“Jリーグ内定者”の現役高校生がスパイクへのこだわりを語りつくす! Vol.5 山口竜弥(東海大相模)、中村駿太(青森山田) 編
今年も残すところあと僅か。高校3年生にとっても、3年間を締めくくる時期に差し掛かって来た。残る大きな公式戦はユース年代で言うと、第96回全国高校サッカー選手権大会となった。 今年の高校サッカーにおいて、J1・J2チームに入団が内定した選手は、現時点で21名。長崎総合科学大附属のFW安藤瑞季もプロ入り濃厚とされており、彼が決まれば、合計22名となる。 今回はこの中から10名をピックアップし、その選手のプレーの特徴とスパイクへのこだわりを聞いてみた。
安藤隆人
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2017/12/29
山口竜弥(東海大相模→ガンバ大阪入団内定、DF、ミズノ・モレリアネオ)
全国的には無名の左サイドバックは、高校進学時にいくつものオファーがある中で、まだ全国大会に出たことが無い東海大相模に進学した。
「やっているサッカーが凄く面白くて、選手の自主性を重んじる雰囲気だった。それに僕は格上のチームに挑んで倒して行く方が好きだった。」
固い決意のもと、東海大相模の門を叩くと、左サイドバックとしての能力をメキメキと伸ばして行った。
もともとスピードと持久力には自信があり、サイドを絶え間なくアップダウンするプレースタイルだった。そこに動きながらのパスや、クロスの質、そして1対1の強さなどが高校に入ってから磨かれた。
「攻撃的な仕掛けはもちろん重要ですが、大事なのは守備で、相手に簡単に突破を許さない。クロスを上げさせないことはかなり意識しました。」
攻守両面で効果的な働きが出来るようになった彼は、今年に入り「神奈川に凄まじいサイドバックがいる」と噂されるようになった。
そして、インターハイ予選では快進撃を見せて、一気に神奈川を制し、インターハイ初出場を果たした。左サイドから爆発的なスプリントで、30m、40mとボールを運び、チャンスを演出するだけでなく、しっかりと戻りきって守備のハードワークをこなす。
この活躍が認められ、U-18日本代表候補に選ばれると、Jスカウトの目にもとまり、来季のガンバ大阪入団内定を勝ち取った。
選手権予選は準々決勝で三浦学苑に0−3で敗れ、高校ラストゲームとなったプリンスリーグ関東参入決定戦では、矢板中央に3−1から逆転を許して3−4で敗れるなど、悔しい終わり方となってしまった。
しかし、「東海大相模で学んだ3年間をプロで活かして、また下から上へ這い上がって行きたい」と新たなモチベーションを持って、プロの世界での『下克上』を誓った。
◎スパイクインタビュー
山口:モレリア・ネオを履いているのですが、一番動きやすいと言うか、スピードが出やすいと言う印象が一番にあります。今までスピードが出るスパイクを沢山履いて来たのですが、僕はそれプラス蹴りやすさを重要視しています。
僕の特徴はスピードなのですが、それを満たすスパイクは沢山あっても、その上に蹴りやすさやグリップ力が欲しいんです。
ーー蹴りやすいスパイクのポイントとは何ですか?
山口:軽いものが良いんです。ちょっとでも重く感じると、ちょっと違和感を覚えてしまうので。プーマのエヴォスピードやナイキのマーキュリアル、アシックスのメナスを履いたのですが、すべて走りやすいのですが、キックの感覚がちょっと違ったんです。
エヴォスピードはちょっと重く感じて、マーキュリアルは僕の幅が広い足にはパンパン過ぎて、ハイカットもかかとがズレちゃうんです。メナスは軽かったのですが、キックの感触が良くなかったんです。
(※以下・動画参照)
中村駿太(青森山田→モンテディオ山形、FW、ナイキ・ハイパーヴェノム3)
今年3月の柏レイソルU-18から青森山田への電撃転入は、多くの関係者を驚かせた。小学校時代から『和製ロナウド』と呼ばれ、全日本少年サッカー大会においては最多得点記録を塗り替えて、優勝に輝いた。
柏U-18でも1年時から出番を掴み、昨年はU-19日本代表の一員として初のAFCU-19選手権制覇に大きく貢献をした。まさにこの世代の顔の一人だった彼が、青森山田にやってくるのだから、その衝撃の大きさは分かるだろう。
青森に来てからは、徹底的に守備とフィジカル、そして走力を磨かれた。
前線でハードワークを厭わず、チャンスとあればゴール前で決定的な仕事をする。春先はゴールを量産し続けたが、ここ最近はゴールから遠ざかっている。
「ここまで点が獲れていないのは初めて」
本人は語るが、前線での献身性、スプリント回数、そしてゴール前の迫力は間違いなく成長しており、あとは結果が出ればすべてが好転する状態に仕上がっている。
いまはただ『産みの苦しみ』を味わっているに過ぎない。
青森山田として最初で最後の選手権までには、きっちりと結果を残せるストライカーに戻っていることは間違いないだろう。それだけのポテンシャルは持っている。
そして、これを実現させた時、次なるステージであるモンテディオ山形でも、早い段階で輝けるようになるだろう。すべては今の過ごし方に懸かっている。
◎スパイクインタビュー
中村:ハイパーヴェノム3はソールのポイントの部分が気に入っています。アウトサイドが歯形のポイントで、内側が丸ポイントなので、切り返しがスムーズなんです。
足とスパイクが一つになった状態で重心移動が出来る。天然芝でも人工芝でも使えるのも魅力です。スパイクの構造がすべてくっついて出来ているので、スパイクを履くまでは苦労しますが、履いたらすぐに足に密着するので、凄くフィット感がありますね。
ーーハイカットでは無いですね。
中村:ローカットにしているのは、先にそれを履いたので、それがフィットしてハイカットする必要が無かったんです。
ーースパイク選びの重要ポイントはどこでしょうか?
中村:まずは軽さです。後は履いたときの新品でも普通にはける感覚ですね。1度も使ったことが無いスパイクなのに、すぐにフィットするスパイクは安心感があって好きです。ハイパーヴェノム3はそれがあるんです。
今まで新しいスパイクを履くと、第5中足骨が痛くなることがあったのですが、ハイパーヴェノム3を履いてからはそれが無くなった。マーキュリアルを試したけど、ちょっと横幅に窮屈さを感じて、ポイントがあまり高過ぎて、逆にグリップが利きすぎて逆に靴擦れをしたので、ちょうどいいのがハイパーヴェノム3でした。
ハイパーヴェノム3はよりストライカーのために特化したスパイクで、レバンドフスキ(バイエルン・ミュンヘン)やカバーニ(パリサンジェルマン)、大久保嘉人(FC東京)も履いているのも魅力です。あと、人工皮革であんまり伸びないのがいいです。僕は堅い方がぴたっとしていていいんです。
天然皮革で徐々に足に馴染んだ方が良いという選手もいますが、僕は毎日毎日同じスパイクを履いて、皮が伸びて足に隙間が出来るのが嫌なので、同じハイパーヴェノム3を3足用意して、1足ずつローテーションして履くようにしています。そうすれば広がらないし、スパイクを長く使うことが出来る。
2日置けば、スパイクは元に戻る感覚があって、2日ぶりに履くとぴたっとするんです。
ーーかなり細かいところまで意識をしていますね。スパイクへのこだわりは相当強いんですね。
中村:僕はかなりスパイクには敏感だと思いますね。サッカー選手にとって、物凄く大事なものですから。
全国的には無名の左サイドバックは、高校進学時にいくつものオファーがある中で、まだ全国大会に出たことが無い東海大相模に進学した。
「やっているサッカーが凄く面白くて、選手の自主性を重んじる雰囲気だった。それに僕は格上のチームに挑んで倒して行く方が好きだった。」
固い決意のもと、東海大相模の門を叩くと、左サイドバックとしての能力をメキメキと伸ばして行った。
もともとスピードと持久力には自信があり、サイドを絶え間なくアップダウンするプレースタイルだった。そこに動きながらのパスや、クロスの質、そして1対1の強さなどが高校に入ってから磨かれた。
「攻撃的な仕掛けはもちろん重要ですが、大事なのは守備で、相手に簡単に突破を許さない。クロスを上げさせないことはかなり意識しました。」
攻守両面で効果的な働きが出来るようになった彼は、今年に入り「神奈川に凄まじいサイドバックがいる」と噂されるようになった。
そして、インターハイ予選では快進撃を見せて、一気に神奈川を制し、インターハイ初出場を果たした。左サイドから爆発的なスプリントで、30m、40mとボールを運び、チャンスを演出するだけでなく、しっかりと戻りきって守備のハードワークをこなす。
この活躍が認められ、U-18日本代表候補に選ばれると、Jスカウトの目にもとまり、来季のガンバ大阪入団内定を勝ち取った。
選手権予選は準々決勝で三浦学苑に0−3で敗れ、高校ラストゲームとなったプリンスリーグ関東参入決定戦では、矢板中央に3−1から逆転を許して3−4で敗れるなど、悔しい終わり方となってしまった。
しかし、「東海大相模で学んだ3年間をプロで活かして、また下から上へ這い上がって行きたい」と新たなモチベーションを持って、プロの世界での『下克上』を誓った。
◎スパイクインタビュー
山口:モレリア・ネオを履いているのですが、一番動きやすいと言うか、スピードが出やすいと言う印象が一番にあります。今までスピードが出るスパイクを沢山履いて来たのですが、僕はそれプラス蹴りやすさを重要視しています。
僕の特徴はスピードなのですが、それを満たすスパイクは沢山あっても、その上に蹴りやすさやグリップ力が欲しいんです。
ーー蹴りやすいスパイクのポイントとは何ですか?
山口:軽いものが良いんです。ちょっとでも重く感じると、ちょっと違和感を覚えてしまうので。プーマのエヴォスピードやナイキのマーキュリアル、アシックスのメナスを履いたのですが、すべて走りやすいのですが、キックの感覚がちょっと違ったんです。
エヴォスピードはちょっと重く感じて、マーキュリアルは僕の幅が広い足にはパンパン過ぎて、ハイカットもかかとがズレちゃうんです。メナスは軽かったのですが、キックの感触が良くなかったんです。
(※以下・動画参照)
中村駿太(青森山田→モンテディオ山形、FW、ナイキ・ハイパーヴェノム3)
今年3月の柏レイソルU-18から青森山田への電撃転入は、多くの関係者を驚かせた。小学校時代から『和製ロナウド』と呼ばれ、全日本少年サッカー大会においては最多得点記録を塗り替えて、優勝に輝いた。
柏U-18でも1年時から出番を掴み、昨年はU-19日本代表の一員として初のAFCU-19選手権制覇に大きく貢献をした。まさにこの世代の顔の一人だった彼が、青森山田にやってくるのだから、その衝撃の大きさは分かるだろう。
青森に来てからは、徹底的に守備とフィジカル、そして走力を磨かれた。
前線でハードワークを厭わず、チャンスとあればゴール前で決定的な仕事をする。春先はゴールを量産し続けたが、ここ最近はゴールから遠ざかっている。
「ここまで点が獲れていないのは初めて」
本人は語るが、前線での献身性、スプリント回数、そしてゴール前の迫力は間違いなく成長しており、あとは結果が出ればすべてが好転する状態に仕上がっている。
いまはただ『産みの苦しみ』を味わっているに過ぎない。
青森山田として最初で最後の選手権までには、きっちりと結果を残せるストライカーに戻っていることは間違いないだろう。それだけのポテンシャルは持っている。
そして、これを実現させた時、次なるステージであるモンテディオ山形でも、早い段階で輝けるようになるだろう。すべては今の過ごし方に懸かっている。
◎スパイクインタビュー
中村:ハイパーヴェノム3はソールのポイントの部分が気に入っています。アウトサイドが歯形のポイントで、内側が丸ポイントなので、切り返しがスムーズなんです。
足とスパイクが一つになった状態で重心移動が出来る。天然芝でも人工芝でも使えるのも魅力です。スパイクの構造がすべてくっついて出来ているので、スパイクを履くまでは苦労しますが、履いたらすぐに足に密着するので、凄くフィット感がありますね。
ーーハイカットでは無いですね。
中村:ローカットにしているのは、先にそれを履いたので、それがフィットしてハイカットする必要が無かったんです。
ーースパイク選びの重要ポイントはどこでしょうか?
中村:まずは軽さです。後は履いたときの新品でも普通にはける感覚ですね。1度も使ったことが無いスパイクなのに、すぐにフィットするスパイクは安心感があって好きです。ハイパーヴェノム3はそれがあるんです。
今まで新しいスパイクを履くと、第5中足骨が痛くなることがあったのですが、ハイパーヴェノム3を履いてからはそれが無くなった。マーキュリアルを試したけど、ちょっと横幅に窮屈さを感じて、ポイントがあまり高過ぎて、逆にグリップが利きすぎて逆に靴擦れをしたので、ちょうどいいのがハイパーヴェノム3でした。
ハイパーヴェノム3はよりストライカーのために特化したスパイクで、レバンドフスキ(バイエルン・ミュンヘン)やカバーニ(パリサンジェルマン)、大久保嘉人(FC東京)も履いているのも魅力です。あと、人工皮革であんまり伸びないのがいいです。僕は堅い方がぴたっとしていていいんです。
天然皮革で徐々に足に馴染んだ方が良いという選手もいますが、僕は毎日毎日同じスパイクを履いて、皮が伸びて足に隙間が出来るのが嫌なので、同じハイパーヴェノム3を3足用意して、1足ずつローテーションして履くようにしています。そうすれば広がらないし、スパイクを長く使うことが出来る。
2日置けば、スパイクは元に戻る感覚があって、2日ぶりに履くとぴたっとするんです。
ーーかなり細かいところまで意識をしていますね。スパイクへのこだわりは相当強いんですね。
中村:僕はかなりスパイクには敏感だと思いますね。サッカー選手にとって、物凄く大事なものですから。