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2020 東京五輪注目競技! 7 人制ラグビーって、どんなスポーツ? 「15 人制よりも 7 人制が普及している国とは。」

2020 年東京オリンピック正式競技の 1 つ、「7 人制ラグビー」。日本代表として最多出場記 録を持つ、「ミスターセブンズ」坂井克行選手が、この競技について語る本連載。第 2 回目の今回は、世界における普及、プレースタイル、「外国人」選手など、世界の 7 人制ラグビ ー事情について、坂井選手にご説明頂きました。

Icon     白鳥純一 | 2020/03/13
――日本では、あまり 7 人制を見る機会がありません。海外の状況を教えて下さい。

15 人制と 7 人制の両方が強い、結果を出している国は、それぞれを全くの別物として捉え ています。

セブンズの代表選手が、それぞれの国の協会とプロ契約をしていますが、15 人 制のプレーはしません。二足の草鞋は履かず、セブンズ一本に絞る、これが世界では当たり前になっています。

聞いた話なので確証はありませんが、セブンズ強国のフィジーの場合、7 人制の代表になれなかった選手が 15 人制の代表を目指すそうです。それぐらい、フィジーではセブンズの人気が高いんです。

2016 年のリオ五輪でフィジーが金メダルを獲得したとき、空港からバスで普段は 1 時間の道が、通過するのに 5 時間かかったそうです。 そのぐらい国民がセブンズを愛しています。15 人制の世界ランキングでは、そこまで高い位置にはいません。セブンズが盛んな国なのです。
 
――他、15 人制よりも 7 人制が普及している国は、ありますか?

あまり 15 人制では聞いたこともないような国の 1 つに、ケニアがあります。ちょっと失礼 かもしれませんが、個人的には、ケニアが 15 人制でプレーしているところを見たことがありません。

ですが、セブンズでオリンピックに出場しています。しかも、世界のトライランキング 2 位に入るような、レジェンド級の選手もいます。

ケニア特有の、「デカくて速くて強い」という身体能力の高さがあり、セブンズなら世界の上位に食い込むチャンスを持 っています。アメリカもセブンズが強い国の 1 つです。
 
――アジアにも、そういった国はあるのでしょうか?

スリランカがそうですね。15 人制では、ジャパンがスリランカと試合をしたら、100 点差がつくと思いますが、セブンズのスリランカは足が速くて強く、なめていたら足元を掬わ れる、そういうマインドで僕らは戦いっています。

ここ 5、6 年で強化が進んでいますね。 国内の大会も盛んで、世界の有名選手が、スリランカの大会に出場することもあると聞い ています。
 
――強さや速さなど、身体特性のお話が出ました。各国の戦い方の特色についても教えて下さい。

少し専門的になりますが、ラック(※選手がタックルを受けた後など、地上にあるボールの争奪でできる密集)ベースでどうするかということがあります。

大きく分けると、「ランニングベース」で攻撃するチームと、「パスベース」で攻撃するチーム、2 つのタイプがあります。

ランニングベースのチームは、ボールを持って走ってディフェンスを動かし、そこで生まれたスペースに、また次の選手が走りこむラグビーです。

もう 1 つのパスベースのチームは、パスを振って振って相手を動かし、それでできたスペースに、またパスで振 ってトライを取りに行くラグビーです。フィジーは、どちらかというと、パスベースです。 高い身体能力を活かし、1 人の選手にディフェンス 2 人が寄ってきたところを、大きなワンハンドパスを通し、大きなフィジアンステップで仕留めるラグビーです。

南アフリカやアメリカは、どちらかというと、ランニングベースです。アメリカは、アメフトや陸上出身 の、100m10 秒台の選手が走り込み、更に重ねて走り切るラグビーをします。ジャパンは、この 2 つのスタイル間を取っています。

――セブンズに限らず、15 人制でも日本代表には「外国人選手」が多く含まれています。

ラグビーの場合、一定の要件を満たせば、国籍を持たない国の代表になることができます。 

そのため、日本代表にも、海外出身の選手が多く存在します。当然、自分の出身国の代表を選ぶか日本を選ぶか、その選択を迫られますが、彼らは日本代表を選んでくれました。 そのことに関し、非常に感謝しています。

7 人制でオリンピックに出場するには、その国のパスポートを取得する必要があります。つまり、彼らは、国籍を変えてまで日本代表を選択してくれたのです。その意味で、彼らのことは、「助っ人」ではなく、本当に「仲間」だ と思っています。

――どんな経緯で日本代表となった選手が多いのでしょう?

大学に留学生としてやって来て、そのまま日本に残り、日本代表を選んでくれた選手が多いです。彼らは、大学の 4 年間で、寮生活を経験しています。日本語がペラペラの選手もいますし、敬語が使える選手もいます。そういう意味では、日本の心を持った外国人です。 

一緒に食事を取っている中で、家族の話、なぜ日本に来たのかといった話や、将来日本にいたいのかという話もします。ずっと日本にいたいという選手も、結構多いです。助っ人 ではなく、日本を代表し、日の丸を背負って戦っている選手と捉えて、彼らのプレーを見て欲しいです。

――7 人制代表の年間スケジュールについても、ご説明下さい。

15 人制のシーズンは、ほぼ決まっています。6 月と 11 月が代表の活動期間となり、4 年に 1 回 W 杯があります。それに応じて、日本では 9 月から 1 月までが通常のシーズンとなります。ですが、セブンズの場合、ほぼオールシーズンで活動しています。

1 番有名なワールドラグビーセブンズシリーズは、12 月から 6 月まで行われます。その間、9 月から 11 月に かけて、アジアのシリーズも開催されます。つまり、ほぼ 1 年を通して、世界中で大会が行われているんです。
 
――7 人制をやっていたからこそ行けた国もありそうですね。

嬉しいことに、南極以外の 5 大陸は制覇させて頂きました(笑)。普段いけない国や、ラグビーをやっていなかったら旅行で行くことのない国に行けたことは、セブンズの特権かなと思います。まさか、こんなに海外に行くとは思っていませんでした。閉所恐怖症気味で、飛行機がちょっと苦手なんですけどね(笑)


vol.3に続く。

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PROFILE
坂井 克行 (さかい かつゆき)
7 人制ラグビー日本代表
1988年9月7日生まれ 三重県出身
身長 172cm/体重 85kg
三重県立四日市農芸高校でラグビーを始め、早稲田大学に進学、現在は豊田自動織機シャ トルズに所属。
2010 年、大学 4 年時に召集されて以来、10 年以上に渡り 7 人制ラグビー日本代表で活躍す る「ミスターセブンズ」。ピンポイントで蹴り上げるキックオフのドロップキックなどを武 器に、2016 年リオ五輪では日本代表の 4 位入賞に貢献した。
7 人制日本代表での出場試合数は歴代最多。


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