世界に誇る日本の柔道家たちが着用!最先端技術を駆使したミズノの柔道衣とは。
柔道は、1882年に嘉納治五郎が、東京の永昌寺で柔術を元にした武道の指導を開始したことにより始まったと言われている。日本の伝統的スポーツ柔道の日本代表選手は、ミズノの柔道衣を着用して世界を相手に戦い続けている。今回は、ミズノ株式会社(代表取締役社長:水野明人) で、柔道衣の企画開発に携わる上村氏に、開発苦労話について語っていただいた。
佐久間秀実
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2018/04/26
戦後、講道館柔道衣規格が授業用を含めて作られ始めたが、競技柔道として発展するにつれ、
柔道衣スタイルの変化が1960年代から現れてきた。
ミズノは、1964年 東京オリンピック以降に柔道衣の開発をスタートさせ、1970年代に入ると、今の柔道衣に繋がる開発を本格化させた。
ミズノ株式会社
グローバルアパレルプロダクト本部 企画・デザイン部
ダイアモンド・競技アパレル企画課
上村 隼人氏
――ミズノの柔道衣について
上村 :ミズノは柔道衣を1980年代から作成し始めました。当時の素材は綿で、柔道のルールは年々厳格化されて、それに伴い商品開発を行ってきています。
現在のものは、軽量化されて非常に動きやすく、可能な限り選手に負担を与えない事を目的とした設計にしています。
――日本代表選手が着用する柔道衣
上村:ミズノは、日本代表用の柔道衣を扱っていますので、選手や指導者の方に多くのヒアリングを行い、徹底して開発に取り組んできました。そこが我々の強みであると思っています。
今回のトップモデルは、素材の開発に非常に時間がかかりました。従来のルールでは綿素材のみ使用可能でした。ルール改正により、化学繊維も使用可能になり、化学繊維をどのように上手く活かすかを考えましたね。
選手は、試合中に柔道衣を手で強く握りますので、その感覚が変わらないように細心の注意を払いました。このバランスを取るのが非常に難しかったですね。もっと時間が欲しい位でありましたし、本当に大変でした。
――柔道衣のルールが厳しい中でできること
上村:ルールが厳格化されて自由にできるということが限られています。試合中に組みやすくして、逃げ回る柔道ではなくて、攻撃的に1本を取りに行く柔道を国際柔道連盟が目指しています。そのようなこともあって、捕まりにくいような柔道衣ではなくて、がっちり組みやすい形で、とても動きやすい軽い柔道衣を作ることができました。自分がつかみやすくて、捕まりにくい柔道衣を着たいと仰っている柔道家の方もいましたね(笑)。
パンツは、動きやすくて太くないものの方が良いという声が非常に多かったです。細くし過ぎても動きにくくなります。太いと動きやすくなりますが、捕まれやすくもなり、バタバタしすぎて動きにくくもなります。ですので、上手くバランスをとりながら設計しました。
投げ技で柔道衣へのダメージはあまりないですが、寝技は柔道衣へのと負担がかかります。選手にとってストレスがないようなものになっています。
――今後の展望について
上村:ルールがある中で、ミズノとして進化できるようにチャレンジしていきたいですね。
これからも、柔道家の方にとって、動きやすくて望まれている着心地感がある柔道衣にしていきたいなと思っています。 (了)
ミズノ柔道
https://www.mizuno.jp/judo/
取材協力/ミズノ株式会社
写真提供/ミズノ株式会社
取材写真/佐久間秀実
ミズノは、1964年 東京オリンピック以降に柔道衣の開発をスタートさせ、1970年代に入ると、今の柔道衣に繋がる開発を本格化させた。
ミズノ株式会社
グローバルアパレルプロダクト本部 企画・デザイン部
ダイアモンド・競技アパレル企画課
上村 隼人氏
――ミズノの柔道衣について
上村 :ミズノは柔道衣を1980年代から作成し始めました。当時の素材は綿で、柔道のルールは年々厳格化されて、それに伴い商品開発を行ってきています。
現在のものは、軽量化されて非常に動きやすく、可能な限り選手に負担を与えない事を目的とした設計にしています。
――日本代表選手が着用する柔道衣
上村:ミズノは、日本代表用の柔道衣を扱っていますので、選手や指導者の方に多くのヒアリングを行い、徹底して開発に取り組んできました。そこが我々の強みであると思っています。
今回のトップモデルは、素材の開発に非常に時間がかかりました。従来のルールでは綿素材のみ使用可能でした。ルール改正により、化学繊維も使用可能になり、化学繊維をどのように上手く活かすかを考えましたね。
選手は、試合中に柔道衣を手で強く握りますので、その感覚が変わらないように細心の注意を払いました。このバランスを取るのが非常に難しかったですね。もっと時間が欲しい位でありましたし、本当に大変でした。
――柔道衣のルールが厳しい中でできること
上村:ルールが厳格化されて自由にできるということが限られています。試合中に組みやすくして、逃げ回る柔道ではなくて、攻撃的に1本を取りに行く柔道を国際柔道連盟が目指しています。そのようなこともあって、捕まりにくいような柔道衣ではなくて、がっちり組みやすい形で、とても動きやすい軽い柔道衣を作ることができました。自分がつかみやすくて、捕まりにくい柔道衣を着たいと仰っている柔道家の方もいましたね(笑)。
パンツは、動きやすくて太くないものの方が良いという声が非常に多かったです。細くし過ぎても動きにくくなります。太いと動きやすくなりますが、捕まれやすくもなり、バタバタしすぎて動きにくくもなります。ですので、上手くバランスをとりながら設計しました。
投げ技で柔道衣へのダメージはあまりないですが、寝技は柔道衣へのと負担がかかります。選手にとってストレスがないようなものになっています。
――今後の展望について
上村:ルールがある中で、ミズノとして進化できるようにチャレンジしていきたいですね。
これからも、柔道家の方にとって、動きやすくて望まれている着心地感がある柔道衣にしていきたいなと思っています。 (了)
ミズノ柔道
https://www.mizuno.jp/judo/
取材協力/ミズノ株式会社
写真提供/ミズノ株式会社
取材写真/佐久間秀実