Xxx

本田千尋の『フロム・トレーニングセンター』vol.18 ”凱旋”マッツ・フンメルスが履くアディダス『エース レザー BLUE BLAST』  

金子塾卒業生にして、現在はドイツに拠点を置くスポーツライター本田千尋のちょっと変化球な企画。ブンデスリーガのスターはどんな音楽で気持ちを高め、どんなクルマで移動時間に鋭気を養い、そしてどんなスパイクで闘っているのか。トレーニング・センターからのダイレクト・レポートをお伝えします。

Icon img honda600 本田 千尋 | 2017/03/10
2016年の夏、ボルシア・ドルトムントからバイエルン・ミュンヘンに完全移籍。日本のプロ野球に置き換えれば、阪神タイガースから読売ジャイアンツに鞍替えするようなものだ。  

よってその3年前、同様に禁断の移籍を果たしたマリオ・ゲッツェが、ドルトムントに遠征すれば猛烈な罵詈雑言の雨嵐が降り注いだ。  

しかし昨年の11月、フンメルスがアディダス『エース レザー BLUE BLAST』を履いて“凱旋”した時のブーイングは、マリオのそれに比べればあまりに物足りなかった。  


と言うのも、そもそもフンメルスは、バイエルンの下部組織出身者だったからである。  

「僕はバイエルンでフットボールのプレーを学び、ドルトムントでフットボーラーとして成長した」  

フンメルスが公言するように、ドルトムントが10/11シーズンから2季連続でブンデスリーガを制覇し、12/13シーズンにはチャンピオンズリーグの決勝まで辿り着けた背景には、少なからずバイエルン様のお力があった。  

ドルトムントのファンたちも、そのことに対する後ろめたさが少なからずあったのだろう。ブーイングは、いささか控えめなものだった。

 
ちなみにフンメルスはドルトムント時代、スポンサーのオペルからの提供車以外に、プライベートでアウディ【R8 クーペ】を所有していたという。アウディは、バイエルンのスポンサーである。  

610PSの5.2ℓV10エンジンは、直噴(FSI)とポート噴射(MPI)を備えたデュアルインジェクターを採用する【R8 クーペ】。  

車内で〈Taylor Swift〉を聴きながら心躍らせたフンメルスが、バイエルンに想いを馳せながら、ドルトムントの街中を流していたとしても不思議ではない。