偶然の連続でビジャのパートナーに(Vol.3)
ヴィッセル神戸で引退したばかりのダビド・ビジャが経営し、世界6カ国、7都市に展開している DV7 Soccer Academy。7ヶ国目となる日本校が今春にスタートする。その経緯を日本におけるビジャのパートナーとなった、So Good Groupの小野壮彦氏と三宅亮輔氏に聞いた。
菊池 康平
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2020/02/21
Vol.2はこちらから
――そんなビジャを慕ってDV7に入って来たメンバーもいますよね?
小野:今集まってきている世界のDV7メンバーは物凄くモチベーションが高くて、優秀なんです。コーチングスタッフだけではなくて、マーケティングスタッフやデザインスタッフなどもそれぞれが、いろんな国に散らばっています。
グローバルのバーチャル組織でして、同じ所にオフィスがあって、毎日顔をあわせるような仕事の仕方はやっていないんですよ。
ニューヨーク、マイアミ、マドリード、バレンシアで各自が活動し、それぞれが、ものすごく濃く、有機的に繋がっています。
あとは、一つのキッズ向けサッカースクールとしては、ありえないくらい優秀な、コーチングスタッフが集まっています。リーダーのジュゼップ・ゴンバウはバルセロナのカンテラの育成メソドロジーを磨き込んできた方で、スペインサッカー協会の集まりでは、プロの監督やコーチの方々に対して講演をするような方なんです。
本当はもっと上のカテゴリーでコーチングできるスタッフも、ビジャと仕事したい。ビジャの夢に乗りたいと、DV7の仲間になっています。
今回、日本のスクールのディレクターに主任する予定のスペイン人コーチも、UEFA Proライセンスを持っていて、リーガのクラブで働いていた人です。
――ビジャと一緒に働きたいという一心で集まってきているんですね。
三宅:いちばん最初にビジャから言われたのは、「このDV7は、俺は本気でコミットしてやっているから」と。
――どういうことですか?
三宅:正直、スーパースターが名前だけを貸してライセンス料をもらっているケースが、多くあります。また、スクール事業を商業的にしか見ていないビッグクラブもあるような話は聞いています。
そういうことに対してビジャは凄く否定的でして。本人としては、世界中のD V7スクールをまわり、現場に出て、子供達の指導をやると、繰り返し言っていました。
小野:サインして、写真を撮ったら、もう二度とあらわれない。みたいなことはしたくないって言ってたね。
――本当に熱い方ですね!
小野:ビジャの知名度や、メソドロジーは、すごいものがあるんですが、突き詰めると、子供と親御様にとっては、日々のコーチの指導が全てじゃないですか。ビジャやビクトールもそこをよく分かっていまして、D V7は、指導者の質だけは妥協したくないと言っています。
――他のスクールとの差別化要素は?
小野:まずは、現代スペインサッカーと育成の様々な要素を落とし込んで作り上げた、オリジナルのメソドロジーがあることです。
先ほどお話した、F Cバルセロナのカンテラで働いていた、ジュゼップが作った育成メソッドを下敷きにして、ビジャが自らプレイヤーとして経験してきた、ペップやシメオネ、アラゴネスなど、様々な監督から学んだこと、練習方法などを加えた、独自のメソッドになっています。
これを使って、D V7では、世界中で同じ哲学、プレーモデルで指導していきます。
――その中でも特に、日本の育成と違う点は、どこになるのでしょう?
三宅:D V7は、スペイン流のポゼッションサッカーをする上で重要な、理にかなった身体の向きや、適切なポジショニングを取り続けることを、自然と学べるようなプログラムになっていますが、そういった観点を学べるのは、日本の場合、中学生世代から上のことが多いように思います。D V7ではそれらを細かく身につけられるのが特徴だと思います。
小野:もう一つの特徴としては、各国にDV7コーチのディレクターがいるのですが、毎週細かく連絡を取り合っています。指導の方向性や練習のクオリティなど、日々の学びを話し合っているんです。
時には、「うちのスクールには、こんな特徴のある子供がいるよ」という話にもなります。それだけが目的ではないですが、明確な国外でのステップアップの道筋を用意できることもDV7の特徴です。
例えば、昨年D V7プエルトリコ校でプレーしていた子供が、D V7ネットワークを活用し、奨学金を勝ちとって、アメリカのハイスクールに入ったんです。
ビジャがニューヨークでのプレー経験があることもあり、DV7はハイスクール、カレッジ、そしてMLSクラブと繋がっているのです。
また、ビクトールがエージェント・チームを経営しているので、世界中の有力プロチームに、DV7から上がってきた子供達を紹介することができるんです。
本当に可能性がある子は、グラスルーツtoトップということで、キャリアの早い段階でリーガの下部または、アメリカのクラブから上がっていき、トップクラブでプレーできる日本人を生み出せる可能性はあると考えています。
――海外とのネットワークがあり、頑張り次第では海外への道もあるということですね。
小野:本格的な移籍とまで行かなくても、海外のDV7チームと練習試合やキャンプなどを組むことで、日本の子供たちに「リアルに海外って行けるんだ、遠い世界ではないんだ」というイメージを持ってもらって、どんどん海を渡って勝負してもらえたらと考えています。
――最後にこれからの目標を教えてください。
小野:メソッドもありますが、地道に良い指導者が子供たちへしっかりとした日々の指導をしていくことが最も大事だと考えています。
まずは10年かけて地道にやっていって、はじめてスタートに立てるかも、くらいの時間軸でのイメージと覚悟は持っています。育成にショートカットはないだろうな、と思うのです。でも、だからこそ、楽しみですね。
(了)
DV7 SOCCER ACADEMY
https://www.dv7soccer.jp/
――そんなビジャを慕ってDV7に入って来たメンバーもいますよね?
小野:今集まってきている世界のDV7メンバーは物凄くモチベーションが高くて、優秀なんです。コーチングスタッフだけではなくて、マーケティングスタッフやデザインスタッフなどもそれぞれが、いろんな国に散らばっています。
グローバルのバーチャル組織でして、同じ所にオフィスがあって、毎日顔をあわせるような仕事の仕方はやっていないんですよ。
ニューヨーク、マイアミ、マドリード、バレンシアで各自が活動し、それぞれが、ものすごく濃く、有機的に繋がっています。
あとは、一つのキッズ向けサッカースクールとしては、ありえないくらい優秀な、コーチングスタッフが集まっています。リーダーのジュゼップ・ゴンバウはバルセロナのカンテラの育成メソドロジーを磨き込んできた方で、スペインサッカー協会の集まりでは、プロの監督やコーチの方々に対して講演をするような方なんです。
本当はもっと上のカテゴリーでコーチングできるスタッフも、ビジャと仕事したい。ビジャの夢に乗りたいと、DV7の仲間になっています。
今回、日本のスクールのディレクターに主任する予定のスペイン人コーチも、UEFA Proライセンスを持っていて、リーガのクラブで働いていた人です。
――ビジャと一緒に働きたいという一心で集まってきているんですね。
三宅:いちばん最初にビジャから言われたのは、「このDV7は、俺は本気でコミットしてやっているから」と。
――どういうことですか?
三宅:正直、スーパースターが名前だけを貸してライセンス料をもらっているケースが、多くあります。また、スクール事業を商業的にしか見ていないビッグクラブもあるような話は聞いています。
そういうことに対してビジャは凄く否定的でして。本人としては、世界中のD V7スクールをまわり、現場に出て、子供達の指導をやると、繰り返し言っていました。
小野:サインして、写真を撮ったら、もう二度とあらわれない。みたいなことはしたくないって言ってたね。
――本当に熱い方ですね!
小野:ビジャの知名度や、メソドロジーは、すごいものがあるんですが、突き詰めると、子供と親御様にとっては、日々のコーチの指導が全てじゃないですか。ビジャやビクトールもそこをよく分かっていまして、D V7は、指導者の質だけは妥協したくないと言っています。
――他のスクールとの差別化要素は?
小野:まずは、現代スペインサッカーと育成の様々な要素を落とし込んで作り上げた、オリジナルのメソドロジーがあることです。
先ほどお話した、F Cバルセロナのカンテラで働いていた、ジュゼップが作った育成メソッドを下敷きにして、ビジャが自らプレイヤーとして経験してきた、ペップやシメオネ、アラゴネスなど、様々な監督から学んだこと、練習方法などを加えた、独自のメソッドになっています。
これを使って、D V7では、世界中で同じ哲学、プレーモデルで指導していきます。
――その中でも特に、日本の育成と違う点は、どこになるのでしょう?
三宅:D V7は、スペイン流のポゼッションサッカーをする上で重要な、理にかなった身体の向きや、適切なポジショニングを取り続けることを、自然と学べるようなプログラムになっていますが、そういった観点を学べるのは、日本の場合、中学生世代から上のことが多いように思います。D V7ではそれらを細かく身につけられるのが特徴だと思います。
小野:もう一つの特徴としては、各国にDV7コーチのディレクターがいるのですが、毎週細かく連絡を取り合っています。指導の方向性や練習のクオリティなど、日々の学びを話し合っているんです。
時には、「うちのスクールには、こんな特徴のある子供がいるよ」という話にもなります。それだけが目的ではないですが、明確な国外でのステップアップの道筋を用意できることもDV7の特徴です。
例えば、昨年D V7プエルトリコ校でプレーしていた子供が、D V7ネットワークを活用し、奨学金を勝ちとって、アメリカのハイスクールに入ったんです。
ビジャがニューヨークでのプレー経験があることもあり、DV7はハイスクール、カレッジ、そしてMLSクラブと繋がっているのです。
また、ビクトールがエージェント・チームを経営しているので、世界中の有力プロチームに、DV7から上がってきた子供達を紹介することができるんです。
本当に可能性がある子は、グラスルーツtoトップということで、キャリアの早い段階でリーガの下部または、アメリカのクラブから上がっていき、トップクラブでプレーできる日本人を生み出せる可能性はあると考えています。
――海外とのネットワークがあり、頑張り次第では海外への道もあるということですね。
小野:本格的な移籍とまで行かなくても、海外のDV7チームと練習試合やキャンプなどを組むことで、日本の子供たちに「リアルに海外って行けるんだ、遠い世界ではないんだ」というイメージを持ってもらって、どんどん海を渡って勝負してもらえたらと考えています。
――最後にこれからの目標を教えてください。
小野:メソッドもありますが、地道に良い指導者が子供たちへしっかりとした日々の指導をしていくことが最も大事だと考えています。
まずは10年かけて地道にやっていって、はじめてスタートに立てるかも、くらいの時間軸でのイメージと覚悟は持っています。育成にショートカットはないだろうな、と思うのです。でも、だからこそ、楽しみですね。
(了)
DV7 SOCCER ACADEMY
https://www.dv7soccer.jp/