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なぜ全国シニアサッカー「裏選手権」を開催するのか?

大人になっても仕事や家庭との時間のバランスを保ちながら、真剣にサッカーに取り組んでいるシニア選手が全国にたくさん存在している。彼らの目標は地区予選を勝ち抜いた16チームのみが参加できる「全日本O-40サッカー大会」への出場だ。更にシニアサッカーを盛り上げるために「出場できなかった選手の為にも、それに準じる大会も開催したい!」と3人の男が動き11月14日(土)・15日(日)の2日にかけて全国シニアサッカー「裏選手権」が開催されることになった。今大会のアドバイザーを務め、以前にKING GEARにも出て頂いた渡邉俊介さんに話を聞いた。

Icon 16466945 810048175800857 1247399717 n 菊池 康平 | 2020/11/12
――全国シニアサッカー大会(Over 40)、通称「裏選手権」開催のきっかけを教えてください。  

渡邉:大人になっても真剣にサッカーを続けている方々の多くは「40歳になったらシニアのリーグに入って全国大会に出場する」ことを目標に励んでいます。
 

現在、JFAの「第8回全日本O-40サッカー大会」(以下、本大会と表記)が開催されています。全国で16チームしか参加できない価値のある大会です。
 

――地区予選を勝ち抜いてきた16チームのみしか出場できないとは高校サッカー選手権よりも出ることが難しいですね。高校サッカーですと東京から2チームが出れますが、東京から1チームも出られないことも多々あるということですね。
 

渡邉:そうなんです。全国大会に出るのは狭き門で、地区予選で敗れて全国大会に出れない選手がたくさんいるんです。何年かチャレンジしていたけれど年々歳を重ねて、やめていく人も多いのが現状です。  

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もっともっとシニアサッカーを盛り上げるために「それに準じる素晴らしい大会を開催することで目標を無くした選手たちに夢を追い続けて欲しい」という話が、中村篤次郎さん(元ツエーゲン金沢のGMで今回の裏選手権の発起人。以下:あつさんと表記)からあったんです。

「高校サッカーに惜しくも出れなかったチームを集めて開催している「裏選手権」と同じようなものがシニアにあっても面白いと思わない?」ともあつさんから聞かれました。  

自身もOver35の全国大会に出た経験があるので、全国で強豪と対戦するのはモチベーションも上がるし、社会人として働きながらプレーしている方々も目標があるだけで凄く変わるので「面白いと思います」と返したんです。
 

発起人のあつさんと今大会の実行委員長を務める脇田英人さん(以下:わきさんと表記)とシニアサッカーへの熱い想いの意見交換をし、私は裏選手権のアドバイザーという形で「他のシニアチームへのネットワークがあるのでお手伝いします」というところから始まりました。  

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――もう1つ大会が出来るとシニアの選手にとっては大きなモチベーションになりますよね。こんな大会にしたいという構想を教えてください。  

渡邉:生涯スポーツとしてやっていく部分と真剣に戦える場所を提供したいというのが1番のポイントです。惜しくも本大会に出場できなかった強豪を集めたいですし、参加したチームにも楽しんでもらいたい。

開催場所の選定も重要でして、被災を受けたJヴィレッジが2018年にリニューアルオープンで再開しました。その際に使わせて頂きたい旨を話し、Jヴィレッジに快諾頂いたんです。我々にとってJヴィレッジは国立競技場のように憧れの舞台でもありますから。
 

――本来は昨年の10月に第1回大会を開催する予定でしたよね?
 

渡邉:はい。強豪チームが12チーム集まりましたが、大型台風が上陸との予報により、安全が1番なので、なくなく中止にしたんです。
 

中止になった段階で「2020年に切り替えましょう!」と本大会の日程と被らない日程を調整していましたが、年頭に新型ウイルスの猛威を受け、当初はサッカーどころではなくなりました。
 

社会的に世界がどうなるかわからない状況の中で、半ばあきらめかけていたところ、どんどん色々な状況が見えてきて、夏にJリーグの再開が決まってきた段階で「やりましょう!」と関係者で決めて「強豪が集い真剣に戦える場所を提供する」をコンセプトに昨年同様にチームを募集したんです。
 

昨年に裏選手権を告知していたこともあり、早々に12チームが決定し、11月14日(土)・15日(日)の2日にかけてリーグ戦とトーナメントを開催して優勝を決める日程に決まりました。
 

――大会まであと数日ですね。どのようなチームが参加するのですか?  

渡邉:基本的には予選で敗れて本大会に出れなかったチームの強豪に1番最初にお声がけしています。

今年の「エリース東京シニア40」のように東京で1位になっても関東予選で勝たないと本大会には出れないんですよ。(今年は新型コロナの影響で関東大会が中止となり、本大会出場チームは抽選で決定)
 

※参加チーム一覧は文末に掲載  

――もう1つ大会が出来るのは嬉しいことですね。
 
渡邉:「本大会には出れないけれど、裏選手権に出れるかも」と目標が出来ますし、シニアサッカーを本気でやっているチームは、本大会がある週は必ず予定を空けているので、その近辺の週末で日程が被らないように開催するのが趣旨です。

双方に迷惑が掛からず、相乗効果でシニアサッカーを広めていければと考えています。

――参加資格は40歳以上ですよね。この年齢までサッカーを続けている方はすごく熱い方が多いですよね。
 

渡邉:はい、それぞれ違う環境で働いていますし、家族もいる方が多いです。大変な中でもちゃんとサッカーに向き合っている人が多いですし、真剣にサッカーに向き合っています。  

何より仲間と一緒にプレーする時間は面白いし、それが公式戦だとより真剣さが増しますし。シニアでやっている人はみんな本当に真剣にやっていますよ。

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――勝ち負けにこだわり、仕事などで時間がない中でもトレーニングをされてますよね。  

渡邉:例えばあつさんはツエーゲン金沢のGMもされていたので、以前に金沢で全国大会を目指し、東京と金沢を往復し練習されていた時もありました。そのくらい真剣な方が全国にたくさんいるんです。
 

――俊介さんもシニアリーグのチームでプレーされているんですよね。  

渡邉:今年の頭から自身が運営する「TSV1973四日市」でもシニアチームを作りリーグに参戦しました。

高校の時の先輩・後輩や、社会人の時に国体でプレーした選手達が集い、活動が始まっています。
みんな無い時間の中で本当に真剣にやっているし、凄く健全でいいなと思っています。  

――青春時代の延長のような気持になれますよね。  

渡邉:18歳〜22歳まで一緒に真剣に戦っていた仲間と40歳を超えてから背格好も変わり、自分たちの体力や筋力も変わっている中でも、また一緒に出来るというのは本当に面白いですし嬉しいんです。
 

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――サッカーを続けていなかったら再会出来なかったかもしれないですよね。今大会にはたくさんの協賛企業がついてくれていますよね。  

渡邉:今大会の趣旨に賛同してくださった企業の皆様には本当に感謝しています。社会人として真剣に戦える場所を作っていくことにも賛同してくださいました。  

会社として健康や、真剣にスポーツが出来る環境の重要性などを本当に考えてくれています。  

オムロンヘルスケアさんに特別協賛をして頂きましたし、トレーナーブースの設営、低周波治療機器によるリカバリー促進、参加チームへの事前サプリメント提供や動画撮影、プロカメラマンによるプレー撮影などなど色々な企業様に協力を頂きました。(文末に協賛企業一覧を掲載)
 

数々のチーム賞と個人賞を設け、真剣に遊ぶ大人達を我々は応援していきますし、 協賛企業の為にも大会を成熟した素晴らしいものにしていかないといけません。  

――素晴らしいです!まさに大人が真剣に遊ぶ場ですね。今大会を通してコミュニティーを広げたり、仲間を増やして人生を豊かにしていければ尚良いですよね。  

渡邉:サッカーを通して色々な交流が生まれたら嬉しいです。また、家族がいるお父さんプレーヤーは、土日に1泊で参加するのは難しいこともあるので「家族で一緒に来てください」という想いを込めたり、あつさんやわきさんのホスピタリティーがふんだんにちりばめられている大会です。
 

――最後の質問です。俊介さんはなぜサッカーを続けているんですか?  

渡邉:サッカーが体に染みついているんですよ!サッカーがない生活は考えられない。環境が整って出来るなら、いつでもやっていたい。  

そういうことが難しくなるのが大人になることだと思いますが。でも逆に大人になったからこそ、もう一度時間を作り直して仲間たちとサッカーをするのが楽しみでモチベーションになっているんです。  

もちろん全国大会を目指すのもモチベーションが上がりますが、酒を飲むのではなくて、同じ目標に向かって仲間とボールを蹴るのが凄く楽しみなんです。

仕事で嫌なことがあっても天気の良い日に周りに仲間がいて「さあボールを蹴ろう!」という瞬間は凄く楽しいんですよ。  

――もう間もなく裏選手権が開催されます。何かメッセージがあればお願いします。  

渡邉:開催にあたり沢山の方々のご協力、心より感謝いたします。ありがとうございました。  

秋晴れを期待して11月14日土曜日からのJヴィレッジでの激戦を楽しみにしています!スタッフ、選手の皆さん、初代王者を目指して真剣勝負を楽しんで、頑張ってください!!
   

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【プロフィール】

渡邉俊介(わたなべ・しゅんすけ)  

1978年3月生まれ。三重県四日市市出身。
高校卒業後、単身で渡独。デュッセルドルフで2年半プレーした後、1998年に帰国。Jリーグでの活躍の場を求めシーズン終了までテスト生としてプレーしたが翌年のJ2での契約には至らず。99年以降は地元へ戻り、社会人サッカーの世界にかかわる。20歳でアパレル関連会社、有限会社SDIを起業する。

2014年には家業の縫製会社イング株式会社を引き継ぎ、寝装寝具業界に本格的に進出。有名アパレルブランドの商品企画、製造にたずさわりながら、自らのブランドも創業。

2008年、オーガニックコットンにこだわったメンズアパレルブランド「BOTANIKA」(ボタニカ)を、デザイナーの信國太志とともにプロデュース。同年、「VIRI-DARI deserta」(ヴィリダリ デセルタ)を誕生させオーガニックコットンを使った服づくりに注力する。

2019年、地元のサッカークラブ「TSV1973四日市」の代表兼総監督に就任。地域総合型スポーツクラブとしてプロ化、将来のJリーグ参入を宣言。長年専心してきたサッカーを通して、地元四日市市のスポーツ文化と地域社会の成熟を目指す。

≪第1回全国シニアサッカー大会(Over40)≫

 “裏選手権” 
参加チーム一覧  

①オッサンドーレ札幌40(北海道)※北海道3位
 
②FC岩手(岩手県)※盛岡FCと紫波マスターズの合同チーム  
③いわきシニア40(福島県) ※地元開催枠  
④ドリーム水戸シニアFC40(茨城県) ※茨城県リーグ1位  
⑤SOL TODA(埼玉県)※埼玉県1部リーグ2位  
⑥FC船橋(千葉県)※千葉県1部リーグ現在1位  
⑦FC市原シニア(千葉県)※千葉県1部リーグ現在3位  
⑧エリース東京シニア40(東京都)※東京都予選1位
⑨レアル東京40(東京都)※東京都予選2位  
⑩T・ドリームス(東京都)※東京都予選3位  
⑪羅針盤倶楽部NAGOYA(愛知県)※東海大会2位(愛知県リーグ1位)  
⑫洛東シニアサッカークラブ(京都府)※京都大会ベスト4    

≪協賛企業・賞品一覧≫  

■団体賞

 ①オムロン ヘルスケア株式会社   
公式サイト https://www.healthcare.omron.co.jp/
【優勝チーム 副賞】
・マイクロカレント付低周波治療器(最大20名分)  

②JOGARBOLA(サッカードットコム株式会社)
公式サイト http://www.jogarbola.net/
【準優勝チーム 副賞】
・カタログより20万円分の商品提供  

③M.MOWBRAY SPORTS(株式会社R&D)   

公式サイト https://www.mowbraysports.jp/
【第3位チーム 副賞】  
・インソール15名分
 

④ログイン株式会社   
公式サイト https://store.sido-japan.com/
【第4位チーム 副賞】  
・包帯パンツ15名分
 

⑤株式会社分子生理化学研究所   
公式サイト https://www.mpc-lab.com/
【遠方チーム賞】  
・ビタミンB、ビタミンC、コエンザイムQ10の3種類のセット(最大20名分)
 

⑥VILI-DALI   
公式サイト
http://store.viri-dari.jp/
【フェアプレイ賞】  
・マスク、マスクケース、エコバック(最大20名分)
   

≪協賛企業・賞品一覧≫

 【個人賞】  

⑦Neu interesse(株式会社モルフォ)   

公式サイト https://www.cypris.co.jp/
【個人賞 副賞】  
・MVP Briefcase
 
・MIP Longwallet
 
・得点王 Longwallet
 
・敢闘賞 Briefcase
 
・優秀審判賞 Longwallet
 

⑧西川株式会社   
公式サイト https://www.nishikawa1566.com
【個人賞 副賞】  
・MVP エアーポータブルクッションS  
・ベストFW エアーポータブルクッションS  
・ベストMF エアーポータブルクッションS  
・ベストDF エアーポータブルクッションS  

⑨WALLER   
公式サイト http://waller.co.jp/
【個人賞 副賞】  
・ベストGK GKグローブ 【全体サポート】  

⑩sfida(株式会社イミオ)   

公式サイト http://sfidasports.com/
【大会使用球】  
・BSF-VN01 VAIS PRO 
※EAFF E-1 フットボールチャンピオンシップ公式試合球


⑪株式会社スペースワン   
公式サイト https://www.spacexone.com/
【大会記念映像/ドローン撮影】  
・予選リーグ(一部)、決勝戦などのプレーシーンや、開会式&表彰式などの式典シーンを撮影  
・大会風景として、応援の皆様やオフザピッチのシーンも撮影  ・福島県のギフトセット(5,000円分)  

⑫株式会社The StadiuM   

公式サイト https://thestadium.co.jp/
【トレーナーブース】  
・大会期間中、トレーナーブースにてトレーナーサポートをいたします  

⑬南池袋整骨院   
公式サイト https://minamiikebukuroseikotsuin.jimdo.com/
【トレーナーブース】  
・大会期間中、トレーナーブースにてトレーナーサポートをいたします 。

写真提供:渡邉俊介