卓球の楽しさを伝えたい。スヴェンソングループが複合型卓球スペース「T4 TOKYO」を設立したワケ
2016年のリオ五輪で日本人選手が活躍したことをきっかけに、一気に関心が高まった日本卓球界。それによって競技希望者が増加し、卓球ができる場所も各地で増えてきた。そのひとつが、2017年6月に渋谷にオープンした「T4 TOKYO」(以下、「T4」)。「卓球スペース」「レストラン&バー」「卓球ブランドショップ」「卓球スクール」の4つの要素を取り入れた、日本初となる複合型卓球スペースとして徐々に人気を博している。そこで今回は、運営しているスヴェンソンのグループ会社「スヴェンソンスポーツマーケティング」の山下亮社長に、「T4」開業までの経緯と、卓球に対する想いを聞いた。
佐藤 主祥
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2018/02/27
ーまず、「T4」をオープンするまでに至った経緯をお聞かせください。
山下:はい。もともとスヴェンソンのグループ会社に「VICTAS(https://www.victas.com/)」という卓球の総合メーカーがあるんです。
その「VICTAS」が2017年4月、日本卓球協会とオフィシャルサプライヤー契約を締結しました。そして卓球日本男子代表の公式ウェアのブランドになったことをきっかけに、「卓球を取り入れたビジネスをやろう!」という話が出てきたんです。
ただ私自身、卓球に関しては全く興味がなかったですし、やったことすらなかったんですよ。
昨年、渋谷にオープンした複合型卓球スペース「T4 TOKYO」
ーでは、卓球事業を考案するにあたって、どのように取り組んでいかれたのでしょう。
山下:グループの中には「TACTIVE(http://www.tactive.co.jp/)」という卓球のスクール事業を展開する会社もあるのですが、私もその立ち上げの際にスタッフの一員として関わっていたんです。
そして「VICTAS」がオフィシャルサプライヤーになってから、「TACTIVE」のコーチの元で私も練習するようになりました。
卓球のビジネスを考えるならば、まずは自分なりに競技を知るべきだと考えたからです。
私は思ってはいませんでしたが、卓球をやったことがない人は競技に対して「暗い」「地味」など、ネガティブな印象を持っているなと感じていたんです。
しかし実際にやってみると、めちゃくちゃ楽しかった。
そこで思ったんです。卓球ができる場所を作り、競技に触れる機会を増やせば、世間の卓球のイメージはどんどん明るくなるなと。
スヴェンソンスポーツマーケティングの山下亮社長
ーそこから卓球施設を作ろうと考えたわけですね。
山下:その通りです。
ただ、これから卓球業界に入っていくならば、「卓球ができるお店」に留まらず、何か新しい要素を取り入れなければいけません。
そう考えた時に、世界の卓球シーンがどのようなものなのかを見るため、現在の「VICTAS」の社長と2人でニューヨークに行きました。
そこで「SPiN New York(スピン・ニューヨーク)」というナイトクラブのような卓球バーに立ち寄ったんです。
目にしたのは、日本のように“ガチ”で打ち合うのではなく、音楽をガンガン流した店内でお酒を飲みながら、みんなでワイワイ卓球をするお客の姿でした。アメリカでは、そういう文化が根付いていたんです。
このような異国の文化を取り入れれば、日本の卓球シーンも違う角度から盛り上がるんじゃないかと考えました。
1階の奥にあるレストラン&バー
ーなるほど。確かに、そういったナイトクラブのようなお店で卓球をするというのは、従来にはない卓球のカタチですね。
山下:そうですよね。そういった要素を取り入れることで、会社の飲み会や合コンに利用していただけますし、お酒を飲みながらワイワイやることで「卓球って面白いな」って感じてもらえると思うんですよ。
また、「VICTAS」と「TACTIVE」をさらに広めていきたいという想いもあったので、この2つの要素も取り入れることを決めました。
この施設の狙いが“卓球の普及”なので、「レストラン&バー」「卓球ブランドショップ」「卓球スクール」を併設することにより、「卓球に関する全てが揃った場所」を作れる!そう考えたからです。
「VICTAS」のブランドショップと卓球台が設置された1階のエントランス
ー卓球好きな人からすると夢のようなお話ですね!!ということは、ブランドショップでラケットやラバーを購入後、卓球台で試し打ちもできるのでしょうか?
山下:もちろんです。そのために同じスペースに卓球台を設けたということもありますし、メーカーのラバーは全て用意してありますよ。
卓球用品を買ってもすぐに試せる場所ってあまりないと思うので、その点は需要があるなと思いますね。
また、同じエントランス内の卓球台には、打球の軌跡や速度をデータ化できる「卓球トラッキングシステム」を導入しています。これは、様々なスポーツのデータを解析する「データスタジアム(http://www.datastadium.co.jp/)」さんのシステムで、「T4」のオープンと同時に取り入れさせてもらっています。
このシステムを利用することによって、ただ試し打ちするだけでなく、自分の打球スピードや回転数を計測することができるんです。
ー普通のお店で、そんな体験ができるなんて…凄すぎます!(笑)
山下:はい。もともとスヴェンソンのグループ会社に「VICTAS(https://www.victas.com/)」という卓球の総合メーカーがあるんです。
その「VICTAS」が2017年4月、日本卓球協会とオフィシャルサプライヤー契約を締結しました。そして卓球日本男子代表の公式ウェアのブランドになったことをきっかけに、「卓球を取り入れたビジネスをやろう!」という話が出てきたんです。
ただ私自身、卓球に関しては全く興味がなかったですし、やったことすらなかったんですよ。
昨年、渋谷にオープンした複合型卓球スペース「T4 TOKYO」
ーでは、卓球事業を考案するにあたって、どのように取り組んでいかれたのでしょう。
山下:グループの中には「TACTIVE(http://www.tactive.co.jp/)」という卓球のスクール事業を展開する会社もあるのですが、私もその立ち上げの際にスタッフの一員として関わっていたんです。
そして「VICTAS」がオフィシャルサプライヤーになってから、「TACTIVE」のコーチの元で私も練習するようになりました。
卓球のビジネスを考えるならば、まずは自分なりに競技を知るべきだと考えたからです。
私は思ってはいませんでしたが、卓球をやったことがない人は競技に対して「暗い」「地味」など、ネガティブな印象を持っているなと感じていたんです。
しかし実際にやってみると、めちゃくちゃ楽しかった。
そこで思ったんです。卓球ができる場所を作り、競技に触れる機会を増やせば、世間の卓球のイメージはどんどん明るくなるなと。
スヴェンソンスポーツマーケティングの山下亮社長
ーそこから卓球施設を作ろうと考えたわけですね。
山下:その通りです。
ただ、これから卓球業界に入っていくならば、「卓球ができるお店」に留まらず、何か新しい要素を取り入れなければいけません。
そう考えた時に、世界の卓球シーンがどのようなものなのかを見るため、現在の「VICTAS」の社長と2人でニューヨークに行きました。
そこで「SPiN New York(スピン・ニューヨーク)」というナイトクラブのような卓球バーに立ち寄ったんです。
目にしたのは、日本のように“ガチ”で打ち合うのではなく、音楽をガンガン流した店内でお酒を飲みながら、みんなでワイワイ卓球をするお客の姿でした。アメリカでは、そういう文化が根付いていたんです。
このような異国の文化を取り入れれば、日本の卓球シーンも違う角度から盛り上がるんじゃないかと考えました。
山下:そうですよね。そういった要素を取り入れることで、会社の飲み会や合コンに利用していただけますし、お酒を飲みながらワイワイやることで「卓球って面白いな」って感じてもらえると思うんですよ。
また、「VICTAS」と「TACTIVE」をさらに広めていきたいという想いもあったので、この2つの要素も取り入れることを決めました。
この施設の狙いが“卓球の普及”なので、「レストラン&バー」「卓球ブランドショップ」「卓球スクール」を併設することにより、「卓球に関する全てが揃った場所」を作れる!そう考えたからです。
「VICTAS」のブランドショップと卓球台が設置された1階のエントランス
山下:もちろんです。そのために同じスペースに卓球台を設けたということもありますし、メーカーのラバーは全て用意してありますよ。
卓球用品を買ってもすぐに試せる場所ってあまりないと思うので、その点は需要があるなと思いますね。
また、同じエントランス内の卓球台には、打球の軌跡や速度をデータ化できる「卓球トラッキングシステム」を導入しています。これは、様々なスポーツのデータを解析する「データスタジアム(http://www.datastadium.co.jp/)」さんのシステムで、「T4」のオープンと同時に取り入れさせてもらっています。
このシステムを利用することによって、ただ試し打ちするだけでなく、自分の打球スピードや回転数を計測することができるんです。
ー普通のお店で、そんな体験ができるなんて…凄すぎます!(笑)
高級感ある空間で卓球を楽しめる地下1階のVIPルーム
山下:それだけではありません。
地下1階には貸切可能なVIPルームも用意してあるのですが、そのスペースにある卓球台には『PONG!PONG!』という新感覚のデジタルゲームを導入しているんです。
山下社長(右奥)と実際に『PONG!PONG!』を体験
ーどういうゲームなんですか?
山下:卓球台にプロジェクションされたブロックを、本物のピンポン球で破壊して点数を競い合うという、リアル体験型の卓球ゲームです。
これは、多くのスマホ向けゲームを開発している「アカツキ(https://aktsk.jp/)」さんが「データスタジアム」さんと開発協力し、先ほどお話したトラッキングシステムの技術を応用して作り上げたゲームなんです。
競技の実力に関係なく、新しい形式で卓球を楽しむことができるので、上級者が初心者に負けることもよくあります。
ーパーティーなどで貸し切って、みんなでワイワイやるにはぴったりのゲームですね!
山下:お客様からは大変ご好評いただいています。
それと、この『PONG!PONG!』と世界最大の食品飲料会「ネスレ(https://www.nestle.co.jp/)」がコラボしたゲームもあるんです。
お肉や野菜、卵など様々な食べ物のパネルが卓球台に映し出されるのですが、カルシウムが多い食品に当てると高得点が獲得できます。
食べ物の栄養素について、デジタルの卓球で体を動かしながら勉強するので覚えやすいんです。
昨年11月には「TACTIVE」のスクールコーチの元で、「デジタル×食育×卓球」をテーマとしたイベントも行われました。
様々な食べ物のパネルが映し出された卓球台
ーそうなんですね。お子さんたちにとっては、楽しく勉強できる画期的なゲームだと思います。「TACTIVE」と言えば、同じ地下1階で卓球教室が開かれているんですよね?
山下:はい。実業団の所属選手や海外リーグ経験者がコーチとして指導してくれます。
時間帯によってユーザーの層は分かれていて、午前中〜お昼くらいまでは主婦の方、夕方は子供たち、夜になると仕事終わりのサラリーマンの方々が利用されます。
ー大人の方が多いのは意外ですね。
山下:実際、どこの卓球スクールを見ても多いのは主婦の方々なんです。
サラリーマンにしても、近年ノー残業デーやプレミアムフライデーが増えてきた影響で、仕事終わりにランニングをしたりスポーツクラブに行く方が増えていますよね。
そういった選択肢の中に卓球も入ってきていると思うんですよ。
特に学生時代に卓球部に所属していて、大人になって卓球から離れると、ふと「また打ちたい」と思う方は多いはずです。
なので、そういう場を増やしていくことは、卓球スクールのマーケット拡大につながると思っています。
ーでは、今後の選手育成という部分に力を入れたりというのは?
山下:いえ。基本的にスポーツクラブのような形で続けていこうと思っています。
ただ、「T4」ではパラリンピックの卓球日本代表の練習場として場所を提供しています。
やはりパラスポーツにおいては、練習環境が十分に整っていないことが現状としてあります。なので「TACTIVE」のスクール事業によって、選手たちの力に少しでもなれればと思っています。
T4の地下1階で練習に励むパラアスリートたち
ーこれは、2020年の東京五輪・パラリンピックでのメダル獲得には欠かせない取り組みだと思います。では最後に、スヴェンソングループとしての今後の展望をお聞かせください。
山下:はい。今後は卓球ができる場所の普及をしていきたいと思っています。
これはどの地域においても言えることなのですが、年々卓球をやりたい人が増えているのに、競技ができる場所が足りていないんです。
せっかく卓球がブームになって競技希望者が増えているのに、これは非常にもったいない。
なので、卓球ができる場所をさらに増やしていきたいんです。
これは私たちのビジネスモデルのコンセプトでもありますし、単純に「卓球は楽しいスポーツなんだ」ということを多くの方に伝えていけたらなと、そう思っています。
▼株式会社スヴェンソン
https://www.svenson.co.jp
▼「T4 TOKYO」
http://t-4.jp/tokyo/
山下:それだけではありません。
地下1階には貸切可能なVIPルームも用意してあるのですが、そのスペースにある卓球台には『PONG!PONG!』という新感覚のデジタルゲームを導入しているんです。
山下社長(右奥)と実際に『PONG!PONG!』を体験
ーどういうゲームなんですか?
山下:卓球台にプロジェクションされたブロックを、本物のピンポン球で破壊して点数を競い合うという、リアル体験型の卓球ゲームです。
これは、多くのスマホ向けゲームを開発している「アカツキ(https://aktsk.jp/)」さんが「データスタジアム」さんと開発協力し、先ほどお話したトラッキングシステムの技術を応用して作り上げたゲームなんです。
競技の実力に関係なく、新しい形式で卓球を楽しむことができるので、上級者が初心者に負けることもよくあります。
ーパーティーなどで貸し切って、みんなでワイワイやるにはぴったりのゲームですね!
山下:お客様からは大変ご好評いただいています。
それと、この『PONG!PONG!』と世界最大の食品飲料会「ネスレ(https://www.nestle.co.jp/)」がコラボしたゲームもあるんです。
お肉や野菜、卵など様々な食べ物のパネルが卓球台に映し出されるのですが、カルシウムが多い食品に当てると高得点が獲得できます。
食べ物の栄養素について、デジタルの卓球で体を動かしながら勉強するので覚えやすいんです。
昨年11月には「TACTIVE」のスクールコーチの元で、「デジタル×食育×卓球」をテーマとしたイベントも行われました。
様々な食べ物のパネルが映し出された卓球台
山下:はい。実業団の所属選手や海外リーグ経験者がコーチとして指導してくれます。
時間帯によってユーザーの層は分かれていて、午前中〜お昼くらいまでは主婦の方、夕方は子供たち、夜になると仕事終わりのサラリーマンの方々が利用されます。
ー大人の方が多いのは意外ですね。
山下:実際、どこの卓球スクールを見ても多いのは主婦の方々なんです。
サラリーマンにしても、近年ノー残業デーやプレミアムフライデーが増えてきた影響で、仕事終わりにランニングをしたりスポーツクラブに行く方が増えていますよね。
そういった選択肢の中に卓球も入ってきていると思うんですよ。
特に学生時代に卓球部に所属していて、大人になって卓球から離れると、ふと「また打ちたい」と思う方は多いはずです。
なので、そういう場を増やしていくことは、卓球スクールのマーケット拡大につながると思っています。
ーでは、今後の選手育成という部分に力を入れたりというのは?
山下:いえ。基本的にスポーツクラブのような形で続けていこうと思っています。
ただ、「T4」ではパラリンピックの卓球日本代表の練習場として場所を提供しています。
やはりパラスポーツにおいては、練習環境が十分に整っていないことが現状としてあります。なので「TACTIVE」のスクール事業によって、選手たちの力に少しでもなれればと思っています。
ーこれは、2020年の東京五輪・パラリンピックでのメダル獲得には欠かせない取り組みだと思います。では最後に、スヴェンソングループとしての今後の展望をお聞かせください。
山下:はい。今後は卓球ができる場所の普及をしていきたいと思っています。
これはどの地域においても言えることなのですが、年々卓球をやりたい人が増えているのに、競技ができる場所が足りていないんです。
せっかく卓球がブームになって競技希望者が増えているのに、これは非常にもったいない。
なので、卓球ができる場所をさらに増やしていきたいんです。
これは私たちのビジネスモデルのコンセプトでもありますし、単純に「卓球は楽しいスポーツなんだ」ということを多くの方に伝えていけたらなと、そう思っています。
https://www.svenson.co.jp
▼「T4 TOKYO」
http://t-4.jp/tokyo/