仕事なし、お金なし、どん底からの大逆転。発想の転換で掴んだレアル・マドリード、酒井浩之の挑戦 VOL3
通称「銀河系軍団」とも呼ばれるスペインの名門サッカークラブのレアル・マドリード。 2016〜17年シーズンには、史上初のチャンピオンズリーグ連覇を達成するなど、日本にも多くのサポーターを持つ人気クラブですが、このレアル・マドリードに、実は日本人が在籍していたことをあなたは知っていますか? Vol.3では日本に正しく伝わっていない、毎日を死に物狂いで戦うレアル・マドリードの真の姿、6時間出待ちして、面会したクリスティアーノ・ロナウドの代理人から贈られた金言を語っていただいた。
KING GEAR編集部
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2018/03/23
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自分の目で見た世界の頂点
〜頂きから見ることができた景色とは〜
Q.苦労して卒業し、本当に運が良かったと言わんばかりに掴んだ世界一のクラブへの入社ですが、そこでの景色はいかがでしたか?
酒井:いや、もう、毎日が刺激的すぎて表現できないですよね。だって試合の時なんか、みんな観客席にいるのに、私だけピッチの真横にいるんですから。下から、“おーい!“みたいな笑 もう、どの様に説明していいかわからないことばかりですよ。
駐車場で普通に、クラブを代表する様な選手に、「トイレどこだっけ?あっちだっけ?」って。顔見たら誰もが知るスーパースターで、“おい!まじかよ!”みたいなこともありました笑
Q.世界的なスーパースターからは、どんな刺激を受けましたか?
酒井:あれほどの人間が、あれほどの選手が、目の前の試合に人生をかけて死に物狂いで戦って勝ちに行く、日々の行いを目の当たりにすると、自然と自分が律されるというか、そういう気持ちになりましたね。
そして、どう頑張っても日本があそこに追いつけるとは感じません。むしろ離されていると感じています 。天狗になっている選手なんか誰もいないし、むしろ、逆でした。クラブに対してのリスペクトが本当に強かったです 。
その中の一員として 関わることができたと言う状況に対して自分の気持ちをどう表現して良いのかうまく言葉が見つからないのですが、とにかく日本には正しくレアル・マドリードというクラブの真の姿 が伝わっていない。そこですね。
Q.レアル・マドリードの真の姿は違うと?
酒井:私が見た頂上の景色は、日本から見ていた、見ていた中で感じていたものと全く異なるものでした。毎日が社員含めて、全員が戦っているんです。その戦いが、振り返っってみると、とてつもなく長く、大きな力になっている。
つまり目の前の積み上がった大きなものに目がいってしまっていたのですが、あれはあくまでも結果であって、それを積み上げるために毎日汗を流している。文化だからそうなるとかいうことではなく、毎日必死で積み上げて、それが結果的に文化という風に見えるのかなと。とても表現が難しいですね。
クリスティアーノ・ロナウドの代理人からの金言
〜同等になれ、やればできるぞ〜
Q.そんな環境に身を置いて、ターニングポイントとなった出会いはありましたか?
酒井:たった一つだけ、考えられないような、説明のつけ難いことがあったのですが、たまたま駐車場でいい車が入ってきたなと思ったら、実はそれがジョルジュ・メンデスの車だったんです。あのクリスティアーノ・ロナウドの代理人です。
その時は固まってしまって何もできませんでした。驚いて何もできなかったというのが本音ですね・・・目の前に、普通に歩いてきて、会釈して・・・・。そこで話しかけることはできなかったのですが、普通に有名人が出入りしているんです。
Q.酒井さんの性格上、黙っているわけにはいきませんよね?
酒井:そこから彼の本を読んだことを思い出して、もっと話を聞いてみたいと思うようになり、休みの時にポルトガルにある彼の事務所に行ったんです。もちろんアポなしで。何度も電話をしたんですけど、全然出ない。だからアポなしで住所調べて行きました。何時にくるかわからないから、朝8時ぐらいに事務所について、看守に身振り手振りで待つと伝え、そこから6時間ぐらい待ちました。
そしたら、彼が帰ってきたんです。14時ぐらいだったと記憶しています。なんだ?って言われて、日本からあなたに会いにきたんだと伝えたら、その場で、“入りなさい”と言われてオフィスに通されました。
そこで改めてレアル・マドリードのMBAを出て、今はレアル・マドリードで仕事していて、と短く自己紹介して、駐車場ですれ違って、あなたに会いきたと過程を説明したんです。
Q.レアル・マドリードの一員だから、歓迎されたのですか?
酒井:そして、“それで?“と言われたので、その場で、あなたの下で働かせて欲しいと言いました。お金はいらない、無償のインターンでいいから、1ヶ月でいいから、なんとか身を置かせて欲しいと。
そうし たら、お前はエージェントになりたいのか?と言われたので、「Si(スペイン語でYesの意味) 」と言いました。すると、20歳前後で可能性のある日本人選手を三人挙げろと言われたので、3人その場で言ったところ・・・・・彼は私にこう言ったんです。
「俺はその選手らのことは一切知らない。日本人の情報は一切持っていないから、お前が日本人をここに連れてこい。そうすれば一緒に仕事できるぞ」と。
彼は下に入れることではなく同等になれ、やればできるぞと言ってきたんです。時計を見たらたったの30分というとても短い時間でしたが、これもまさに金言でした。自分で仕事を持ってこいと言われたことは本当にガツンときた。
Q.まさに視野が、広がった瞬間ですね。
酒井:まさかそんなこと言われると思っていなかったので。こういう視点がビジネスを拡大させるということなのかなと改めて感じました。
彼はその後、今からドイツに行くからと言って飛び出して行きました。次の日新聞を見たら、”ハメス・ロドリゲス、バイエルンへ移籍か?“と出ていました。なんとも言葉にできない、貴重な体験だったのですが、思い立って勝手に体が動いたような、そんな体験でした。
《Vol.4に続く》 http://king-gear.com/articles/718
◆キングギアvoicy オフィシャルアカウント
酒井浩之担当 https://voicy.jp/channel/628
◆酒井さんが展開する早稲田グローバルスポーツビジネススクール。スポーツ業界への就職を目指す学生向けプログラムも展開!詳しくはバナーをクリック!
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自分の目で見た世界の頂点
〜頂きから見ることができた景色とは〜
Q.苦労して卒業し、本当に運が良かったと言わんばかりに掴んだ世界一のクラブへの入社ですが、そこでの景色はいかがでしたか?
酒井:いや、もう、毎日が刺激的すぎて表現できないですよね。だって試合の時なんか、みんな観客席にいるのに、私だけピッチの真横にいるんですから。下から、“おーい!“みたいな笑 もう、どの様に説明していいかわからないことばかりですよ。
駐車場で普通に、クラブを代表する様な選手に、「トイレどこだっけ?あっちだっけ?」って。顔見たら誰もが知るスーパースターで、“おい!まじかよ!”みたいなこともありました笑
Q.世界的なスーパースターからは、どんな刺激を受けましたか?
酒井:あれほどの人間が、あれほどの選手が、目の前の試合に人生をかけて死に物狂いで戦って勝ちに行く、日々の行いを目の当たりにすると、自然と自分が律されるというか、そういう気持ちになりましたね。
そして、どう頑張っても日本があそこに追いつけるとは感じません。むしろ離されていると感じています 。天狗になっている選手なんか誰もいないし、むしろ、逆でした。クラブに対してのリスペクトが本当に強かったです 。
その中の一員として 関わることができたと言う状況に対して自分の気持ちをどう表現して良いのかうまく言葉が見つからないのですが、とにかく日本には正しくレアル・マドリードというクラブの真の姿 が伝わっていない。そこですね。
Q.レアル・マドリードの真の姿は違うと?
酒井:私が見た頂上の景色は、日本から見ていた、見ていた中で感じていたものと全く異なるものでした。毎日が社員含めて、全員が戦っているんです。その戦いが、振り返っってみると、とてつもなく長く、大きな力になっている。
つまり目の前の積み上がった大きなものに目がいってしまっていたのですが、あれはあくまでも結果であって、それを積み上げるために毎日汗を流している。文化だからそうなるとかいうことではなく、毎日必死で積み上げて、それが結果的に文化という風に見えるのかなと。とても表現が難しいですね。
クリスティアーノ・ロナウドの代理人からの金言
〜同等になれ、やればできるぞ〜
Q.そんな環境に身を置いて、ターニングポイントとなった出会いはありましたか?
酒井:たった一つだけ、考えられないような、説明のつけ難いことがあったのですが、たまたま駐車場でいい車が入ってきたなと思ったら、実はそれがジョルジュ・メンデスの車だったんです。あのクリスティアーノ・ロナウドの代理人です。
その時は固まってしまって何もできませんでした。驚いて何もできなかったというのが本音ですね・・・目の前に、普通に歩いてきて、会釈して・・・・。そこで話しかけることはできなかったのですが、普通に有名人が出入りしているんです。
Q.酒井さんの性格上、黙っているわけにはいきませんよね?
酒井:そこから彼の本を読んだことを思い出して、もっと話を聞いてみたいと思うようになり、休みの時にポルトガルにある彼の事務所に行ったんです。もちろんアポなしで。何度も電話をしたんですけど、全然出ない。だからアポなしで住所調べて行きました。何時にくるかわからないから、朝8時ぐらいに事務所について、看守に身振り手振りで待つと伝え、そこから6時間ぐらい待ちました。
そしたら、彼が帰ってきたんです。14時ぐらいだったと記憶しています。なんだ?って言われて、日本からあなたに会いにきたんだと伝えたら、その場で、“入りなさい”と言われてオフィスに通されました。
そこで改めてレアル・マドリードのMBAを出て、今はレアル・マドリードで仕事していて、と短く自己紹介して、駐車場ですれ違って、あなたに会いきたと過程を説明したんです。
Q.レアル・マドリードの一員だから、歓迎されたのですか?
酒井:そして、“それで?“と言われたので、その場で、あなたの下で働かせて欲しいと言いました。お金はいらない、無償のインターンでいいから、1ヶ月でいいから、なんとか身を置かせて欲しいと。
そうし たら、お前はエージェントになりたいのか?と言われたので、「Si(スペイン語でYesの意味) 」と言いました。すると、20歳前後で可能性のある日本人選手を三人挙げろと言われたので、3人その場で言ったところ・・・・・彼は私にこう言ったんです。
「俺はその選手らのことは一切知らない。日本人の情報は一切持っていないから、お前が日本人をここに連れてこい。そうすれば一緒に仕事できるぞ」と。
彼は下に入れることではなく同等になれ、やればできるぞと言ってきたんです。時計を見たらたったの30分というとても短い時間でしたが、これもまさに金言でした。自分で仕事を持ってこいと言われたことは本当にガツンときた。
Q.まさに視野が、広がった瞬間ですね。
酒井:まさかそんなこと言われると思っていなかったので。こういう視点がビジネスを拡大させるということなのかなと改めて感じました。
彼はその後、今からドイツに行くからと言って飛び出して行きました。次の日新聞を見たら、”ハメス・ロドリゲス、バイエルンへ移籍か?“と出ていました。なんとも言葉にできない、貴重な体験だったのですが、思い立って勝手に体が動いたような、そんな体験でした。
《Vol.4に続く》 http://king-gear.com/articles/718
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