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元体育会ソッカー部な国会議員!元榮太一郎(参議院議員&弁護士ドットコム株式会社 代表取締役会長)のJリーグを世界一のリーグへ 「第3回:仲山考材(株)代表取締役&楽天大学 学長 仲山進也 Vol.2」

1993年当時のJリーグと同時期にスタートしたイングランドのプレミアリーグの市場価値は1対1であった。しかし、現在ではかなりの差をつけられている。「どうすればJリーグがプレミアリーグに追いつくほど盛り上がるのか?サッカーに携わる方々の待遇がより良くなるのか?」そんな課題に対して、元体育会ソッカー部の元榮太一郎が動いた。サッカー関係者から話を聞き、実行に移していく新企画。第3弾は仲山考材株式会社代表取締役&楽天大学学長の仲山進也氏との対談である。進行役はKING GEARの発起人である金子達仁が務めた。

Icon 16466945 810048175800857 1247399717 n 菊池 康平 | 2020/02/13
Vol.1はこちらから

仲山:マリノスで仕事をすることになった初日、「こんにちは」と最初に声をかけてきてくれた人がいました。

利重さんから、「知ってるよね、菊原志郎」と言われて、「えええ、あの読売クラブの天才、菊原志郎さん!?」とびっくりして。志郎さんは育成コーチとして1年前からマリノスにいたんです。
  

志郎さんに、「僕も人材育成の仕事をしています」という話をしたら盛り上がって、あっというまに意気投合しました。

今までやってきた仕事のことをいろいろ話すうちに、「仲山さん、面白そうだから、僕が受けもっている中学2年生のジュニアユースの選手向けに何かやってもらっていいですか?」ということになりました。   

やっているうちに、別の学年のコーチから「中2の子たちに聞いたら『楽しい』と言ってたんですけど、何をやっているのですか?彼らが楽しいと言うなんてなかなかないので」と興味を持たれました。   

その後、「育成コーチ向け」と「スクールコーチ向け」にチームビルディングやコーチングの講座をやることになりました。   

元榮:最初はノーアイデアで何かを手伝うという感じで行って、その状況を眺めている中で、自分が役に立てそうなものを形にしていくということですね。

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仲山:ヴィッセルの時もそうでした。オーナーになったばかりの三木谷さんに「サッカー好きです!神戸、神戸!」と言ってみたら、「ヴィッセルは楽天と関係ない自分の会社なので、楽天からは誰もやらない」と言われてがっかりしたんですけれど、2週間後に呼ばれて行ったら、ニヤニヤしながら「キミの願いをかなえてあげよう。明日から神戸に行って手伝ってきて」と言われました。   

元榮:楽天社員として行ったわけでないんですね?   

仲山:特に人事発令とかもなくて。楽天の同僚からしたら、急に会社に来なくなった人みたいな感じです。   

元榮:向こうからは給料は出ないんですね?   

仲山:はい。神戸に行ってみたら、みんな忙しそうだし、何か役に立てることはないかなとまわりを見回していたら、グッズがありました。

売るモノがあるならネットで売れるところ知ってるな、と思って、楽天市場の出店資料請求サイトから普通に入力をしました。   

送られてきた申込書に「クリムゾンフットボールクラブ 代表取締役 三木谷浩史」と書いて、「楽天の三木谷浩史さん」宛にFAXで送りました。「三木谷to三木谷の書類!」と思いながら(笑)。

そしてネットショップを立ち上げて、自分で運営するという経験をしました。
  

あと、気になったことがあって、ヴィッセルはそれまで神戸市役所から出向してきた人たちが経営していたクラブなので、急にベンチャーの権化みたいな人に社長が変わったら、スタッフの人たちは言われていることの意味がわからなすぎて混乱するだろうなと。   

そこで、「三木谷浩史ってどんな人?」という講座をつくって、スタッフの人たち向けに三木谷さんの価値観や「傾向と対策」のようなことを共有しました。   

たとえば、コロコロ言っていることが変わると感じることがあるような場合があるかもしれないけれど、それはブレているのではなくて、見えているインプットが変わったから判断が変わっただけの場合がほとんどです、というような話をしました。

「そういうの、事前に教えてもらえると助かる!」と喜ばれました。   

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元榮:気が利きますね。   

仲山:M&A後の「異なる組織文化を馴染ませる係」みたいなことをしていました。   

――まぁ、アレルギー反応は相当強烈なものがきますもんね。   

元榮:完全に黒船ですもんね。   

仲山:価値観が180度違いますからね。   

元榮:そういう人たちはちゃんと残るんですか?   

仲山:結局、僕は一年しか手伝えなかったんですけど、すごく一体感が生まれていました。当時のヴィッセルの同僚と再会すると「2004年は大変だったけど、みんな夢中でやっていて面白かったよね」という話になります。   

――残っただけではなく、戦力にもなってくださったのですか?

仲山:はい。いろんな部署の人で「面白いことやりたいね」と雑談するなかから、「スタジアムツアーを企画してネットショップで発売しよう」ということになって、運営担当がコースを決めてくれて、営業担当が「ぼくガイドやります」と志願してくれて、チーム担当が「ベンチ外になった選手が最後にサプライズで登場するのはどう?」とアイデアを出してくれて、大人気商品になったりしました。   

元榮:待遇などはどうでしたか?   

仲山:思ったのは、クラブで働いている人って、サッカーが好きな人ばっかりじゃないですか。だから「少しくらい給料が安くても、好きなサッカーに関われているから」と業務が大変でもがんばる傾向があって、クラブ側としてはそこに甘えて成り立っている部分はあるかもしれないなと。   

――それはサッカーダイジェストにいた僕も痛いほどわかります。年収1000万円になるためには300歳くらいまで働かないといけないくらい当時は大変な待遇でした(笑)

雇っている側も雇われている側も両方それを持っているから厄介なんですよね。でも、ダイジェストで毎日サッカーを見られるだけで僕は良かったんです。

辞めると言っても、次に入りたい人は山ほどいますから。そりゃ給料を上げようという気にはならないですね。この負のスパイラルをどうやって断ち切ったらよいでしょうか?
  

仲山:本当ですね。さきほど言ったみたいに、三木谷さんがそこも含めてゲームのルールを変えようと試み始めたばかりだと思うので。今はフロントの人にお金がまわる前に強化の方にいってしまいますから。   

――フロントにお金をかけると、選手と違って寿命が長いんですけどね。   

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仲山:そうですよね。ただ、フロントスタッフの給料が上がれば経営力も上がるとは限らないと思います。ビジネスで成果を上げた人がクラブに入ってくることが増えてきているじゃないですか。

でも、大企業的マーケティング発想だと、ニーズがないところに生み出すというよりは、ニーズがあるところにお金を使って、他社商品ではなく自社商品を選んでもらうみたいな感じですよね。

来場者データを分析すればするほど、何もしなくても来てくれるコアなファンの声を汲み取ることになって、いつまで経っても裾野が広がらない、みたいなことになったり。ゼロからイチを生み出せるような人が必要ではないかと思います。   

元榮:そういう人が来るような業界になっていないということですかね?   

仲山:スポーツビジネスって難易度が高くないですか。スポーツ以外の分野でベンチャーを立ち上げた方が成功率は高いように思います。   

元榮:高いですよね。がんじがらめの業界のような気がしますからね。   

仲山:難易度が高いからこそ面白い、という考え方もあるので、ビジネスでゼロイチをやった経験のある人が入ってくると面白いと思います。     

Vol.3へつづく


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「複業」で成功する 元榮太一郎/著 https://www.shinchosha.co.jp/book/610838/     


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サッカーとビジネスのプロが明かす育成の本質 才能が開花する環境のつくり方 菊原志郎/著 仲山進也/著 http://www.tokuma.jp/bookinfo/9784198649241