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長距離ランナーの御託・藤原新Vol.6 グラウンド編「パティークは、靴の方から足に吸い付いてきてくれる」

ロンドン・オリンピックのマラソン日本代表、藤原新選手が選ぶ「10㎞走っても疲れの少ないスパイク」。前回はプーマのパラメヒコに高評価を与えた藤原選手。今回トライするのはアディダスの「パティーク・グローロ16・1」。はたして、その評価はいかに・・・?

Icon kaneko 金子 達仁 | 2016/10/26
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──続いてはアディダスのパティークグローロ16・1です。走ってみてのご感想は?

藤原 「まず最初に感じたのが足入れ感の良さ。すごく好き。パラメヒコよりもさらにフィットする感じです。しかも、そのフィットの感覚が、足を靴の形状に合わせるっていうんじゃなくて、靴の方が足に吸いついてきてくれる感じ。これがもしランニングシューズだと、ちょっとフィット感ありすぎかなって思うぐらい(笑)」  

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──ちなみに、藤原選手がランニングシューズに求めるフィット感とは?


藤原「ぎゅう、じゃなくてピタッ。少しぐらい遊びがあってもいいかなってぐらい。ただ、このパティークグローロってモデル、実際に走ってみると、このフィット感がちょうどよく思えてくるんですよ。ストライドを伸ばした時のアッパーの折れ方も全然問題ないし。率直に言わせてもらうと、さっき履いたパラメヒコより一つひとつのパラメーターが少しずつ上を行ってる感じです」  

──お、パラメヒコを上回りましたか。

藤原 「踵(かかと)のホールド感もいいんですよ。あ、ぼくが言う“いい”っていうのは、ホールドしすぎないって面もあります。ランニングをする上で、抵抗にならない程度の、でもちゃんとホールドしてくれてるっていうか。あと、これは完全な素人目線なんですけど、履いた感じ、ボールが蹴りやすそうだなっていうのも(笑)」  

──へえ、それはアッパーの質感がそう言わせるんですか?

藤原 「素人に突っ込まないでください(笑)。あくまでランナー目線に戻りますけど、このシューズ、インナーソールもすごくいいですね」

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──どのあたりが?

藤原「ここの収まりが物凄くいいんです、土踏まずのところ。シュッとするっていうか(笑)」  

──シュッ?(笑)

藤原「シュッ(笑)。これは単純にぼくの足の形状にピッタリだってだけなのかもしれませんけど、ああ走りたいな、ストレスなく走れそうだなって感じなんです」  

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──お店でいろんなスパイクを手にとっていただいた段階で、アディダスの最新スパイクに関しては、結構辛口というか、足幅が広すぎて靴の中で足が遊んじゃう、みたいなことをおっしゃってたじゃないですか。それに比べて、このパティークグローロはいかがです?


藤原 「あの『エックス』ってスパイクは、ちょっと足首周りが固まりすぎている感じがしたんです。補強が多く入りすぎてるっていうか。あれだと、走る時にガチガチした形になっちゃうかなってイメージがあったんですけど、このパティークグローロは全然違いますね」  

──お店で履いた感じだと、パラメヒコが一番のお気に入りでしたよね?

藤原「ですね。でも、実際にグラウンドで履いてみると、また印象って変わってくるもんなんだな、と。たとえば、お店の中だと、パラメヒコに比べてパティークグローロは突き上げの強さが気になったんですけど、こうやって柔らかめの人工芝の上で履いている分には、こっちの方がちょうどいい。あと、サッカー用のストッキングを履くか履かないかでも、ずいぶん違ってくると思います」  

──あ、そういえばお店ではランニング用の薄い靴下を履かれてましたもんね。

藤原「サッカー用のストッキングの方が、だいぶ分厚いじゃないですか。レースの時は裸足で走るぼくみたいなランナーからすると、女性にたとえるとスッピンとフルメイク‥‥ひょっとしたらそれ以上の違いがあるかもしれない(笑)。というか、サッカーって裸足でプレーしちゃいけないんですか?」  

──残念ながら、NGです。ストッキングを足首までずり下ろしてプレーしてもよかった時代なら、そういうのもアリだったかもしれませんけどね。。では、続いては、サッカー界にとってはニューカマー、アンダーアーマのクラッチフィットフォース2・0をお願いします。

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藤原
「了解。じゃ、行ってきます!」 (以下次号へ)