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【J1第8節】スクリーンに桜の花が映し出された印象的な対戦、C大阪は岡山から待望の今季初白星を奪えたのか

2025年4月2日、ヨドコウ桜スタジアムでセレッソ大阪vsファジアーノ岡山が行われた。開始早々にC大阪の先制ゴールが決まり、両チームともに13本のシュートを打ち合う攻撃的な展開を見せたこの試合。数字上は拮抗したこの勝負の明暗をわけたものとは何か。試合終了後には、スタジアムのスクリーンに桜の花が映し出され、選手たちはサポーターと共に記念撮影するなど、印象的だった試合を振り返る。※トップ画像出典/Pixabay(トップ画像はイメージです)

Icon kinggear icon KING GEAR編集部 | 2025/04/28

前節J1初ゴールを果たした岡山ルカオの存在感に注目

キックオフ直後から、両チームが高い集中力と強い意志でぶつかり合う。C大阪は、GK福井光輝を最後尾に、DF奥田勇斗、DF進藤亮佑、DF登里享平、DF畠中槙之輔。MF中島元彦とMF北野颯太が中盤を形成。前線にはFWルーカス・フェルナンデス、FWラファエル・ハットン、FWチアゴ・アンドラーデという布陣で攻撃の厚みを確保した。

岡山は、守護神GKスベンド・ブローダーセン、スリーバックのDF立田悠悟、DF工藤孝太、DF田上大地、ダブルボランチにMF加藤聖とMF田部井涼、サイドにMF佐藤龍之介とMF藤田息吹、シャドウにFW江坂任とMF岩渕弘人、ワントップにFWルカオを配置。前節J1初ゴールを決めたFWルカオの存在感に注目が集まった。

開始早々C大阪チアゴが左サイド爆走し、先制ゴール

試合は開始早々、電光石火の展開を見せる。

前半3分、C大阪のFWチアゴ・アンドラーデが自慢のスピードを活かし、左サイドを爆走。岡山のDF工藤を振り切り、左足で鮮やかな先制ゴールを叩き込む。アンドラーデの推進力と決定力がスタジアムに歓声を呼び込んだ。「今日も電光の立ち上がり」と解説者が絶賛する速攻戦術が功を奏した瞬間だった。C大阪は勢いに乗り、FWラファエル・ハットンのドリブル突破やFWルーカス・フェルナンデスのポストプレーで追加点を狙う。 岡山も負けじと長いボールをFWルカオに集め、セットプレーで反撃の糸口を探る。前半20分、MF加藤のコーナーキックにDF立田がヘディングで合わせるが、C大阪GK福井の好セーブに阻まれる。「セットブレーの失点は今季1と少ない」と評されるC大阪の守備組織が、空中戦でも堅さを見せた。

岡山の同点弾は左から右への鮮やかな展開

前半44分、岡山はついに同点に追いつく。左サイドを駆け上がったMF佐藤がMF加藤とワンツーを決め、美しいクロスを送り込む。MF岩淵の飛び出しをDF道上が抑えるスキに、逆サイドから飛び込んだMF佐藤が冷静にボレーを決めた。「左から右への展開で完全に攻略された」と、C大阪ベンチは悔しげだった。

前半アディショナルタイム、C大阪が勝ち越しゴールを奪う。MF北野のCKにFWラファエル・ハットンが反応。混戦の中で右足を振り抜くと、今季3点目となる勝ち越し弾となった。「セレッソのセットプレーは、昨季から武器となった。ターゲットの動き出しが相手DFを翻弄(ほんろう)した」と解説者が分析するように、戦術的な優位性が光る場面だった。前半はC大阪が2-1で折り返した。

GK対決が熱を帯びた後半でVARに涙飲んだ岡山

後半開始直後、岡山のFWルカオがDF進藤を抜き去り、強烈なミドルシュートを放つが、GK福井が右手一本で弾き返す。「反応速度が桁違い」と称賛される好セーブに、スタジアムがどよめいた。逆にC大阪も、FWチアゴ・アンドラーデのスピードでカウンターを仕掛けるが、岡山のGKスベンド・ローダーセンが、足元へのシュートに体を張って防ぐ。 終盤、岡山が劇的同点弾を決めるかと思われた瞬間が訪れる。83分、途中出場のMF松本が、右サイドから折り返しボールを流し込み、途中出場のFW一美和成が押し込む。しかし、VARチェックの結果、直前のプレーでのオフサイドが判明。「線審の旗は上がらなかったが、体の一部が前に出ていた」と、解説者が指摘する微妙な判定が勝敗を分けた。 後半アディショナルタイム4分、岡山が最後の攻撃を仕掛ける。MF加藤のクロスにFWルカオが躍動するが、DFが寸前でクリア。試合終了のホイッスルが鳴ると、C大阪の選手たちはピッチに倒れ込み、サポーターとともに歓喜の瞬間を分かち合った。

C大阪の勝利要因は「攻守の切り替え速度」と「セットプレーの質」にあった。MF田中のアンカーポジションでのボール分配、FWチアゴ・アンドラーデのスピードを活かしたカウンター、FWラファエル・ハットンの決定力が三位一体となった。一方、岡山はMF佐藤とMF加藤のサイド攻撃でチャンスを量産したが、最終ラインの詰めの甘さが課題として残った。

この試合におけるシュート数は両チーム13本。C大阪は5本の枠内シュートに対し、岡山は4本。CK獲得はC大阪5本、岡山6本、ファウル数はC大阪14、岡山12と、数字上でも拮抗した内容だった。しかし、C大阪のGK福井が何度もビッグセーブを記録したことが勝敗の分岐点となった。この勝利でC大阪は今季初白星を手にし、昨年11月以来のホーム勝利を達成。チームの結束力が実を結んだ一戦となった。

DAZN「明治安田生命J1リーグ C大阪 vs 岡山 : 第8節」(2025年4月2日配信)より
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