元体育会ソッカー部な国会議員!元榮太一郎(参議院議員&弁護士ドットコム株式会社 代表取締役会長)のJリーグを世界一のリーグへ 「第3回:仲山考材(株)代表取締役&楽天大学 学長 仲山進也 Vol.3」
1993年当時のJリーグと同時期にスタートしたイングランドのプレミアリーグの市場価値は1対1であった。しかし、現在ではかなりの差をつけられている。「どうすればJリーグがプレミアリーグに追いつくほど盛り上がるのか?サッカーに携わる方々の待遇がより良くなるのか?」そんな課題に対して、元体育会ソッカー部の元榮太一郎が動いた。サッカー関係者から話を聞き、実行に移していく新企画。第3弾は仲山考材株式会社代表取締役&楽天大学学長の仲山進也氏との対談である。進行役はKING GEARの発起人である金子達仁が務めた。
菊池 康平
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2020/02/14
Vol.2はこちらから
――日本政府が今のスポーツマーケットを15.5兆円から25兆円にすると言っているじゃないですか。10兆円増やすと。とにかく「兆」の話ではないですか!それを年収300万円くらいの人たちがつくりだせるとは思えないんですよ。
NBAの八村選手の最初のギャラが4.8億。もちろんアメリカの方が日本よりでかいし、GDPもでかい。でも10倍もでかいわけではないじゃないですか。
なぜ10倍じゃきかないことの差が生まれてしまうのかが、僕はいまだにわからないですし、これを何とかしたいですねというのが、この対談企画を立ち上げたきっかけなんですよ。
元榮:アメリカは、純粋にスポーツビジネスとして、振り切っているというか、やり切っているんじゃないですかね。文化とかもあるかもしれませんけど。恐らく、その八村選手のチームのスタッフたちも結構、給料をもらっていたりしませんか?
――よく聞くのは、成功すると他のスポーツからも引きがあるので、のし上がっていけるんです。最初の給料はものすごく安いみたいですよ。安いと言っても日本みたいにブラックではない。
駆け出しの弁護士が安いという状況の三分の一くらいだと思いますが、そこからの跳ね上がり方はすごいとは言いますよね。
元榮:裏方で支えている人たちの待遇というのは、日本の水準よりは良いんですね。日本はほぼボランティアとか、スポーツ愛とか、サッカー愛に支えられていますよね。
――ボランティアではなく、ちゃんと食えるプラス、その仕事をやっているという周囲の敬意が日本とは比較にならないほど高いと思います。
元榮:物心両面とも日本よりは高い水準がそこにはあるんですね。
――残念ながら、阪神の選手はスターですけど、阪神の役員はスターではないですもんね。出向という形のサラリーマンという印象があるので、なかなか尊敬は勝ち得にくいですよね。
仲山:大きい話はよくわからないのですけど、現場にいながら思ったのは、「サッカーって何が面白いの?」という人に、サッカーの魅力や楽しみ方を伝えるコンテンツをつくっている人が誰もいないなと。
サッカー業界には、「サッカーのルールは、オフサイドがわかれば大丈夫」くらいに思っている人はたくさんいるんですけれど、そもそもサッカーの何が面白いのかをわからない人たちに、「こういう視点で観たら面白いですよ」と登りやすい階段をつくる係の人って必要かなと感じています。
みんな「それはクラブがやれば」とか「Jリーグがやれば」とか、「それはメディアの仕事でしょう」とか、お互いに自分じゃない人がやるべきだと思っている感じがしましたが、いかがでしょう?
――カープ女子をつくる努力をやっていないということですよね。
仲山:そんな感じです。
――これは本当にJリーグができる前からのサッカー畑の人たちの悪い癖で、俺はサッカーわかっていると思いこんじゃう。そして、新参者に対する「わかってないな」という上から目線がすごくある。それが今は規模が大きくなって起こっていますよね。
元榮:カープ女子はどうやってつくっていったんですか?
――結構もうむちゃくちゃですよ。広島までの往復の交通費などをカープが出して応援してもらおうと。
元榮:そこまでやっていたんですか。
――そこまでやっています。若い女子のファンを増やそうと。そしたらそれがワッ、ワッ、ワッと広がっていったんです。
元榮:じゃあ、最初に火をつけるとするなら、交通費を全部もって、来てもらうくらいな意気込みが必要なんですね。
そうすればスタンドがカープ女子、いわゆる「女子が多いぞ!」と話題になって、「行っていいんだ」って、他の女子が今度は自腹で、交通費をかけてくるようになるということですね。
――ですね。あのお金がないカープがそれをやったんですけどね。
元榮:英断ですね。
――大英断でしょう。それをやって来て頂いて、来て良かったと思われるというスタジアムが出来たというのも大きいですけどね。あれが市民球場だったら、女の子ならドン引きして、「なに、この汚いトイレ」と思って帰ったと思いますけど。
元榮:確かにそうですね。
仲山:「今週末はディズニーランドに行くより、Jリーグの試合を観に行こう」と思ってもらうためにはどうすれば良いのか、みたいな問いを持つことが大事ですよね。
――それには車で行けないといけないわけですし、快適性をもっと追求しないといけないですし。
仲山:あとは観戦に行って、「サッカー面白かった!」と思ってもらいやすくするためのコンテンツが圧倒的に欠けている気がします。「観てもらえさえすれば、サッカーの魅力がわかるから」と思っている人が多いからだと思います。
――どんなにクソ試合でも、出ている選手が友達だったら熱くなれるじゃないですか。
仲山:それはありますね。
――ひとつはそれをコツコツやっていくしかないと思うのと、あとは入っただけで、「わぁ!すごいわこの空間!」と思わせる。
元榮:ファンとの交流というのは、クラブによって違うと思いますが、どのくらいやっているんですか?
――すごく矛盾していると思うのは、熱狂的なファンって選手と触れ合わなくても来るわけじゃないですか。でも、練習場に通うような熱狂的なファンしか触れ合えない。
つまり、ライトなファンこそ「握手してもらった、サインしてもらった」で「わぁ!」となる可能性が高いのに、それに対するアプローチが僕は欠落しているように思うのですが、どうでしょう?
仲山:ホームタウン活動などでも選手とのふれあいの機会をつくっていたりするのですが、やっぱり肝心の「サッカーの本質的な魅力」が初心者にも感じられるようになるためのコンテンツがないから、1回スタジアムに来て「まあ、こんなものかな」となって、あとに続かなくなっているとしたらもったいないと思います。
Vol.4へつづく
「複業」で成功する 元榮太一郎/著 https://www.shinchosha.co.jp/book/610838/
サッカーとビジネスのプロが明かす育成の本質 才能が開花する環境のつくり方 菊原志郎/著 仲山進也/著 http://www.tokuma.jp/bookinfo/9784198649241
――日本政府が今のスポーツマーケットを15.5兆円から25兆円にすると言っているじゃないですか。10兆円増やすと。とにかく「兆」の話ではないですか!それを年収300万円くらいの人たちがつくりだせるとは思えないんですよ。
NBAの八村選手の最初のギャラが4.8億。もちろんアメリカの方が日本よりでかいし、GDPもでかい。でも10倍もでかいわけではないじゃないですか。
なぜ10倍じゃきかないことの差が生まれてしまうのかが、僕はいまだにわからないですし、これを何とかしたいですねというのが、この対談企画を立ち上げたきっかけなんですよ。
元榮:アメリカは、純粋にスポーツビジネスとして、振り切っているというか、やり切っているんじゃないですかね。文化とかもあるかもしれませんけど。恐らく、その八村選手のチームのスタッフたちも結構、給料をもらっていたりしませんか?
――よく聞くのは、成功すると他のスポーツからも引きがあるので、のし上がっていけるんです。最初の給料はものすごく安いみたいですよ。安いと言っても日本みたいにブラックではない。
駆け出しの弁護士が安いという状況の三分の一くらいだと思いますが、そこからの跳ね上がり方はすごいとは言いますよね。
元榮:裏方で支えている人たちの待遇というのは、日本の水準よりは良いんですね。日本はほぼボランティアとか、スポーツ愛とか、サッカー愛に支えられていますよね。
――ボランティアではなく、ちゃんと食えるプラス、その仕事をやっているという周囲の敬意が日本とは比較にならないほど高いと思います。
元榮:物心両面とも日本よりは高い水準がそこにはあるんですね。
――残念ながら、阪神の選手はスターですけど、阪神の役員はスターではないですもんね。出向という形のサラリーマンという印象があるので、なかなか尊敬は勝ち得にくいですよね。
仲山:大きい話はよくわからないのですけど、現場にいながら思ったのは、「サッカーって何が面白いの?」という人に、サッカーの魅力や楽しみ方を伝えるコンテンツをつくっている人が誰もいないなと。
サッカー業界には、「サッカーのルールは、オフサイドがわかれば大丈夫」くらいに思っている人はたくさんいるんですけれど、そもそもサッカーの何が面白いのかをわからない人たちに、「こういう視点で観たら面白いですよ」と登りやすい階段をつくる係の人って必要かなと感じています。
みんな「それはクラブがやれば」とか「Jリーグがやれば」とか、「それはメディアの仕事でしょう」とか、お互いに自分じゃない人がやるべきだと思っている感じがしましたが、いかがでしょう?
――カープ女子をつくる努力をやっていないということですよね。
仲山:そんな感じです。
――これは本当にJリーグができる前からのサッカー畑の人たちの悪い癖で、俺はサッカーわかっていると思いこんじゃう。そして、新参者に対する「わかってないな」という上から目線がすごくある。それが今は規模が大きくなって起こっていますよね。
元榮:カープ女子はどうやってつくっていったんですか?
――結構もうむちゃくちゃですよ。広島までの往復の交通費などをカープが出して応援してもらおうと。
元榮:そこまでやっていたんですか。
――そこまでやっています。若い女子のファンを増やそうと。そしたらそれがワッ、ワッ、ワッと広がっていったんです。
元榮:じゃあ、最初に火をつけるとするなら、交通費を全部もって、来てもらうくらいな意気込みが必要なんですね。
そうすればスタンドがカープ女子、いわゆる「女子が多いぞ!」と話題になって、「行っていいんだ」って、他の女子が今度は自腹で、交通費をかけてくるようになるということですね。
――ですね。あのお金がないカープがそれをやったんですけどね。
元榮:英断ですね。
――大英断でしょう。それをやって来て頂いて、来て良かったと思われるというスタジアムが出来たというのも大きいですけどね。あれが市民球場だったら、女の子ならドン引きして、「なに、この汚いトイレ」と思って帰ったと思いますけど。
元榮:確かにそうですね。
仲山:「今週末はディズニーランドに行くより、Jリーグの試合を観に行こう」と思ってもらうためにはどうすれば良いのか、みたいな問いを持つことが大事ですよね。
――それには車で行けないといけないわけですし、快適性をもっと追求しないといけないですし。
仲山:あとは観戦に行って、「サッカー面白かった!」と思ってもらいやすくするためのコンテンツが圧倒的に欠けている気がします。「観てもらえさえすれば、サッカーの魅力がわかるから」と思っている人が多いからだと思います。
――どんなにクソ試合でも、出ている選手が友達だったら熱くなれるじゃないですか。
仲山:それはありますね。
――ひとつはそれをコツコツやっていくしかないと思うのと、あとは入っただけで、「わぁ!すごいわこの空間!」と思わせる。
元榮:ファンとの交流というのは、クラブによって違うと思いますが、どのくらいやっているんですか?
――すごく矛盾していると思うのは、熱狂的なファンって選手と触れ合わなくても来るわけじゃないですか。でも、練習場に通うような熱狂的なファンしか触れ合えない。
つまり、ライトなファンこそ「握手してもらった、サインしてもらった」で「わぁ!」となる可能性が高いのに、それに対するアプローチが僕は欠落しているように思うのですが、どうでしょう?
仲山:ホームタウン活動などでも選手とのふれあいの機会をつくっていたりするのですが、やっぱり肝心の「サッカーの本質的な魅力」が初心者にも感じられるようになるためのコンテンツがないから、1回スタジアムに来て「まあ、こんなものかな」となって、あとに続かなくなっているとしたらもったいないと思います。
Vol.4へつづく
「複業」で成功する 元榮太一郎/著 https://www.shinchosha.co.jp/book/610838/
サッカーとビジネスのプロが明かす育成の本質 才能が開花する環境のつくり方 菊原志郎/著 仲山進也/著 http://www.tokuma.jp/bookinfo/9784198649241