速く走るための全てが込められたランニングシューズ!ミズノ『ウエーブエンペラー 3』とは。
ミズノ(ミズノ株式会社:代表取締役 水野明人)は、これまでランナーにとって走りやすい数多くのランニングシューズを生み出してきている。フルマラソンで3時間前半よりも速いタイムを打ち出すために開発された「ウエーブエンペラー 3」とは、一体どのようなシューズなのか!?企画担当者に話を伺った。
佐久間秀実
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2017/12/01
「ウエーブエンペラー 3」
ウエーブエンペラーシリーズは2015年12月にデビューをし、現在のモデルが3代目となっている。コンセプトは速く走ることで、ターゲット層はフルマラソンで3時間前半のタイムを狙うランナーや部活生が練習でスピードを出すときに使えるようになっている。
「ウエーブエンペラー ジャパン 3」
兵庫県宍粟市山﨑町にあるミズノテクニクス株式会社山崎ランバード工場にいるクラフトマンが非常に薄く、柔らかい素材を用いて仕上げている。そのため、フィット性、軽量性、グリップ性等の全てにおいて優れている日本製のシューズとなり、マラソンで2時間台を出すランナーや駅伝選手も愛用している。
ミズノ株式会社
グローバルフットウエアプロダクト本部
企画・マーケティング部 ランニング企画課
中村和裕氏
――まず、エンペラーと名付けた経緯から教えていただけますか。
中村:我々の持論でありますが、速く走るための靴は色々なパーツを削ぎ落としたものだと思っています。例えば、クッション性、安定性等の身体を守る機能というものはある程度少なくして、スピードを出して走れる機能のみを追求し、「王道を超えたシューズを作ろう」と考えている内に皇帝が思い付きまして、「エンペラー」と言う名前に決定しました。
――どのような機能性を備えていますか。
中村:踵のソール部分に、ミズノウエーブと言う波型の樹脂を入れることによって、横にズレにくくスピードを出しても安定していまして、しっかりとしたクッション機能もあり優れていますね。
アウトソールもポイントでして、一般的なランニングシューズとは違って非常に硬いG3という特殊な樹脂を使うことで、グリップが効きやすくなっています。そして、ソールの前足部が3つに分かれているのも特長となります。人間は走る時に足を外側から着いて、内側で力を溜めて前に蹴り出しますが、スピードが速ければ速いほど踵を着かなくなるんです。
接地時に最も圧力がかかる外側は、1つ1つのブロックを大きくして受け止めやすくし、耐久性が高くなるように設計しています。内甲部は人により擦り減る部分も違ってくるので、高さを変えた意匠を配置することで、擦り減ってもグリップ性と耐久性を保てるように、長く履き続けられるようにしています。
最後に蹴り出す先端部分は、走っている時に抜けていくだけなので、耐久性よりも地面を掴んで前に進める程度に密度を下げ、軽さを追求していますね。
――フィッティングに関しては、いかがですか。
中村:今回一番こだわったのは、フィット性、足に合わせるシューズを目指しました。日本人の足の形は、幅広、偏平足、細め、太め、甲高など様々ですし、外反母趾で悩まれる女性もいますね。靴を履くとなかなかフィットしなく走ると力が入らない方もいるので、どのような足にでも合わせられる靴にしようと開発しました。
靴紐を通す最前部分を従来のランニングシューズよりも、もう1つ前にして前足部の幅を調整してよりフィットできるようにしています。
また、踵の幅が調整ができるようにしています。ミズノが1番大切に考えている踵には、足にフィットするようにヒールカウンターと言う硬いものを入れています。黒色の人工皮革のベルトが外側と内側からシューレースまで伸びて連動していまして、ヒールカウンターから前にグッと締めることで足幅に関わらずフィットするので、走っている時に踵がズレにくい構造となっていますね。
――完成までに、どれだけの期間がかかりましたか。
中村:製品化までに2年程となりますね。どうすれば踵をしっかりとおさめつつ、走っている時に痛くならないようになるかと、何度も何度もテストを繰り返しましたね。
――今後、どのように展開をしていきますか。
中村:まずは、自分の足が靴に合わないとお悩みになられる方に是非一度試しに履いていただきたいですね。今後も、よりフィットするシューズ作りをしていけるように進化していきたいと思います。 (了)
ミズノ・ウエーブエンペラー3
http://www.mizuno.jp/running/waveemperor3/
取材協力/ミズノ株式会社
写真提供/ミズノ株式会社
取材写真/佐久間秀実