仕事なし、お金なし、どん底からの大逆転。発想の転換で掴んだレアル・マドリード、酒井浩之の挑戦 VOL2
通称「銀河系軍団」とも呼ばれるスペインの名門サッカークラブのレアル・マドリード。 2016〜17年シーズンには、史上初のチャンピオンズリーグ連覇を達成するなど、日本にも多くのサポーターを持つ人気クラブですが、このレアル・マドリードに、実は日本人が在籍していたことをあなたは知っていますか?vol2では、言葉習得へ留学先の友人から贈られた金言秘話、たった一人だけ掴むことができたレアル・マドリードへ続くエピソードを語っていただいた。
KING GEAR編集部
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2018/03/22
vol.1はこちらから。
自分だけが手に入ってしまったレアル・マドリードへの道
留学して最初にぶち当たった壁
―鍵は“発想の転換“―
Q.当然今までのお話を聞いていても険しい道だったのがよくわかるのですが、実際留学して、その辺りはいかがでしたか?
酒井:実は、最初は本当に言葉が全くわからなかったんです。教授のスペイン語訛りもありましたけど、本当に何を言ってるのかわからなかった。これには本当に焦りました。テストの用紙に書いてあることさえわからなかった。
授業が始まる前にプレスクールなどで慣れておくべきだったなとは思います。とにかくこればかりは慣れるしかない。友達にとことんついて行き、行動を共にすることで慣れようとしました。
そこで実感したのは、何についての話なのかが解れば、それについての多くのことが予測でき、そして考えられる。おそらく馴染めない人は、きっと“わからない”が先行してしまって、このように一つ一つのプロセスに対応することができないのかもしれません。
Q語学力を向上させるために友達から、具体的な助言はあったのですか?
酒井:クリスマス休暇で帰国する直前に飲んでいた時に、カナダからきた友人に言われた一言がガツンときたんですね。彼は父親がカナダ人で、母親がスペイン人。つまり英語・スペイン語はほぼ完璧。そんな彼が飲みながらとても大切なことを助言してくれました。
「俺たちがどんだけ頑張っても今からHiroレベルの日本語を身につけることは不可能に近い。けど、Hiroがこの2、3ヶ月間頑張れば、スペイン語・英語の基礎的な部分は身につけられる。こっちの言葉はそこまで難しくないから。
だとしたら、3ヶ月後を想像してみろよ。Hiroがスペイン語と英語を身につけた自分を。日本語は何もしなくても落ちないだろ?だったらお前の方がリードできるじゃん。
まぁ、それでもこっちはスペイン語・英語のレベルは負けないけどね笑。これで負けちゃったらもう俺たち居場所ないよな・・・・笑」と。
Qつまり、日本語しかわからない・できないと考えるのではなく、むしろそれができることは、この世の中でとても特殊な部類に入るんだってことですね。
酒井:だからそれを武器にするために、英語・スペイン語を頑張れと。そしてそれが目の前に材料が揃っている状況だから、これを利用しない手は無いだろ?と。
その言葉をもらって、完全に目が覚めました。目の前にあったどん底の黒いものが割れて、一気に道が見えたんです。これはもうやるしかない。
そこでとった行動は、アイルランドからきたパラリンピック・ゴールドメダリストとの共同生活。意見が合わず、言い合いばかりでしたけどね(笑)。でも今から思えば、あの時に英語で喧嘩してたし、すでにそこまで話せるレベルになってたんだな・・・って
雲の上の世界が目の前に。
〜たった一人だけ掴むことができた絶好の機会〜
Q.ここからレアル・マドリードに入社するわけなんですが、経緯を教えてください。
酒井:いや、もう、これは完全にクラブW杯ですよ。2016年CLの決勝でのPK勝ち。勝って日本行きが決まったのが大きかったですよね。
実は、あの時チームが決勝に進出したところで、勝てば日本行きが決まるというのがわかっていた。そうなれば日本人のレアル・マドリード関係者は僕しかいないので、大きなチャンスになると思っていました。
祈る様な気持ちであのPKを迎えて。決まった瞬間にいろんな人に連絡して、最新のネタをかき集めて僕だったらこういう相手とこういうビジネスを考える、プロモーションを考えるというプレゼンテーションを作りました。
それと友達の力を借りて、カバーレターになるCVを全部スペイン語で書いて、電話番号をでかでかと書きました。それを色々な人に配り歩きましたよ、それこそ関係者に。みんな多分、“何これ?“と思ったでしょうけど、そういうことをやったんです。
Q.そこまでやって反応はどうだったのですか?
酒井:次の日学校から電話がかかってきて、今すぐここに行ってくれと言われてメールを見たらSantiago Bernabeu, Puerta 55”と書いてあるだけ。
地下鉄の駅がSantiago bernabeuなので、駅降りてどこ行けばいいんだよって電話したら、「ここマドリードでSantiago bernabeuと言ったらスタジアムでしょ!Hiro冗談はやめてちょうだい!レアル・マドリードよ!これはみんなに内緒なんだからね!」ですって。
その時は笑うしかなかったですけど、彼女の言い方からして何かマイナスのことが起きている感じはなかった。
Q.これは何かあるな?と
酒井:ちょっとだけ期待してスタジアムに行ったら、案内されたのは6畳もないような小さな部屋。そこで待っていたら、いきなりクラブの偉い人が入ってきて、『おぉ、君か、よろしくな』なんて握手されて。僕としては「一体何だ???」みたいな状況で…。
これは、同期約100人いたMBAコース中から唯一選出されて、レアル・マドリードでのインターンシップをさせて頂けるということだったのです。
しかもこの3、4年インターン採用ゼロの状況で。。。その契約書にサインする時に、人事の偉い人と笑いあったのですが、なぜなら初日の入学式の後に、「レアル・マドリードに入れるとは思わないでください。当クラブはそんな簡単に入れるところではありませんので。ほぼチャンスはないと思ってください。」と言われていたんです。
あの時ノーチャンスって言ったから、本当にどうしようか考えていたのに!!!って言ったら、「この機会はあなただけよ。運が良いとはこういうことを言うのね!本当にこれは神様が微笑んでくれたわね。おめでとう。もちろんあなたはマドリディスタなんでしょ?」ですって。もう笑うしかなかったですよ・・・・
《Vol.3に続く》 http://king-gear.com/articles/717
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酒井浩之担当 https://voicy.jp/channel/628
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自分だけが手に入ってしまったレアル・マドリードへの道
留学して最初にぶち当たった壁
―鍵は“発想の転換“―
Q.当然今までのお話を聞いていても険しい道だったのがよくわかるのですが、実際留学して、その辺りはいかがでしたか?
酒井:実は、最初は本当に言葉が全くわからなかったんです。教授のスペイン語訛りもありましたけど、本当に何を言ってるのかわからなかった。これには本当に焦りました。テストの用紙に書いてあることさえわからなかった。
授業が始まる前にプレスクールなどで慣れておくべきだったなとは思います。とにかくこればかりは慣れるしかない。友達にとことんついて行き、行動を共にすることで慣れようとしました。
そこで実感したのは、何についての話なのかが解れば、それについての多くのことが予測でき、そして考えられる。おそらく馴染めない人は、きっと“わからない”が先行してしまって、このように一つ一つのプロセスに対応することができないのかもしれません。
Q語学力を向上させるために友達から、具体的な助言はあったのですか?
酒井:クリスマス休暇で帰国する直前に飲んでいた時に、カナダからきた友人に言われた一言がガツンときたんですね。彼は父親がカナダ人で、母親がスペイン人。つまり英語・スペイン語はほぼ完璧。そんな彼が飲みながらとても大切なことを助言してくれました。
「俺たちがどんだけ頑張っても今からHiroレベルの日本語を身につけることは不可能に近い。けど、Hiroがこの2、3ヶ月間頑張れば、スペイン語・英語の基礎的な部分は身につけられる。こっちの言葉はそこまで難しくないから。
だとしたら、3ヶ月後を想像してみろよ。Hiroがスペイン語と英語を身につけた自分を。日本語は何もしなくても落ちないだろ?だったらお前の方がリードできるじゃん。
まぁ、それでもこっちはスペイン語・英語のレベルは負けないけどね笑。これで負けちゃったらもう俺たち居場所ないよな・・・・笑」と。
Qつまり、日本語しかわからない・できないと考えるのではなく、むしろそれができることは、この世の中でとても特殊な部類に入るんだってことですね。
酒井:だからそれを武器にするために、英語・スペイン語を頑張れと。そしてそれが目の前に材料が揃っている状況だから、これを利用しない手は無いだろ?と。
その言葉をもらって、完全に目が覚めました。目の前にあったどん底の黒いものが割れて、一気に道が見えたんです。これはもうやるしかない。
そこでとった行動は、アイルランドからきたパラリンピック・ゴールドメダリストとの共同生活。意見が合わず、言い合いばかりでしたけどね(笑)。でも今から思えば、あの時に英語で喧嘩してたし、すでにそこまで話せるレベルになってたんだな・・・って
雲の上の世界が目の前に。
〜たった一人だけ掴むことができた絶好の機会〜
Q.ここからレアル・マドリードに入社するわけなんですが、経緯を教えてください。
酒井:いや、もう、これは完全にクラブW杯ですよ。2016年CLの決勝でのPK勝ち。勝って日本行きが決まったのが大きかったですよね。
実は、あの時チームが決勝に進出したところで、勝てば日本行きが決まるというのがわかっていた。そうなれば日本人のレアル・マドリード関係者は僕しかいないので、大きなチャンスになると思っていました。
祈る様な気持ちであのPKを迎えて。決まった瞬間にいろんな人に連絡して、最新のネタをかき集めて僕だったらこういう相手とこういうビジネスを考える、プロモーションを考えるというプレゼンテーションを作りました。
それと友達の力を借りて、カバーレターになるCVを全部スペイン語で書いて、電話番号をでかでかと書きました。それを色々な人に配り歩きましたよ、それこそ関係者に。みんな多分、“何これ?“と思ったでしょうけど、そういうことをやったんです。
Q.そこまでやって反応はどうだったのですか?
酒井:次の日学校から電話がかかってきて、今すぐここに行ってくれと言われてメールを見たらSantiago Bernabeu, Puerta 55”と書いてあるだけ。
地下鉄の駅がSantiago bernabeuなので、駅降りてどこ行けばいいんだよって電話したら、「ここマドリードでSantiago bernabeuと言ったらスタジアムでしょ!Hiro冗談はやめてちょうだい!レアル・マドリードよ!これはみんなに内緒なんだからね!」ですって。
その時は笑うしかなかったですけど、彼女の言い方からして何かマイナスのことが起きている感じはなかった。
Q.これは何かあるな?と
酒井:ちょっとだけ期待してスタジアムに行ったら、案内されたのは6畳もないような小さな部屋。そこで待っていたら、いきなりクラブの偉い人が入ってきて、『おぉ、君か、よろしくな』なんて握手されて。僕としては「一体何だ???」みたいな状況で…。
これは、同期約100人いたMBAコース中から唯一選出されて、レアル・マドリードでのインターンシップをさせて頂けるということだったのです。
しかもこの3、4年インターン採用ゼロの状況で。。。その契約書にサインする時に、人事の偉い人と笑いあったのですが、なぜなら初日の入学式の後に、「レアル・マドリードに入れるとは思わないでください。当クラブはそんな簡単に入れるところではありませんので。ほぼチャンスはないと思ってください。」と言われていたんです。
あの時ノーチャンスって言ったから、本当にどうしようか考えていたのに!!!って言ったら、「この機会はあなただけよ。運が良いとはこういうことを言うのね!本当にこれは神様が微笑んでくれたわね。おめでとう。もちろんあなたはマドリディスタなんでしょ?」ですって。もう笑うしかなかったですよ・・・・
《Vol.3に続く》 http://king-gear.com/articles/717
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酒井浩之担当 https://voicy.jp/channel/628
◆酒井さんが展開する早稲田グローバルスポーツビジネススクール。スポーツ業界への就職を目指す学生向けプログラムも展開!詳しくはバナーをクリック!