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元体育会ソッカー部な国会議員!元榮太一郎(参議院議員&弁護士ドットコム株式会社 代表取締役会長)のJリーグを世界一のリーグへ 「第2回:株式会社ガンバ大阪前社長 野呂輝久Vol.3」

1993年当時のJリーグと同時期にスタートしたイングランドのプレミアリーグの市場価値は1対1であった。しかし、現在ではかなりの差をつけられている。「どうすればJリーグがプレミアリーグに追いつくほど盛り上がるのか?サッカーに携わる方々の待遇がより良くなるのか?」そんな課題に対して、元体育会ソッカー部の元榮太一郎が動いた。サッカー関係者から話を聞き、実行に移していく新企画。 第2弾は、ガンバ大阪の前社長として、パナソニックスタジアム吹田の建設などに尽力された野呂輝久氏との対談をお送りする。進行役はKING GEARの発起人である金子達仁が務めた。

Icon     白鳥純一 | 2019/11/09

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元榮:
パナソニックスタジアム吹田以外で、オススメのスタジアムはありますか?日本にあるスタジアムについて感じていらっしゃることもございましたら、教えていただきたいです。    

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野呂:
  吹田以外で、ですか?うーん。あえて言うなら、埼玉スタジアム2002でしょうか…。観客動員数も63700人で規模も大きく、ピッチも近い。

 でも、埼玉スタジアム2002には芝生が育ちにくいと言うことで、ゴール裏には屋根がありません。あとは、何と言っても立地の問題がありますよね。

元榮: 
 確かに、街から少し離れた場所にありますよね。

 野呂:
 ここに限ったことではありませんが、日本のスタジアムの多くは立地の問題がありますよね。街の中心部からは離れていて、「僻地」にあることが多い。

でも甲子園球場などは、駅の近所にあって、利便性も抜群です。 プレミアリーグとかは街の中心にスタジアムがあるので、その辺りは課題だなと思っています。     

元榮:  確かにそうですね。ヨーロッパのスタジアムは、街中に「ドーン」ってありますよね。なぜそのような違いがあるのでしょうか?

 野呂:  海外の事例を見ると、「サッカー場」って、もともと僻地にあったらしいんですよ。でもスタジアムができた後、徐々に鉄道の駅が出来たりして、新たに街が作られていったそうです。    

元榮:  なるほど。スタジアムを中心に街ができていくといったということでしょうか。日本においては、まだまだ課題がありそうですね。

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    — — —カタールワールドカップのスタジアムを建設したドイツの企業は、「21世紀のスタジアムは大聖堂だった」と言っているそうです。僻地にあるスタジアムでも、交通アクセスの改善があれば、集客の可能性があるように思うのですが?  

 野呂: パナソニックスタジアム吹田も、行政から環境アセスメントについて指摘されることがあったので、公共交通機関を推奨しています。でも、駐車場自体は10000台分くらいあるんです。

ただ、サッカーの場合には、試合が終わったら時に同じタイミングで帰られるので、3000台をいっぺんに出入りし、渋滞を引き起こしてしまうと言うのが問題ですね。スタジアムがもっとローカルな地域にある場合には、もともと道が混み合わないので、車でも問題ないと思います。

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元榮: 
確かにアクセス面はハードルですよね。なぜ、都心にスタジアムを作らないのでしょうか?

 野呂: スタジアムを建設する際に、お金を出しているのは自治体です。つまり、税金を元手するので、地価が高い場所には建設出来ないですよ。そうなると市街地の外れや、アクセスの悪いエリアがほとんどになってしまう。

元榮: 都心の再開発エリアなどはどうでしょうか?      

 野呂: 都心に作る場合には、商業施設と併設するような形になると思うのですが、今度は芝生の問題が出てきますね。  

 サッカーは天然芝でないといけないので、そこが課題です。芝生を育てられるのは、雨と風と太陽光がある環境ですから。  

元榮: なるほど。予算に加えて、天然芝を育てられる場所と言うことになると、限られてしまうんですね。  

 野呂: 最近は、人工芝も良くなってきています。オランダやロシア、アメリカなどでは人工芝のグラウンドで公式戦も行われているので、このあたりの技術が進歩すれば、街中のスタジアムの可能性は広がりますね。  

現在、芝生をメンテナンスするために、スタジアムを使える日が、年間40〜50日程度に限られています。人工芝に変えれば、東京ドームのような70試合の公式戦に加え、さまざまなイベントに利用することもできるので、収益性も上げられると思います。

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元榮: 天然芝のグラウンドは、使用頻度も限られてしまいますからね。  
 
野呂:
  東京ドームの収益は、年間300億円と言われています。Jリーグで一番収益を上げているヴィッセル神戸が96億円ですから、およそ3倍ですよね。

元榮: (収益が)そんなにあるんですか。民間によるスタジアムの設立運営は、可能性があると言うことでしょうか?   
 
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野呂:
  確かに民間による建設や運営は魅力的なんですが、900億円ほどの予算が必要になります。現在のJリーグチームの事業規模では厳しいですね。だいたい35億円とかのケースが多いですから。プランに見合っていないですね。

 現在のJリーグの事業規模だと難しいですが、事業規模を拡大すれば、新たなビジネスプランの可能性も出てくると言うことですね。 

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   — — —スタジアムを中心にした街づくりを推進する自治体を作るには、誰が何をすればいいですか? 

元榮: 
まずは選挙で、スタジアム建設への想いが強い市長を誕生させることですね。

 次に、市長をサポートしてくれる市議会議員を選挙で当選させ、議会を運営する必要があります。大阪維新の会がやっているようなモデルを、自治体でも導入するようなイメージです。   その後は、総務省との調整ですね。新しい取り組みを始めるにあたっては、さまざまなことを要求されると思うので、折り合いをつけることも大切だと思います。    

 野呂:  吹田市長もスタジアム建設に熱心な方でした。良い意味で「狂信的」と言ってもいいかもしれません。      

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元榮: 
「設備が整ったスタジアムでスポーツを見るのは最高」と言う価値観を持つ方々が増えて、それが票になると言う土壌を作ることが大切ですね。

スタジアムも市の貴重な財産になりますから。   あとは、スタジアムの施設利用に関して、チームにどの程度の権限が与えられるかという裁量でしょうか。  

 野呂: 日本には、まだまだサッカー専用のスタジアムが少ない現状があり、ようやくスタートラインに立ったと言う印象です。

Jリーグには、55クラブもありますからね。試合がある日のスタジアムに3年間立ち続け、募金を集めた甲斐がありました。

これからも、地元の方やファンに愛されるスタジアムを作っていきたいと思っています。