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Jリーグ×トッテナムで語られたスポーツにおけるサステナビリティ ポステコグルー監督が明かしたサッカーの意義「人々を幸せにする」

7月25日に東京都内で「サステナビリティカンファレンス」が行われた。Jリーグの野々村芳和チェアマンが登壇したほか、アジアツアーのため来日したイングランド・プレミアリーグ、トッテナムのアンジェ・ポステコグルー監督やダニエル・レヴィ会長がゲストとして招かれた。日本とイングランドのスポーツにおけるサステナビティへの取り組みやおかれた環境について意見が交わされた。※トップ画像提供/Jリーグ

Icon 30716468 1048529728619366 8600243217885036544 n 井本佳孝 | 2024/07/29

Jリーグが取り組む社会活動

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画像提供 / Jリーグ
冒頭のあいさつで野々村チェアマンから語られたのが、「地域密着」の大切さ。この日の1部は一般企業を対象にしたプログラムだったが、「Jリーグは開幕当初から地域の人たちと育ってるわけです」と切り出した。

野々村チェアマンは「2018年くらいからはクラブと地域の企業が一緒になって地域課題を解決する『シャレン!』を一生懸命行ってきました」とJリーグが近年取り組んできたクラブを通した地域や社会についての活動に言及。

さらに、昨年のJリーグ30周年を機に設立された「サステナビリティ部」についても触れながら、「日常生活を守っていくにはどうするかや、健全な自然環境をどう守っていくかなど、サッカーが当たり前に行われている風景を守っていくという気候変動にも取り組んだ活動になっています」とコメント。

近年Jリーグで問題視される猛暑、台風、大雨などの自然問題からいかにサッカーを取り巻く環境をを守っていくかが大切であると力説した。

また野々村チェアマンは、27日にヴィッセル神戸との『明治安田Jリーグワールドチャレンジ2024 powered by docomo』を控えていたトッテナムをゲストに迎えたことに対して説明。

「サッカー界で見ても大成功を収めているクラブで、このチームが今回ヴィッセル神戸と対戦するフットボール自体も見せていただくのが楽しみなんですが、彼らがすごいのはサッカーを通じたサステナビリティです」と今回のテーマに絡めつつ、「とくに気候変動問題の解決に取り組んでいる姿勢は素晴らしいと思って、今日の場にもゲストとして招きました」と意図を明かした。

かつて横浜FMを率いた指揮官が「帰還」

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画像提供 / Jリーグ
イベント中盤のインタビューセッションのコーナーで、ポステコグルー監督がレヴィ会長とともに登壇してトークを展開。トッテナムの環境ついて言及した。

かつて、横浜F・マリノスを率いていたポステコグルー監督は日本に対して「久しぶりに戻れて嬉しい」と喜びの一言。2018年から21年まで率いた横浜の地については、「大好きで4年前は家族も一緒に来ていた。日本語が難しかったり苦しいこともありましたが、横浜では優勝だけでなくいい経験ができました」と当時を振り返りながら笑顔を見せた。

トークのなかでトッテナムの環境について問われると、ポステコグルー監督は、「素晴らしい施設でそれはレヴィ会長のお陰です」と同席した会長に感謝を述べた。

さらに、「選手たちに社会的な(責任があるという)自覚がある。毎日トレーニング施設に来るのが楽しいし、すごく光栄な場所にいます。しっかりクラブをリプレゼンテーションしていかないといけない」と、2023年から率いるビッグクラブにおいて、自身や選手たちがより社会的にも大きな責任を果たさなければならない立場にいると口にした。

プレミアの「サステナビリティ・リーダー」

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画像提供 / Jリーグ
トッテナムはプレミアリーグのなかでも「サステナビリティ・リーダー」と呼ばれることもあるなど、変化を見せる地球環境のなかで、その状況をより良いものとして維持するためのさまざまな活動を行ってきたクラブである。

CO2の排出を抑えるために、街でチームを支えるファンに対しては公共交通機関の利用を勧め、スタジアムではベジタリアンのメニューを推奨して提供するなど、世界的に大きな影響力をもつサッカークラブだからこそ、日ごろから行うその地道な取り組みは多くのクラブにとって見本となり得る。

レヴィ会長は、「最もクリーンを目指していくことで、よりグローバルな取り組みができます」と明かし、世界のさまざまな企業とつながっていく上でのクラブの姿勢と取り組みが重要であると語る。

さらに、「私たちのような取り組みをしていかないと、スポンサーシップを得ることもできない」と言及し、トッテナムというクラブがスポーツ界でより存在感を放っていくために必要不可欠な一つひとつの活動であると、この日集まった人々を前に力説した。

「サッカーは私の人生の中心」

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画像提供 / Jリーグ
社会におけるサッカーの意義について問われたポステコグルー監督は、「サッカーは私の人生の中心であって、仕事だけでなく、社会にとっても大きなもの。コミュニティとなっていて、それは私にとっても大きいです」と自身を取り巻く環境について語る。

さらに、「トッテナムは私を温かく受け入れてくれている。サッカーという競技は人々を幸せにしてくれるもので、だから人気があるのだと思います」と日本でも人気を誇るプレミアリーグのビッグクラブで感じた想いについて明かした。

この日は元競泳日本代表の井本直歩子さんが登壇し、Bリーグやプロ野球、Vリーグなど様々なリーグで取り組むサステナビリティについての事案が共有されるなど、人々にとってより大きな影響力を持ち得るスポーツという世界だからこそ行える活動があると感じられた。

日本のJリーグが中長期的に気候問題などの社会課題について取り組んでいくなかで、世界的なビッグクラブであるトッテナムを招いて行われた今回の「サステナビリティカンファレンス」。この日集まったスポーツを取り巻く全ての人々にとって貴重な時間となったことだろう。