U-20 W杯戦士の世界と戦うスパイクVol.15 【大会総括海外編】~ナイキのシェア率の高さが強烈に打ち出された大会でもあった。~
U-20W杯総括海外編、最終回の第5回はこれまで紹介した優勝〜4位チーム以外で目を引いたチームと個人を紹介していきたい。
安藤隆人
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2017/06/16
大会最強チームと言われたフランス代表だったが、決勝トーナメント初戦でイタリアに1−2の敗戦を喫してしまった。
今大会のチームは、今季のヨーロッパチャンピオンズリーグでモナコの大躍進の立役者となったFWキリアン・ムバッペは招集外となったが、リヨンのMFルーカス・トゥサール、パリサンジェルマンのMFクリストファー・ヌクンクと有望株の選手が選ばれていた。
目を引いたのが、左FWのマルクス・テュラム(FCソショー)だ。このチームではムバッペの控えだったが、ムバッペが招集外だったことで、彼がレギュラーの座を掴んだ。
切れ味抜群の突破力と強烈なキックは、かつてフランス代表の名サイドバックだったリリアン・テュラムを彷彿させた。それもそのはずで、彼はリリアン・テュラムの実の息子。左サイドから一瞬のウチにゴール前に走り込んで、ずば抜けた身体能力でゴールを射抜く。
将来的にこのポジションで行くのか、それとも父と同じサイドバックに下がるのか。この点も注目しておきたい逸材だった。
今大会のチームは、今季のヨーロッパチャンピオンズリーグでモナコの大躍進の立役者となったFWキリアン・ムバッペは招集外となったが、リヨンのMFルーカス・トゥサール、パリサンジェルマンのMFクリストファー・ヌクンクと有望株の選手が選ばれていた。
目を引いたのが、左FWのマルクス・テュラム(FCソショー)だ。このチームではムバッペの控えだったが、ムバッペが招集外だったことで、彼がレギュラーの座を掴んだ。
切れ味抜群の突破力と強烈なキックは、かつてフランス代表の名サイドバックだったリリアン・テュラムを彷彿させた。それもそのはずで、彼はリリアン・テュラムの実の息子。左サイドから一瞬のウチにゴール前に走り込んで、ずば抜けた身体能力でゴールを射抜く。
将来的にこのポジションで行くのか、それとも父と同じサイドバックに下がるのか。この点も注目しておきたい逸材だった。
アメリカも前評判は高かったが、準々決勝でベネズエラに1−2で敗れた。
注目を集めたのが、ドイツ代表の英雄であるユルゲン・クリンスマンを父に持つ192cmのGKジョナサン・クリンスマン(UC Berkeley)。
父はドイツ代表で伝説的なエースストライカーを務め、1990年のイタリアW杯で3ゴール、1994年のアメリカW杯で5ゴール、1998年のフランスW杯で3ゴールと、W杯でトータル11ゴールを叩き出している。
現役の晩年の2003年からアメリカのアマチュアクラブのオレンジカントリーでプレーした後に現役引退をした。
さらに父は2011年7月から2016年11月に掛けてアメリカ代表監督を務め、2014年のブラジルW杯出場に導いた(決勝トーナメント初戦で敗退)。
こうした経緯もあり、息子であるジョナサンはアメリカで育ち、U-20アメリカ代表に選出された。
今大会はハイボールの強さと身体能力の高さを駆使し、父とは真逆のポジションで躍動してみせた。
準々決勝でイングランドに0−1で敗れたメキシコも、多くのタレントがいた。右FWのウリエル・アントゥーナ(サントス・ラグナ)は、抜群のボディーバランスを持ち、スルスルとサイドを突破して行く。
噂ではマンチェスター・シティーが狙っており、将来的に化ける可能性を持っている。トップ下に君臨をしたFWロナルド・シスネロス(サントス・ラグナ)は多彩なゴールパターンを持ち、危険なスペースに入り込んで、相手にとって脅威を与えるプレーを見せた。
今大会を見ていて、驚いたのがザンビアの強さだ。
アフリカ予選優勝の実力を見せつけるかのように、抜群の身体能力をフルに発揮し、グループリーグを首位で突破すると、決勝トーナメント初戦ではドイツを乱打戦の末に4−3で下し、ベスト8に進出。
準々決勝でイタリアに2−3で敗れたが、台風の目となった。
U-20アフリカ選手権得点王で、A代表でもあるFWパトソン・ダカ(FCリーフェリンク、オーストリア)が攻撃の要で、切れ味抜群のドリブルを持つ左MFのファッション・サカラ(スパルタク・モスクワ、ロシア)とのホットラインは破壊力抜群。圧倒的なバネと躍動感溢れるアタックで、計5試合で12ゴールをマーク。印象的なチームの一つとなった。
最後に開催国となった韓国は、グループリーグの第1戦、第2戦こそ、連勝をし、国内を盛り上げたが、グループリーグ最終戦ではイングランドに敗れると、決勝トーナメント初戦でポルトガルに3点を先行され、1−3の完敗で大会を去った。
『黄金世代』と呼ばれた今回のチームは、FWイ・スンウとペク・スンホの『バルサコンビ』が大きな注目を集めた。
この2人のホットラインは評判に違わぬ存在感を見せ、個の打開力でもかなり特出していた。さらに1トップのチョ・ヨンウク(高麗大)はパワーとスピードを併せ持ち、足下の技術も高く、ポストプレーとラストパスを駆使して、高い位置で起点となった。この3人が絡む攻撃の破壊力は非常に高かった。
スパイク面に話を向けると、前述したザンビアはグループリーグ最終戦のコスタリカ戦でピッチに立った選手全員がナイキで、交代選手もすべてナイキだった。
これまでアフリカと言えば、プーマのイメージが強かったが、ザンビアのユニフォームはプーマでも、ナイキでもなく、おそらく自国オリジナルのメーカーで(調べたが分からず)、スパイクは全員ナイキだったのには驚いた。
さらにホンジュラスもフランス戦でピッチに立った11人中、GKのジャビアー・デルガド(CDホンジュラス・プログレッソ)がアディダスを履いていた以外は、フィールドプレーヤー全員がナイキだった。
日本以外で、日本のメーカーであるミズノとアシックスを履いている選手を探すと、サウジアラビアにミズノを履いている選手を1人発見した。
サウジアラビアのMFアリ・アルアスマリ(アル・アハリ)はミズノのモレリアNEO2を着用。それ以外のピッチに立つ選手はすべてナイキだった。
全体的に見て、ナイキのシェア率の高さが強烈に打ち出された大会でもあった。
どのチームを見ても大半のシューズがナイキで、中でもマーキュリアルシリーズが1番人気で、続いてハイパーヴェノム、マジスタが人気だった。
次に多かったのがアディダスで、セネガルやホンジュラス、フランスのようにナイキとアディダスのみで占められるチームもあった。
次がプーマだが、筆者が見た限りは少数だった。
そしてミズノ、アンブロ、ニューバランスを見ることが出来た。
どのチームを見ても大半のシューズがナイキで、中でもマーキュリアルシリーズが1番人気で、続いてハイパーヴェノム、マジスタが人気だった。
次に多かったのがアディダスで、セネガルやホンジュラス、フランスのようにナイキとアディダスのみで占められるチームもあった。
次がプーマだが、筆者が見た限りは少数だった。
そしてミズノ、アンブロ、ニューバランスを見ることが出来た。
今回、世界各国のスパイクに注目しながらU-20W杯を見て、また新たな視点でのサッカーの見方をすることが出来た。
それは筆者にとって非常にポジティブで、今後のジャーナリスト活動にもプラスになるものであった。今後もこのような視点を持って、日本サッカー、世界のサッカーを見て行きたいと思う。
【アメリカ注目選手、スパイク一覧】
①ジョナサン・クリンスマン(UCバークレイ)、アディダス・不明
【フランス注目選手、スパイク一覧】
⑧ルーカス・トゥサール(リヨン)、ナイキ・マジスタオーデン
⑨クリストファー・ヌクンク(パリサンジェルマン)、不明
⑪マルクス・テュラム(FCソショー)、ナイキ・マーキュリアル
⑭アミネ・ハリト(ナント)、アディダス・エックス
【メキシコ注目選手、スパイク一覧】
⑦ウリエル・アントゥーナ(サントス・ラグナ)、ナイキ・マーキュリアルヴィクトリー
⑨ロナルド・シスネロス(サントス・ラグナ)、アディダス・エックス
【ザンビア注目選手、スパイク一覧】
⑩ファッション・サカラ(スパルタク・モスクワ、ロシア)、ナイキ・マーキュリアルビクトリー
⑳パトソン・ダカ(FCリーフェリンク、オーストリア)、ナイキ・マーキュリアル
【韓国注目選手、スパイク一覧】
⑨チョ・ヨンウク(高麗大)、プーマ・エヴォパワー
⑩イ・スンウ(バルセロナ、スペイン)、アディダス・エックス
⑭ペク・スンホ(バルセロナ、スペイン)、アディダス・エックス