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千葉ジェッツの富樫勇樹が「勝ちの喜びをこれまで以上に感じた」2023-24シーズンを振り返る

広島ドラゴンフライズの初優勝で幕を下ろしたBリーグは、5月31日に「B.LEAGUE AWARD SHOW 2023-24」を開催した。セレモニーの終了後に『ココロ、たぎる。賞』と8年連続『ベストファイブ』に選出された富樫勇樹(千葉ジェッツ)が囲み取材に応じ、激動の2023-24年シーズンを総括した。©B.LEAGUE

Icon fopv vbvqbakadu 白鳥 純一 | 2024/06/21

 

 

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©B.LEAGUE


『ココロ、たぎる。賞』と8年連続『ベストファイブ』に選出された富樫は、「Bリーグが始まって以降、一番負けたシーズンではあったのですが、勝つことの難しさを感じながら、逆に勝つ喜びを今まで以上に感じることができたシーズンだったと思います。個人として受賞させていただきましたが、チーム、ブースター、スタッフ、チームメートの助けがあってこそだと思います。僕が代表して受け取りますが、タフな今シーズンを戦い抜いた皆さんに感謝したいと思います」と、富樫選手は壇上で感謝の思いを語った。

 

――2023-24年シーズンは東地区3(35勝25敗)に終わり、CSもワイルドカード2位での進出。CSでは琉球に準決勝で敗れるなど、苦しい結果となりました。例年以上に苦しかったと思われる1年を振り返ってみていかがでしょうか?

 

富樫:例年以上に負けることが多かったので、勝った時の喜びをいつも以上に感じることできたシーズンでした。

   

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©B.LEAGUE


富樫勇樹選手は、日本代表のキャプテンとしてパリ五輪の出場権獲得に貢献した「FIBAワールドカップ2023」や、シーズン開幕後に行われた東アジアスーパーリーグ(EASL)で初優勝とMVPを獲得した。千葉ジェッツふなばしでも、リーグ戦全60試合に出場。チームを天皇杯連覇に導いてMVPを受賞するなど、大車輪の活躍を見せた。


壇上に上がった富樫選手は、「この賞(『ココロ、たぎる。賞』)をいただけてすごく光栄です。今シーズンはEASLという大会に出場させていただき、シーズン中にフィリピン、韓国、台湾とアウェーの試合を重ねながら戦ってきて、すごくタフなシーズンでした。EASLと天皇杯の2冠で今シーズンを終えることになりましたが、胸を張って良い結果を残せたと言えるシーズンだったのではないかなと思います」と、今季を総括した。

 

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筆者撮影


――長いシーズンを振り返ってみていかがでしょう?

 

富樫:「長かった」とは思わないですけど、ボケが続いたりすることが多かったので、そういう意味ではいつも以上に大変で、色々な大会に出て楽しんだ1年でした。

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筆者撮影

MVPを獲得したD・J・ニュービル選手(宇都宮ブレックス)


――8年連続で『ベストファイブ』に選出されましたが、長きにわたってトップでいられる秘訣はあるのでしょうか?

 

 富樫:大きな怪我していないことはすごく大きいと思いますし、個人成績も大切ですけど、チームが成績を残し続けられている部分も大きいのかなと感じています。


 今回、MVPを獲得したD・J・ニュービル(宇都宮ブレックス)は、個人的に素晴らしい選手であることは言うまでもありませんが、選出にはあれだけの勝率(51勝9敗・東地区1位)を残したことが大きいと思うので、個人の賞としていただいているものですけど、チームとして勝利を重ねてこられた結果(が連続受賞に繋がっている)と思います。

 

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©B.LEAGUE


ーー壇上では、ご自身では富樫選手を『ベストファイブ』選んでいないとお話しされていました。自分自身に票を入れなかったのは初めてですか?

 

 富樫:いやいや、そんなことないですよ。これまでの今までのシーズンを考えると、自分は「ベストファイブには相応しくないのかな?」と思いました。特に今年に関しては、ポジションも外国籍かどうかも関係がなくなり、いろいろな選択肢がありましたから。僕はムーン(チームメイトのジョン・ムーニー選手の愛称)を選びました。

 

これまで『ベストファイブ』に外国籍の選手が少なかった背景には、「良い選手が多すぎて、票が割れている部分もあるのかな?」と思っていて。

 

(外国籍枠が2枠に限られていた)昨年までは、10人くらいふさわしい選手がいる中で、2枠を選手それぞれの感覚で選んでいましたし、僕自身も「誰を選んだら良いのかわからない。選びきれない」という中での投票でしたから。たくさんの良い選手の中から2人を選ばないといけない難しさはあったのかなと思っています。

 

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©B.LEAGUE


ーーチームを率いたジョン・パトリックヘッドコーチの退任も発表されました。少し早いかもしれませんが、来季への意気込みを聞かせてください。

 

  富樫:新しい監督の下で、監督考えを理解しながら取り組んでいく1年になると思います。就任1年目は、特に難しいシーズンになることが多いと思いますが、監督とチームメイトが信頼しあって続けていく頃が何より大切ですし、今年の負けから学んだ部分はたくさんあると思いますから。「ホームでCSをやりたい」という思いで、レギュラーシーズンを戦っていきたいと思います。