ジュニア優勝!日本人女子初の快挙

17歳の園部八奏(そのべ わかな)は、1月に開催された全豪オープンのジュニア部門女子シングルスで見事優勝を果たした。この優勝は、グランドスラムのジュニア部門女子シングルスでの日本人のタイトル獲得において実に56年ぶりとなる歴史的快挙。さらに全豪オープンジュニア女子シングルスでの日本人優勝は史上初となった。決勝戦では、2-0(6-0、6-1)という圧巻のスコアで勝利し、相手を寄せ付けない完勝だった。

園部の最大武器であるサーブは、最速177kmを記録。ファーストサーブのポイント獲得率は76%と高く、強烈なサーブで試合の主導権を握った。さらに、ラリーでも積極的に攻め続け、終始試合をコントロールする場面が目立った。園部は昨年の全米オープンジュニア女子シングルスでも準優勝を果たしており、すでに国際舞台での実力を証明していた。そして今回、グランドスラムのジュニアタイトルを獲得し、さらに一歩ステップアップ。ジュニアの舞台で結果を残した彼女が、今後どのようにプロの世界へ羽ばたいていくのか、非常に楽しみだ。次世代の日本女子テニス界を担う存在として、今後の活躍に期待が高まる。