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英雄たちが愛した歴史的スパイクVOL.23『英雄もこだわった(?)トレーニングシューズ編』

新たな日本代表が始動しました。わりと山の中にあるスタジアムで活躍されている(いた)広島の英雄の方々が、まばゆいスポットライトを浴びて躍動していたのが地元県民として嬉しく、誇らしく思いました。今回の代表では、初めて自分より若い方が監督になられたことに月日の流れを感じます。

Icon 29634314 1815368455432881 1085668874 o 小西博昭 | 2018/09/18
長年の癖で、どうしても代表メンバーの足元が気になるのですが、現役選手のスパイクについてはさっぱりわかりません。 

しかし、チームスタッフの足元はまだまだ真剣に観察してしまいますが、やはり世代交代を感じます。 

巻頭写真はロシア大会前の強化試合の時ですが、選手のスパイクと同様、スタッフの履き物もかなり人それぞれです。
西野前監督はトレーニング時に、(おそらく)90年代からあるコパムンシリーズのムンディアルチームを履かれていました。ちなみにその前の監督は(いつもではなかったようですが)コパムンをお使いでした。 

現監督の森保コーチ、一つ年上の手倉森コーチがお使いのシューズ(スパイク)も同じように見えますが、それぞれ別のモデルで、明らかにコパムンシリーズより後発モデルです。 

Thumb efbc91図1 同じ黒に白ラインでも、皆さん違う種類のモデルを履かれています。    

私は年齢的に西野さんより森保さんの方がずっと近いのですが、サッカー用品店にムンディアルチームとコパとパティークが並んでいたら、間違いなくムンディアルチームを手にとって眺めてしまいます。 

古いサッカースパイクを集めていて、珍しい物が手に入るとそれなりに嬉しくは思いますが、一番のフラストレーションは実際には(もったいなくて)使えないことです。 

普段履きのトレーニングシューズ(トレシュー)ぐらいは知識もないため気軽に選ぼうと思うのですが、昔のスパイクに似た物があると、ついつい必要以上に衝動買いしてしまうことがあります。 

一時期、ムンディアルチームが廃盤になるとの噂(?)があり、その頃限定版がやたらと登場し、何となく購入してしまいました。

Thumb efbc92図2 手前2つは現行のムンディアルゴール(平底)とチーム(マルチスタッド)。現在使用中のムンディアルチームがなくなったら困るので予備用を購入する際に限定版が何種類も登場し、衝動買いしたのが他4種です。

まんまと術中にはまった感じで、さらに薄緑色の限定版も発売されましたが、さすがにそれは買いませんでした。
  

世代的にコパムン好きで、ムンディアルチームやゴールも嫌いではないのですが、もう少し軽快感(?)のある、できれば80年代のコパムンのデザインに近い(15話(http://king-gear.com/articles/866)をご参照下さい)普段履きはないのかと常々思っていました。 

古いスパイクを集めだし、ついでに衝動買いした物が図3です。SAMBAやBAMBAは80年代でも黒に白ラインのトレシューとして販売されていたと思いますが、通常モデルとは異なる、コパムンのデザインに似たモデル(左上下)が時々作られたようです。 

また、コパムン発売25周年時に出たと思われるモデル(右上)や、2010年W杯時に発売されたVOTARYなどもいい感じです。
右下は大国の違法コピー品ですが、ラインやマークの作りが粗雑で、革もかなり質が悪そうですが、ソールはフットサルにはとてもよい感じです。本家にこれと全く同じ仕様はないと思いますが、こんなモデルがあったら間違いなく購入します。

Thumb efbc93図3 SAMBA JP(左上)、CM25(右上)、BAMBA TR(左下)、 VOTARY(下中) 。SAMBA JPはデザイン的に私には一番しっくりきます。VOTARYは黒白が欲しいですが、なかなか見つからないです。

右下は購入時、税関で没収されそうになった物。アディダスに使用しない条件でという内容の陳情書を書いて何とか入手しました。ムンディアルチームの原色カラフル版や、ロシア大会審判バージョンも既にネット販売されているようですが、多分この類だと思います。


図4(右下)のMADE IN KOREAのKiKAというメーカーのトレシューもコパムンに結構似ています。以前、プロウェルキックという韓国製スパイクを少しご紹介しましたが(8話(http://king-gear.com/articles/779)をご参照ください)、そちらは80年代の日本のサッカー雑誌に広告があり、購入も可能でした。
 

KiKAは現在もサッカー用品を製造販売しているようですが、80年代は韓国代表選手が履いているシューズしか見たことがありませんでした。 

図4左は85年の伝説の日韓戦(国立)で、KiKAのスパイクを履く朴昌善選手です。 話がそれて恐縮ですが、普段アディダスユーザーだった水沼選手は、この試合でデビューしたパラメヒコを履いて臨んだものの(7話(http://king-gear.com/articles/774)をご参照下さい)、精彩を欠いて戦犯扱いされ(図5右上)、アウェイの第2戦はベンチ外だったことを知りました。やはりプーマが合わなかったのか?ぜひお聞きしたいものです。  

Thumb efbc94図4 試合前の日韓の主将(左)。加藤久選手はアシックスをプーマに見えるようにしていましたので(4話(http://king-gear.com/articles/753)をご参照下さい)、主将のスパイクも日韓対決でした。

この頃は審判もプーマ(アディダス以外)のスパイクを履いていることもありました。右下のKiKA
のトレシューはいつ製造されたかは不明ですが、かなり古いようでソールは硬化しています。
  

さて、審判も昔からスパイク派とトレシュー派がいたようで、今年のW杯でもムンディアルチームを履く方が結構おられました(図5左)。 

審判のスパイクについては以前少し触れましたが(12話(http://king-gear.com/articles/836)をご参照下さい)、W杯の審判ともなると80年代でもスパイク派の方はその当時のトップモデルを履かれていたと思います。 

一方、昔のトレシュー派審判で多かったモデルはソールに3色のピンをねじ込むタイプで、近年復刻もされたLAトレーナーに似たモデルでした。 

Thumb efbc95図5 W杯審判の方々。左から2018年、1982年、1986年で、82年の写真では、主審はスパイクで、副審(この頃は線審)はトレシューです。 

開幕戦のベルギー戦で、パサレラ選手(15番)はこの試合のみプーマの白シュータンモデルを履いています。しかし、負けてしまったためか、次の試合からは優勝した前回大会で履いていたような黒シュータンモデルに替えられたようです(こちら(http://king-gear.com/articles/89
)に写真があります)。
86年に写っているコンティ選手はプーマですが、ソールが真っ黒で珍しいモデルと思います。   

図5で、82、86年のどちらのW杯審判も使用していたシューズは図6左下のモデルで、とても高額でした。 大半のスパイクが黒に白ラインだった高校生の頃、トレシューまで同じ色を履く若者はあまりいなかったと思います。 

当時、強豪高校のチーム全員がカラフルなトレシューをお揃いで履いているのに憧れ、図6のリバプレートが安売りになった時に現金書留の通販で買った覚えがあります。

Thumb efbc96図6 80年代前半のトレシューの一例。 真面目にトレーニングする目的よりも、サッカー部員の通学、遠征時のファッションアイテム的な存在だったと思います。野球部ではこんなシューズは履けませんでした。 

当時、帝京高校サッカー部員のトレシューは、緩めに通したヒモを結ばずに先端を玉止め(玉結び?)して、ストッパーにしていたのがカッコよくて真似していました(図8
のトレシューのような感じ)。
  

古いトレシューはスニーカーと同じく、ソールが劣化して履けない物が多いですし、メーカーによってクラシックタイプの物が今でも販売されているので、敢えて昔の物を購入するつもりはありませんでしたが、西ドイツ製のBOCAは衝動買いしました(図7右上)。

現代版BOCAのようなMEXICO ITやTTも近年販売されていたようですが、現在は廃盤なのが残念です。

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図7 スパイクに比べて珍しいトレシューを履いた神の左足(左上)。 右上はBOCA。下はパラメヒコシリーズのメキシコITとTT。アッパーはパラメヒコとほぼ同じですが、日本製パラメヒコと異なり中国製です。

 ITは個人的にフットサルで重宝しており、予備の必要性を感じますが、なかなか見つからないので再販してほしいものです。   

最後は神話題で、最近のサッカーイベントにはプーマの現行モデルでプレーされることが多いですが、図8左は神が珍しくアシックスシューズを履いている写真です(98年)。 

ミズノはスパイクも使用されたことがあるので、トレシューも履かれたことがあったようですが、アシックスはこの時しか見たことがありません。

Thumb efbc98図8 以前購入したスパイクのおまけでついてきたトレシュー(右下)。 かなり使い込まれていますが、昔のモデルは今となっては貴重品のようです。

前所有者も同世代の方だったのか、ヒモの結び方が自分と同じ感じでした。神も使ったモデルのようですし大事にしたいと思います。
  

次回は今回からの話の流れで神に愛された日本製スパイクについて書こうと思います。 

(画像は加藤久著「完全敵地」、サッカーマガジン、ダイジェスト、イレブン、ゲッティイメージズなどから引用) 



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神に愛された西独製サッカースパイク』
80年代に数々の伝説を生んだサッカー界のスーパースターを足元から考察した論考。