アンダーアーマー・ランニングシューズ開発リーダーが語るDNA vol.1「足入れに対しては特にこだわっていて独創的な作り方をしています。」
アンダーアーマーランクルーイベントで一緒に走ったアンダーアーマー・ジャパン(株式会社ドーム)シューズ開発担当リーダーの松原氏にランニングシューズについて説明をしていただいた。
佐久間秀実
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2017/07/31
アンダーアーマーは揺るぎないアスリートを進化させるという1つの約束のもとに存在し、それは、情熱、デザインへの飽くなき追及によって持続している。
創業者ケビン・プランクが世の中になかった体にフィットし、速乾性を持ち、そして体温に負けずに涼しく筋肉をサポートするようなアンダーウェアを発明したことから始まり、ランニングシューズでもパフォ―マンスを上げ、ライバルに差を付け勝負に勝つことをサポートし続けている。
――まず、ランニングシューズ開発に携わるキッカケから教えていただけますか。
松原:前職は別のスポーツブランドにいました。元々陸上競技で100m走をやっていて学生の時に履いているスパイクに対して少し不満があり、ここを直したほうが良いとメーカースタッフに言っていたら自分でやってみてはどうかなと言うことになり、それでシューズ開発の仕事をするようになりましたね。
――どういったシューズの開発から始めたのですか
松原:最初に手掛けたのはランニングシューズと陸上スパイクですね。その後、様々なカテゴリーやトップアスリート向けシューズも担当しました。
今の株式会社ドームに入った時は、まだシューズ事業を立ち上げる前で、基本的にアメリカ本社と連携しながら野球の開発からスタートしました。
その後にランニングシューズの日本向けラスト、サッカースパイクの開発、選手用等を担当してきました。
――開発するにあたり大変だったことはありますか。
松原:大変だったことは沢山ありましたが、逆に色々経験させてもらって嬉しかったですね。競技によって作るシューズも全然違いますからね。
――嬉しかったことは、どういったときですか。
松原:選手や一般の人達がアンダーアーマーのシューズを使ってくれると嬉しいですね。特にトップアスリートがシューズを使って結果を出したとか、身近でも一般の人がシューズを使ってマラソンを完走したとかを聞いた時に、開発に携わってきて良かったと思います。
――商品化されるまで色々試しますか。
松原:テストサンプルを開発し、アスリートによるテストを繰り返していきます。ちょうど今、来年の秋冬に展開予定のサッカースパイクのテストも日本の「いわきFC」で行いリサーチしているところです。
――日本人用のスパイクもありますか。
松原:もちろん、あります。グローバル向けのモノと日本市場向けのモノでテストを行っています。サッカーに関しては、フォワードであればずっと走っているというよりは本当にピンポイントでボールに速く辿り着かなければならないので陸上短距離のスパイクに近いコンセプトをもつモノとなりますね。
いかにして時速40km近くを出せるかということでスピードに乗った時に求められるフィットというのが全然ぶれないことが求められます。瞬間的にボールに一直線に、そしてアジリティも併せて必要です。最大限にスピードを出すならタイトなフィットが必要となりますね。
でも、90分間ずっと走り続けている選手もいます。距離にすると12~15km。普通に考えたらランニングシューズが欲しいですよね。
ランナビリティ、クッション性も当然ですが、長時間快適なフィットも必要ですよね。同じサッカーでもプレーヤーの動き、ニーズに沿ってシューズは開発されており、そのコンセプトによっては搭載する機能も全く変わってきます。ボールの扱い方も違えばグリップ性も変わりますね。
エウロパ(MEN)
ジェミニ3(MEN)
ベロシティ(MEN)
――スピードフォームシリーズの特徴を教えていただけますか。
松原:スピードフォ-ムには、今回、代表的な3タイプの「エウロパ」、「ジェミニ3」、「ベロシティ」があります。
ミッドソールはチャージドクッションを採用。衝撃吸収性と反発性の相反する特性を両立し、常にベストなバランスで最適なクッションコントロールできる特徴を持っています。
先ほどのランイベントで(著者が)履いた「エウロパ」はチャージドクッショニングに加え、踵内側のスタビライザーによりスタビリティ(安定性)が重視されています。
例えば、ランニングモーションにおいてプロネーションが強い等により足がぶれるのを防ぐなら「エウロパ」、最もクッション性がある「ジェミニ3」、もっとダイレクトに蹴ってスピードを出したいというのであれば「ベロシティ」と、同じスピードフォ−ムで3種類を展開しています。
スピードフォームは、アンダーアーマーのギアに対するDNAというのがフィットに注力しているという考えから由来しています。
足入れに対しても特にこだわっていて独創的な作り方をしています。
今日(著者が)履かれたエウロパも中敷きがなく、中に縫い目もありません。立体的に踵を包み込み、女性のスポーツブラと同じような要素を持っているので、その構造と工程を応用しています。
vol.2に続く。
http://king-gear.com/articles/449
アンダーアーマーブランドハウス有明
http://www.underarmour.co.jp/uach/ariake.php
アンダーアーマー
http://www.underarmour.co.jp/
創業者ケビン・プランクが世の中になかった体にフィットし、速乾性を持ち、そして体温に負けずに涼しく筋肉をサポートするようなアンダーウェアを発明したことから始まり、ランニングシューズでもパフォ―マンスを上げ、ライバルに差を付け勝負に勝つことをサポートし続けている。
――まず、ランニングシューズ開発に携わるキッカケから教えていただけますか。
松原:前職は別のスポーツブランドにいました。元々陸上競技で100m走をやっていて学生の時に履いているスパイクに対して少し不満があり、ここを直したほうが良いとメーカースタッフに言っていたら自分でやってみてはどうかなと言うことになり、それでシューズ開発の仕事をするようになりましたね。
――どういったシューズの開発から始めたのですか
松原:最初に手掛けたのはランニングシューズと陸上スパイクですね。その後、様々なカテゴリーやトップアスリート向けシューズも担当しました。
今の株式会社ドームに入った時は、まだシューズ事業を立ち上げる前で、基本的にアメリカ本社と連携しながら野球の開発からスタートしました。
その後にランニングシューズの日本向けラスト、サッカースパイクの開発、選手用等を担当してきました。
――開発するにあたり大変だったことはありますか。
松原:大変だったことは沢山ありましたが、逆に色々経験させてもらって嬉しかったですね。競技によって作るシューズも全然違いますからね。
――嬉しかったことは、どういったときですか。
松原:選手や一般の人達がアンダーアーマーのシューズを使ってくれると嬉しいですね。特にトップアスリートがシューズを使って結果を出したとか、身近でも一般の人がシューズを使ってマラソンを完走したとかを聞いた時に、開発に携わってきて良かったと思います。
――商品化されるまで色々試しますか。
松原:テストサンプルを開発し、アスリートによるテストを繰り返していきます。ちょうど今、来年の秋冬に展開予定のサッカースパイクのテストも日本の「いわきFC」で行いリサーチしているところです。
――日本人用のスパイクもありますか。
松原:もちろん、あります。グローバル向けのモノと日本市場向けのモノでテストを行っています。サッカーに関しては、フォワードであればずっと走っているというよりは本当にピンポイントでボールに速く辿り着かなければならないので陸上短距離のスパイクに近いコンセプトをもつモノとなりますね。
いかにして時速40km近くを出せるかということでスピードに乗った時に求められるフィットというのが全然ぶれないことが求められます。瞬間的にボールに一直線に、そしてアジリティも併せて必要です。最大限にスピードを出すならタイトなフィットが必要となりますね。
でも、90分間ずっと走り続けている選手もいます。距離にすると12~15km。普通に考えたらランニングシューズが欲しいですよね。
ランナビリティ、クッション性も当然ですが、長時間快適なフィットも必要ですよね。同じサッカーでもプレーヤーの動き、ニーズに沿ってシューズは開発されており、そのコンセプトによっては搭載する機能も全く変わってきます。ボールの扱い方も違えばグリップ性も変わりますね。
エウロパ(MEN)
ジェミニ3(MEN)
ベロシティ(MEN)
――スピードフォームシリーズの特徴を教えていただけますか。
松原:スピードフォ-ムには、今回、代表的な3タイプの「エウロパ」、「ジェミニ3」、「ベロシティ」があります。
ミッドソールはチャージドクッションを採用。衝撃吸収性と反発性の相反する特性を両立し、常にベストなバランスで最適なクッションコントロールできる特徴を持っています。
先ほどのランイベントで(著者が)履いた「エウロパ」はチャージドクッショニングに加え、踵内側のスタビライザーによりスタビリティ(安定性)が重視されています。
例えば、ランニングモーションにおいてプロネーションが強い等により足がぶれるのを防ぐなら「エウロパ」、最もクッション性がある「ジェミニ3」、もっとダイレクトに蹴ってスピードを出したいというのであれば「ベロシティ」と、同じスピードフォ−ムで3種類を展開しています。
スピードフォームは、アンダーアーマーのギアに対するDNAというのがフィットに注力しているという考えから由来しています。
足入れに対しても特にこだわっていて独創的な作り方をしています。
今日(著者が)履かれたエウロパも中敷きがなく、中に縫い目もありません。立体的に踵を包み込み、女性のスポーツブラと同じような要素を持っているので、その構造と工程を応用しています。
vol.2に続く。
http://king-gear.com/articles/449
アンダーアーマーブランドハウス有明
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アンダーアーマー
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