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「自信なんてなかった」――バレーボール・高橋藍が語る、プレッシャーとの向き合い方

2020年、日本バレーボール界に彗星のごとく現れた高橋藍。今ではSVリーグの顔として注目を集める存在となった彼だが、代表入り当初は「自信なんてなかった」と語る。配信サービス「Lemino」のドキュメンタリー番組『Number TV』では、そんな彼がどのようにプレッシャーと向き合い、自信を育ててきたのかが明かされた。※トップ画像提供/ NTTドコモ Sports Graphic Number

Icon kinggear icon KING GEAR編集部 | 2025/04/09

「代表に入った時、正直ビビっていた」

番組冒頭では、高橋が代表に選出された当時の心境が語られた。春高バレー優勝からわずか1ヶ月での日本代表入り。アンダーカテゴリーでも日の丸を背負ったことがない18歳のフル代表入りは周囲を驚かせた。高橋自身、「もちろん、代表に入りたいって気持ちはあったんです。そこで今戦える自信はなかったですね。内心はビビってました」と語る。周囲には、日本代表キャプテン・石川祐希をはじめとした実力者がそろっていた。コーチから細かく修正を求められる毎日。練習中に自分の力不足を突きつけられ続ける中で、心の底から楽しむ余裕はなかったという。

そんな状況で支えとなったのが、同期として一緒に代表に入った大塚達宣の存在だった。「ストレスをお互いに発散し合っていた」「褒めたり慰め合ったりしていた」と当時を振り返っている。

海外でのポジション変更が与えた“転機”

代表での経験を経て、高橋はさらなる成長を求めてイタリア・セリエAへ挑戦。だが、そこではまた新たな壁に直面した。スパイカーとして結果を出せず、監督からはシーズン途中にリベロへの転向を打診される。「もちろん複雑でした。自分はスパイカーとして来ていたので。でも“何か経験して帰ろう”と思って、『やります』って言いました」と高橋は語る。

リベロとして出場する中で実感したのは、自分自身への信頼の重要性だったという。「自分を強く持っていないと海外では戦えない。そういう意味でも、“自分という選手に自信を持つこと”が大事だと気づかされました」と語っている。

現在の高橋は、国内外の試合で結果を出しながら、着実に“信頼される選手”としての地位を築きつつある。「勇気と信念が世界を変える」という言葉を座右の銘に、さらなる挑戦を続けている。

『NumberTV』 挫折地点~あのとき前を向いた理由~
タイトル:#17 髙橋藍
配信日:2024年9月26日(木)0:00~ 全24回配信(月2回配信予定)
内容: トップアスリートの「挫折」と「復活」をテーマにしたドキュメンタリー番組。過去の写真が飾られた特別な空間(Number Room)で、アスリート本人がこれまでの人生を振り返り、挫折の瞬間や前を向けた理由について語る。

※記事内の情報は配信時点の情報です