ランナーの気持ちを知る為にサブ4を目指す事になった中年「第8走:与えられた2分の宿題」
なぜ42.195㎞を走るのか?何が楽しいのか?フルマラソン未経験者の私には全く理解できない。周囲の友人達がマラソンを始め、更にその謎は深まるばかり。第8走は大阪マラソン当日の話や次の目標の話などです。
菊池 康平
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2018/02/27
<第7走はこちら>
東京マラソンを見ていると大阪マラソンでの苦しさや、走った後の喜びの気持ちがフラッシュバックした。
実際に42.195Kmを走ったからこそ、日本新記録を出した設楽悠太選手の超人さがよりわかる。自身が全力疾走しても数百メートル、いや数メートルしかついていけないスピードで走っている。
そういえば大阪マラソンの結果をKING GEARのコラムに書いていなかったなと気づく。Facebookなどに記録や感想を書いたのでコラムにも書いた気になっていた。。
昨日のことのように覚えている当時の話を綴ろう。(まずは第7走を見返してください)
一緒に練習をしてもらっていた山村隆太(flumpool)やSEIYA(JARNZΩ)よりも一足早く大阪入りをしていた。混まないうちにゼッケンなどを手に入れようと大阪マラソンエキスポの会場へ。
巨大なミズノのシューズやマラソンに関する商品の展示や販売だらけだ。
あの川内三兄弟の末っ子の川内鴻輝さんにも!鴻輝さんは現在、株式会社K・Kスポーツの社長をされているそうだ。
走りながら飲むゼリーやサプリを入れるためにウェストポーチを購入! ゼリーなどは予め東京で購入!
未知の42.195Kmを完走するためにも栄養補給が肝心だ。
そして翌日(大阪マラソン前日)にSEIYAも合流!
2時間45分を切る目標をたてているeyeron師匠にも会った。
そんなこんなで日も暮れ、翌朝の大阪マラソンに備え、大会前の最後の晩餐をSEIYAとすることに。大角コーチから「うな丼は良いよ」と言われたことを思い出し、うな丼を食べれる店を探す。
これが大変だった。かなり歩き回り、うな丼のパワーより足に疲労が残りそうで諦めようかと思った矢先に、ようやくそば屋的な店を発見!うな丼もある。
ウナギが少なめのうな丼も食べ、思い残すことなく就寝した。が眠れない。眠れないことは滅多にないのだが、42.195Kmという未知の長距離を走るためには「たくさん寝ておかなければ!」と自分自身にプレッシャーをかけて結局眠れず。
マラソンのスタート時間を逆算してAM5時に朝食会場へ。福岡でのライブ終わりで移動してきた隆太くんも合流。「一睡もできなかった」と眠そうな模様。「俺も」とは言えなかった。。
バスに乗りスタート前の控室へ。
トイレも済ませてスタートを待つ。
入れて頂いたTEAM KIAIで集合写真を撮りいよいよスタート!
一緒に練習をしてきて目標タイムも恐らく同じくらいの隆太くんとSEIYAについていくことにした。
スタートして数メートルでアクシデントが発生した。早速トイレに行きたくなったのだ。数百メートルおきにあるトイレの空き状況をチェックしながら走る。もはやトイレしか目に入って来ない状態だ。
写真=オールスポーツコミュニティー
練習の時と同様に3人で話しながら走っていた。
隆太「スタートしてからトイレの話しかしてないじゃないですか!なんか僕も行きたくなってきそうなんでやめてください(笑)」
SEIYA「手遅れです。ガチで僕もトイレに行きたくなってきました。康平さんが行く時に俺も行くので言ってください!」とのこと。
SEIYAごめん(笑)
もうひとつアクシデントが発生した。スタートしてから4Km地点くらいで隆太くんから「康平さんの時計では1Km何分のペースで走っていると出てますか?」
トイレしか見ていなかったので久々に時計を見ると、なんと万歩計モードになっていた。
そのことを伝えると、周囲のランナーも振り返るほどのツッコミが入った。「なんでやねん!」と。
これでトイレの話は別としてどのくらいのペースで自分が走っているのかわからなくなった。これで是が非でも隆太&SEIYAについていかないといけなくなった。
大阪マラソンのチャリティーアンバサダーを務める隆太くんの沿道の応援は凄く多く「りゅ~た~!頑張って!!」などの声援を受けると隆太くんの走るスピードが2割くらい増す。
ハイタッチに応えるときも同様だ。漏れそうな自身にはこのスピードの緩急が身体にしみた。
写真=オールスポーツコミュニティー
遂に15Km付近であまり並んでいないトイレを発見!SEIYAと飛び込む。 あまり並んでいないといえども5分弱くらいはロスタイムとなった。
隆太くんに追いつく為の苦しい時間帯が続いた。歩数しかわからないのでSEIYAに「今どのくらいのペース?」と聞くと「ヤバいっす。キロ4分半くらいです」とのこと。※キロ⇒1Kmあたり
明らかにオーバーペースだ。スタートからゴールまでキロ5分30秒~40秒くらいの一定ペースでサブ4を狙うような作戦だったからだ。
20Km地点付近で隆太くんに追いつき合流。しばらくは話したり、気を紛らわすために「しりとり」などをして走っていたが、30Km地点くらいでSEIYAに異変が生じた。
「足がつりそうだから自分のペースでいきます。また追いつきます!」とのこと。自身にとって30Kmからは未知の世界だ。SEIYAの離脱もあり緊張感が出てきた。
しかし、隆太くんはスタート地点から今まで沿道の歓声には可能なものには全て応え笑顔で走っている。普通に凄いな!と感じその背中を見失わないようについていく。
必死についていっていたが、35Km 付近で左足のもも裏がつってしまった。隆太くんの背中がはるか彼方に離れていった。歩きながら「ここで終わりか?」とも思ったが、今もずっと声援に応えながら走っている隆太くんの背中を見て「負けられん!」とまずは足を伸ばした。
トイレを恐れて給水をあまりしていなかったなと思い、水を飲み全身にもかけてみた。ポシェットに入っていたサプリをここぞとばかりに飲んだ。つっているので時すでに遅しかもしれないが。
写真=オールスポーツコミュニティー
左足を引きずりながら走りどうにか追いつく。しかし39Km 付近で逆の足である右足のもも裏がつってしまった。「フルマラソン半端ない!」歩きながら何度そう思ったことか。
左足をつった時と同じく水をぶっかけ、持参していた最後のゼリーを飲み追いかけた。 少しでも体勢をずらしたら両足つりそうで、変な走り方をしながら追いつく。
最後の2Kmは再度つる恐怖との戦いだった。そんな文字通り満身創痍で前に身体を運んでいるという中、一緒に走っている隆太くんはスタート時と同様に声援に「ありがとう!」と声を出して応えている。ハンパない。
ゴールまで残り数百メートルの地点から4:01の文字が見えた。サブ4の目標が叶わなかった瞬間だ。再度つることはなくゴール!ネットタイムで4時間2分14秒という記録であった。
写真=オールスポーツコミュニティー
大袈裟かもしれないが、トイレに行ったり、つって諦めようかという気持ちが芽生えたり、人生と同じようにこの42.195Kmの中には色々な喜怒哀楽があった。
終わった直後の感想は「すごく苦しかったけど楽しかった」というものであった。
そして目標に2分届かなかったという悔しさと。
ポシェットにしまっていたiPhoneを見たら 「完走おめでとうございます!3月4日に立川でハーフマラソンの大会があるので出ましょう!」とnikoand ...のディレクターの小林さんからLINEが入っていた。
ランナーズハイになっていたので、ハーフなら楽勝でしょ!と思い「出ます!」と返信した。翌朝にボロボロになった身体で読み返し、ノリで返答したことに後悔した。
ということで3月4日の立川シティーハーフマラソンに出ます。
第9走につづく
表紙写真提供:オールスポーツコミュニティー http://allsports.jp/event/00483943.html
東京マラソンを見ていると大阪マラソンでの苦しさや、走った後の喜びの気持ちがフラッシュバックした。
実際に42.195Kmを走ったからこそ、日本新記録を出した設楽悠太選手の超人さがよりわかる。自身が全力疾走しても数百メートル、いや数メートルしかついていけないスピードで走っている。
そういえば大阪マラソンの結果をKING GEARのコラムに書いていなかったなと気づく。Facebookなどに記録や感想を書いたのでコラムにも書いた気になっていた。。
昨日のことのように覚えている当時の話を綴ろう。(まずは第7走を見返してください)
一緒に練習をしてもらっていた山村隆太(flumpool)やSEIYA(JARNZΩ)よりも一足早く大阪入りをしていた。混まないうちにゼッケンなどを手に入れようと大阪マラソンエキスポの会場へ。
巨大なミズノのシューズやマラソンに関する商品の展示や販売だらけだ。
あの川内三兄弟の末っ子の川内鴻輝さんにも!鴻輝さんは現在、株式会社K・Kスポーツの社長をされているそうだ。
走りながら飲むゼリーやサプリを入れるためにウェストポーチを購入! ゼリーなどは予め東京で購入!
未知の42.195Kmを完走するためにも栄養補給が肝心だ。
そして翌日(大阪マラソン前日)にSEIYAも合流!
2時間45分を切る目標をたてているeyeron師匠にも会った。
そんなこんなで日も暮れ、翌朝の大阪マラソンに備え、大会前の最後の晩餐をSEIYAとすることに。大角コーチから「うな丼は良いよ」と言われたことを思い出し、うな丼を食べれる店を探す。
これが大変だった。かなり歩き回り、うな丼のパワーより足に疲労が残りそうで諦めようかと思った矢先に、ようやくそば屋的な店を発見!うな丼もある。
ウナギが少なめのうな丼も食べ、思い残すことなく就寝した。が眠れない。眠れないことは滅多にないのだが、42.195Kmという未知の長距離を走るためには「たくさん寝ておかなければ!」と自分自身にプレッシャーをかけて結局眠れず。
マラソンのスタート時間を逆算してAM5時に朝食会場へ。福岡でのライブ終わりで移動してきた隆太くんも合流。「一睡もできなかった」と眠そうな模様。「俺も」とは言えなかった。。
バスに乗りスタート前の控室へ。
トイレも済ませてスタートを待つ。
入れて頂いたTEAM KIAIで集合写真を撮りいよいよスタート!
一緒に練習をしてきて目標タイムも恐らく同じくらいの隆太くんとSEIYAについていくことにした。
スタートして数メートルでアクシデントが発生した。早速トイレに行きたくなったのだ。数百メートルおきにあるトイレの空き状況をチェックしながら走る。もはやトイレしか目に入って来ない状態だ。
写真=オールスポーツコミュニティー
練習の時と同様に3人で話しながら走っていた。
隆太「スタートしてからトイレの話しかしてないじゃないですか!なんか僕も行きたくなってきそうなんでやめてください(笑)」
SEIYA「手遅れです。ガチで僕もトイレに行きたくなってきました。康平さんが行く時に俺も行くので言ってください!」とのこと。
SEIYAごめん(笑)
もうひとつアクシデントが発生した。スタートしてから4Km地点くらいで隆太くんから「康平さんの時計では1Km何分のペースで走っていると出てますか?」
トイレしか見ていなかったので久々に時計を見ると、なんと万歩計モードになっていた。
そのことを伝えると、周囲のランナーも振り返るほどのツッコミが入った。「なんでやねん!」と。
これでトイレの話は別としてどのくらいのペースで自分が走っているのかわからなくなった。これで是が非でも隆太&SEIYAについていかないといけなくなった。
大阪マラソンのチャリティーアンバサダーを務める隆太くんの沿道の応援は凄く多く「りゅ~た~!頑張って!!」などの声援を受けると隆太くんの走るスピードが2割くらい増す。
ハイタッチに応えるときも同様だ。漏れそうな自身にはこのスピードの緩急が身体にしみた。
写真=オールスポーツコミュニティー
遂に15Km付近であまり並んでいないトイレを発見!SEIYAと飛び込む。 あまり並んでいないといえども5分弱くらいはロスタイムとなった。
隆太くんに追いつく為の苦しい時間帯が続いた。歩数しかわからないのでSEIYAに「今どのくらいのペース?」と聞くと「ヤバいっす。キロ4分半くらいです」とのこと。※キロ⇒1Kmあたり
明らかにオーバーペースだ。スタートからゴールまでキロ5分30秒~40秒くらいの一定ペースでサブ4を狙うような作戦だったからだ。
20Km地点付近で隆太くんに追いつき合流。しばらくは話したり、気を紛らわすために「しりとり」などをして走っていたが、30Km地点くらいでSEIYAに異変が生じた。
「足がつりそうだから自分のペースでいきます。また追いつきます!」とのこと。自身にとって30Kmからは未知の世界だ。SEIYAの離脱もあり緊張感が出てきた。
しかし、隆太くんはスタート地点から今まで沿道の歓声には可能なものには全て応え笑顔で走っている。普通に凄いな!と感じその背中を見失わないようについていく。
必死についていっていたが、35Km 付近で左足のもも裏がつってしまった。隆太くんの背中がはるか彼方に離れていった。歩きながら「ここで終わりか?」とも思ったが、今もずっと声援に応えながら走っている隆太くんの背中を見て「負けられん!」とまずは足を伸ばした。
トイレを恐れて給水をあまりしていなかったなと思い、水を飲み全身にもかけてみた。ポシェットに入っていたサプリをここぞとばかりに飲んだ。つっているので時すでに遅しかもしれないが。
写真=オールスポーツコミュニティー
左足を引きずりながら走りどうにか追いつく。しかし39Km 付近で逆の足である右足のもも裏がつってしまった。「フルマラソン半端ない!」歩きながら何度そう思ったことか。
左足をつった時と同じく水をぶっかけ、持参していた最後のゼリーを飲み追いかけた。 少しでも体勢をずらしたら両足つりそうで、変な走り方をしながら追いつく。
最後の2Kmは再度つる恐怖との戦いだった。そんな文字通り満身創痍で前に身体を運んでいるという中、一緒に走っている隆太くんはスタート時と同様に声援に「ありがとう!」と声を出して応えている。ハンパない。
ゴールまで残り数百メートルの地点から4:01の文字が見えた。サブ4の目標が叶わなかった瞬間だ。再度つることはなくゴール!ネットタイムで4時間2分14秒という記録であった。
写真=オールスポーツコミュニティー
大袈裟かもしれないが、トイレに行ったり、つって諦めようかという気持ちが芽生えたり、人生と同じようにこの42.195Kmの中には色々な喜怒哀楽があった。
終わった直後の感想は「すごく苦しかったけど楽しかった」というものであった。
そして目標に2分届かなかったという悔しさと。
ポシェットにしまっていたiPhoneを見たら 「完走おめでとうございます!3月4日に立川でハーフマラソンの大会があるので出ましょう!」とnikoand ...のディレクターの小林さんからLINEが入っていた。
ランナーズハイになっていたので、ハーフなら楽勝でしょ!と思い「出ます!」と返信した。翌朝にボロボロになった身体で読み返し、ノリで返答したことに後悔した。
ということで3月4日の立川シティーハーフマラソンに出ます。
第9走につづく
表紙写真提供:オールスポーツコミュニティー http://allsports.jp/event/00483943.html